あるBOX(改)

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英国ロックの深い森⑥

2011年06月02日 | 英国ロック
クォーターマス

これまた同バンドが発表した唯一のアルバム 1970作
ヒプノシスによる「ビルの狭間を飛行するプテラノドンの
ジャケットが これまた印象的

内容はハモンドオルガンが鳴り響くプログレ風味のハードロック
キーボードを擁したトリオ編成だが、時にフォーキーな香りを
感じさせるELPと違い、スローな曲でもアグレッシヴに歌う
ヴォーカルが印象的だ

メンバーは
ジョン・グスタフソン(vo,b)、ミック・アンダーウッド(ds)、
そしてピート・ロビンソン(key)



とにかく勢いがある
オープニングの『エントロピー』はクラシカルな響きある導入的な
小品だが、それさえも「これから何かが始まる強烈な予兆」を感じる

そして「ブラック・シープ・オブ・ファミリー」
かのリッチー・ブラックモアがレインボーの1stで採り上げた
ことで有名な曲だが(同郷のよしみって話もあったが あちらは
「黒い羊」と邦題ついてましたな)

いやぁ、勢いでは本家に軍配が上がりますな
歌の勢いでもロニージェイムズ・ディオさんに負けていない

曲調は、プログレっぽいアプローチから、他にもブルースやジャズも
取り入れて、何でもありなんだが、一本筋
が通っているからバンドイメージは統一されている

甲高くパワフルなヴォーカルが全編を貫いてるからだろな

オーケストラなんかも使用してるが、これは隠し味程度
「他のバンドにはない物を作ろう!」という意気込みも伝わるが、
それはむしろ全編を包む音の瑞々しさと勢いに感じます

メンバーの演奏力は相当に高い物を感じるし、短命で終わったのが
勿体無いバンドですなぁ



分裂後は色々なバンドに移った各メンバーだが
ドラムのミック・アンダーウッドはフリー解散後にポール・ロジャースが
結成した『ピース』に参加したが、アルバム発表前に解散してしまった
※アンダーウッドさんは「よっしゃ、ポール・ロジャースと組めたぜ!」と
  喜んだでしょうが、束の間でしたなぁ・・・

21世紀になって発売されたフリーのBOXセットには、『ピース』の
演奏も発掘されてたが
『ライク・ア・ウォーター』のリズムをキッチリ刻むアンダーウッドの
ドラムが新鮮だった
※後ノリのサイモン・カークと全然違うドラミング・・・
 「やっぱドラムは人が叩くもんだよな、個々に違うもんなぁ」と
  不思議な感慨を覚えたもんです
  リズムの刻みだけで「いかにもアンダーウッド!」と思わせるプレイも
  個性的で凄いですなぁ

☆☆☆☆☆