あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

ジョニー・ウィンターの名盤シリーズ

2014年07月31日 | CD紹介(洋盤)
スタジオ盤でいえば
メジャーデビュー3枚目のアルバム「ジョニー・ウィンター・アンド」が
私は凄く好きです。

1stはブルースロック、他にはロックンロール炸裂・・・などという趣きがあったが
この「ジョニー・ウィンター・アンド」はハードロック的というか、もっと広がりある
実に味わい豊かな盤なのであります。



1曲目のオープニングからして切り込む様なギターと
「イエー!」というジョニーの雄叫びで始まります。

01. ゲス・アイル・ゴー・アウェイ
02. エイント・ザット・ア・カインドネス
03. ノー・タイム・トゥ・リヴ
04. ロックンロール・フーチー・クー
05. アム・アイ・ヒア?
06. ルック・アップ
07. プロディガル・サン
08. オン・ザ・リム
09. レット・ザ・ミュージック・プレイ
10. ナッシング・レフト
11. ファンキー・ミュージック
12. ゲス・アイル・ゴー・アウェイ [ライヴ] -Bonus Tracks-
13. ロックンロール・フーチー・クー [ライヴ] -Bonus Tracks-

ソングライター=リック・デリンジャーのグループに合流して結成されたのが
「ジョニー・ウィンター・アンド」。
新グループによる70年発表のスタジオ盤。ノリは一発録りだな。
ジョニーのギターとヴォーカルはライヴ感に溢れている。

ジョニー本人は余り曲作りに関わらないヒトだが、そこはデリンジャーが
良い曲を提供してて、アルバム全体にジョニーのスケールとデリンジャーの
良メロディがブレンドされてジャストフィットな塩梅になっている。私には。

曲作りに関して、ジョニーはカヴァー・ソングをモノにする事で補っている。
いや、誰の曲でもジョニー・ウィンター節で演って歌うんだから、補って余りある。
その地力の強さがウィンターの魅力だ。

ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「シルヴァー・トレイン」
「レット・イット・ブリード」も完全にジョニー流。
ボブ・ディランの「追憶のハイウェイ61」も見事なジョニー流。
チャック・ベリーのド直球カヴァー「ジョニー・ビー・グッド」も強烈にジョニー流。

他にも「イッツ・オール・オーヴァー・ナウ」など多数カヴァー曲あり。
そもそもブルース・ソングからして先達の曲をカバーして料理するのが当たり前。

ただし、このアルバムではサプライズとも言えるカヴァ-ソングあり!

なんとトラフィックのバラード「ノータイム・トゥ・リヴ」を取り上げてるのだ。
S・ウィンウッドの透明感とツヤのあるハイトーン・ヴォーカルに対し、ジョニーは
粘りと濁りのある甲高声で歌っているが、そこには別の魅力あり。



原曲のキーボード音を、ギターの残音で表現したかのよう音空間も素晴らしい。
トラフィック・ファンも納得の演奏と歌唱だ。
そして
「ノータイム・トゥ・リヴ」のエンディングの余韻も冷めぬ内に始まるのが
あの「ロックンロール・フーチークー」。
ベスト盤みたいに一曲目から始まるのもイイが、こういう始まり方も最高だ。

なお、
紙ジャケCDにはボーナス・トラックで「ゲス・アイル・ゴー・アウェイ」と
「ロックンロール・フーチー・クー」のライヴ・ヴァージョンが収録されている。

やはりゴキゲンな1枚だ。

モノトーンのアルバム・ジャケットは地味かも知れないが、ジョニーを前に
並び立つ男たちの配列がカッコイイ。


※「セカンド・ウィンター」の青いジャケットもイイけどね!

ジョニーの曲やジョニー・ヴァージョンをカヴァーするミュージシャンも多く。
「グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール」もジョニー流が定着してたかも。

今年行ったラス・バラードも「ボニー・モロニー」をカバーしてて、そのロッカー魂に
私は打たれたものでした。

そうだ、私が見に行ったジャパン・ブルース・カーニバルのセットリストには
「ボニー・モロニー」は無かったんだよな。

私からすると、ラスが代りに演ってくれたようなモノだ。
ラスとジョニーのロックンロール・スピリットに乾杯!そして感謝!

あと、「グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール」は
テンイヤーズ・アフターのヴァージョンもロックファンには御馴染みだよな。

2013年に亡くなったテンイヤーズ・アフターのギタリスト=アルビン・リーは
ジョニーとの共演ライヴを控えてたって話だな。

ありがちな言い方だが、
天国でギター共演しまくって下さい。ジミヘンもいますよ。デュアン・オールマンも。

みんな「なんだ、もう来ちまったのかよ」などと言いながら、笑顔で迎えてくれるでしょう。
そしてジャムりまくって下さい。

ながらく有難うございました、Mr.ジョニー・ウィンター!