あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

初席に行く②

2012年01月07日 | 芸能

休憩を挟んで『第二部』

ちびスケが飽きないように初席に連れてきたんだが
奇術あり、紙切りあり、太神楽あり、講談・・・・で

私は全く飽きなかった

ちびスケも・・・レディー・ガガを赤髪にしたような奇術師マジックジェニーさんに少し食いつき
(最初英語で観客に語りかけながら、一気に日本語でベタなマジックを始めるところが凄かった)

大神楽の芸に「凄い」と驚いておった

漫才のWモアモアさんも熟練のネタで笑わせてくれ、
何人かの芸人さんは客席最年少のちびスケをイジってくれました

私も
松鯉さんの門松の由来は勉強になったな
関東の門松が斜め切りなのは、「徳川(松平)が武田(竹)を切る」って意味なのね



二部の主任(トリ)は三遊亭小遊三さん

噺は新年らしく、古典の『羽団扇』

亭主の初夢を聴きたがる女房と「まだ見てねぇよ」という亭主の諍いに
なぜか仲裁に入る天狗
(この辺の荒唐無稽さは落語らしくてイイねぇ)

鞍馬山まで連れて行って「んで、そんな夢だった?」と興味津々な天狗も、これまた俗で良い
天狗に「団扇を貸してくれたら話してあげるよ」と持ちかける亭主
団扇を奪い、そのまま飛び上がって天空へ

ここを鳥の羽ばたきのように演じる小遊三師匠
談志師匠は団扇を大きく下に扇ぎながら膝立ちになったから、本当に浮き上がるようだった
しかも下方を遠く見下ろす格好で「鞍馬山があんなに遠くに」「マヌケ天狗が悔しがってやがらぁ」なんて語るか
ら本当に飛んでいるようで、まさに『イリュージョン』だったなぁ・・・



演じ方は噺家さんそれぞれ
小遊三さんの『羽ばたき』も、なんか可愛らしくて良かった

噺は進み
うっかり団扇を落とした亭主は海に落下・・・と思いきや落ちたのは宝船
弁天様の琵琶を聴きながら大黒様たちと一杯なんて目出度い噺

女房に起こされて『一服』やったら福も一つ飲んじゃった・・・でサゲ

久々に聴いたからサゲを忘れていた

『パックン・マックン』のパトリックのジョークで
「アルツハイマーの良いことは、毎日新鮮な出会いがある事」なんてのがあったが

私も物忘れが素晴らしいから昔買った本も昔聞いた噺も常に新鮮に再会できます



気がついたら、ちびスケは私の膝で寝ていた
「今度こそ『寿限無』やってくれるかもよ」・・・と言って連れてきたが
また騙くらかす結果になっちゃったな ゴメンな

そう呟きながら抱っこして帰る 第三部までは無理だった 私も腹が減った

まぁ、「小さい頃、親に寄席に連れて行かれて・・・」なんて子供ってイイじゃない
演芸場に連れてって歌舞伎座にも連れてって

スイミングスクールにも通わせて、ピアノも習わせて、スキーも習わせて、
フジロックにもカウントダウンジャパンにも連れてって・・・

なんてイイ親なんだウチらは

我が子が羨ましいよ

我が子になりたいよ・・・・

初席に行く①

2012年01月07日 | 芸能

三が日は混むというから
「通は少し外して行くもの」なんてぇ事を言いながら
またしても、ちびスケを連れて池袋演芸場へ

去年は行き損なったが、今年は連れが仕事なのをイイことに出掛けた



池袋の初席、入れ替え無し

第二部の途中からコッソリ入場
扇鶴さんが『粗忽長屋』を演ってる最中だった
初席は演者が多いから噺をしっかり演ってくれてるとは思わなんだ
ああ、もう少し早く来れば良かった・・・)

次はお目当ての三笑亭笑三師匠
笑三師匠が出るから池袋演芸場なのだ
これまた根多(ねた)を演ってくれた

初詣のマクラから、川崎大師のお話『大師の杵』

弘法大師(空海)はハンサムでモテたって噺(←ヲイ!)

弘法大師さまが諸国を修行で巡り、神奈川県川崎村の庄屋に宿を借りたものの、
男前な弘法大師さまに庄屋の娘が一目惚れ
川崎の人足しか見てない娘は大胆にも、夜、大師の部屋に忍んで行ったが
普通なら美男美女でカップル誕生となるところ、ストイックな大師様は布団に杵を身代わりに仕込んで遁走

世をはかなんだ娘は六郷の川に身を投げ
それを不憫に思った大師様が祠を祀り、川崎大師の由来となった・・・そうな

楽屋仲間の隠語で美人はビフテキ、そうではないのがコロッケ、ミートボール
途中、「今日の客席にビフテキは・・・」なんて覗き込んで観客を笑わす笑三師匠

川崎のビフテキと大師様は結ばれる事は無かったが、駄洒落とクスグリ連発でサービス満点の師匠と観客は
ガッチリと結ばれました
座布団から乗り出して「生ってイイでしょ?」と客席に語りかける笑三師匠

このサービス精神ゆえに古典の名作ではなく新作に向かわれたんだろうな



御年80を越えていらっしゃる筈だが
やや甲高く少し鼻に掛かった声はツヤがあって良く通る

私は、この師匠の佇まいと、声が好きなのだ

昨年亡くなった談志師匠も「落語家を好きになる基準はそれで充分だ」みたいな事をどこかで言っていた

落語家らしい佇まい 素晴らしい声質
ホント、古典の名作も語って欲しいくらいだが、ご本人は「文楽・園生といった大師匠の噺を直に聴いた身とし
ては、自分自身とても出来ない」と謙遜(?)なさっている

お元気なうちに何とかお願いしたい

そういや、5000円かそこらで「どこでも行くますよ」みたいな事を仰ってたな、笑三師匠
屋形船に笑三師匠を呼んで一席やってもらう・・・なんて粋な事やりたいなぁ