最高気温13度。
「あーんた、ずいぶんみんかったけど、どこいっちょったが?」と近所のおばちゃん。
「雪山にいっちょった。でも、この川とこの青空が恋しくてねぇ。早くも山を下りてきたんよ」と僕。
「そうかえ、この冬はこっちもひやくてねぇ、おばちゃんちの梅もようやく咲き始めたんよ」
「ねぇ、今年は少し春が遅れるみたいやねぇ、早くあったかくなってもらわんと・・・」
散歩をしていた僕は、バッタリと顔をあわせた近所のおばちゃんと世間バナシに花を咲かせました。
あたたかな日溜りにいると、つい気持ちも口も軽くなっちゃいますね。
四万十は、真冬と春が同居しているような時期です。
今朝は、庭が白くなるほどキンと冷えました。
しかし、先週半ばに雪を降らせた寒気とひどい北風は去り、
日中はよく晴れ、気温も上がった今日の川べは、ポカポカと春のような陽気になりました。
そんな、春の気配に誘われた僕は、自転車でフラフラと2つの沈下橋をめぐってきました。
日陰の空気はピリリと冷たく、水たまりには氷が張り、田畑にはまだ雪が残っています。
菜の花が風にゆれる冬枯れのあぜ道。
背の高い木々の冬芽は、まだかたく(僕が目をつけている)タラの木が芽吹くのも、もう少し先となりそう。
待ち遠しいのは、ヤナギの若葉。ヤナギは、岸辺で真っ先に芽吹くのです。サクラよりも先に。
沈下橋にたたずめば、ゆるくふく風の音だけしか聞こえないのがステキです。
水面に近く手すりがない沈下橋では、空と川にもろに身をさらすような解放感を味わえます。
川原に降り、山の水で淹れたコーヒーをゆっくりと飲んだ。
「それにつけても、空の青さよ・・・」。
四万十に春のきざしを探しにくるなら、これからサクラ咲くころまでがおススメですよ。
勝間沈下橋のたもとが崩れ、ただいま工事中。その泥水で手前の水は濁っているのです。
春待つ岸べ。