新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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尾根道で出会った変わった人達

2010-07-11 17:33:39 | ウオーキング
よく行く里山の脇の尾根道では、何度か面白いといいますか変わった人たちに合います。
今日はその内から2例紹介いたします。

①鼻歌を歌う人。
尾根道を歩いているときです。登り始めてから誰にも出会っておらず、今日は静かだなと思っていました。
その内に、前方から変な音が聞こえてきます。低いうなり声のような、しかし苦しそうではなく低い唄のようです。お経のようでは怖いのですが、どうも洋楽ではなく和楽です。それも民謡のような明るい曲ではなく、しいて言いますと端唄や小唄のような印象です。

前方に声の主が歩いているのが見えました。六十前後の男性です。ザックを背負い前にも何か持っています。そして口を押さえています。どうも頸に巻いたタオルで口を押さえて、声を出しているようです。

普通なら人が近づけば歌うのを止めるのですが、その人は止める様子がありません。早く追い越してしまおうとしたのですが、それ程ゆっくりではなく私のほうが早足気味になりました。追い越すときにその人は、体の前に望遠付きのカメラを下げていました。
でも右手でタオルを持って口を押さえて、ウ~ウ~と低く声を出しています。
話かけられないように追い越して離れました。

クネクネした尾根道を先に歩き、距離を開けてから鳥を探したのですが、しばらくするとまたウ~ウ~と声が聞こえます。正直言って怖くもなりました。
以前見つけた脇道に入り時間を空けたり、また歩き出したりして結局先日の自動雨量観測機見つけた後、もう居ないだろうと来た道を戻り始めました。そこで向こうから来たその人に出会ったのです。目を合わせないようにすれ違ったのでした。その人はカメラは頸から提げたままで、依然として押さえたタオルからウ~ウ~と声を出していました。

②一ヶ月前くらいでしょうか。撮影を終え尾根道を戻りかけたところです。前方に二股がありました。一方は神社から登ってくる道、一方は公園から登ってくる道です。
その追分(?)で、老人が一人私に話しかけそうな様子でした。おかしいと思ったのは、彼の服装です。山歩きでもなく、趣味のハイキングでもなく健康のために杖や棒を持って歩いている様子でもありません。
近所のコンビニにタバコを買いにきたような軽装です。まったく何も持たない軽装です。
彼『お尋ねします。私と同年輩の女性に会いませんでしたか?』
私『山道を掃除している親子の二人だけですよ』
彼はがっかりした様子で私が降りてきた尾根道の方へ歩いていきました。
徘徊癖のある奥さんを探しているのかなと、つい思ってしまいました。

私は神社への道を降り始めました。女坂のほうが木々の間を歩くので、最後の鳥見をしながら歩いていきました。女坂は最終的には神社の鳥居の脇に出ます。そこまで降りてきますとハイキング装備の年配の女性が鳥居の基部に腰掛けていました。私が近づくと女性が話しかけてきます。
彼女『私と同じ位の男の人に会いませんでしたか』
私 『会いましたよ、女性を探していました』
彼女『この上の神社にいましたか』
私 『いいえ、さらに上の尾根道です』
彼女『まったく仕様がない。神社の下で待っていてと言ったのに』

この事件を私が想像しますと、ハイキングの好きな奥さんをご主人が神社下の駐車場まで車で送ってきた。「何時ごろまでに戻ります」と言った時間までに奥さんが戻らない。あまりハイキングなんかしない旦那が心配になって、山道を登り始めてしまったのでしょう。

二人が会えればいいのですが。むしろ心配なのが、現地を知らない軽装のご主人が脇道に入ったりして戻れなくなってはと思います。幸いなことは、ここはどの方向に行っても人家や国道に出られることです。時間を掛ければ戻れることでしょう。
おふたりは携帯を持っていなかったのでしょうか。
コメント
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