新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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あぜ道の若者

2012-09-17 18:03:32 | ウオーキング
笑福亭鶴瓶ほどではありませんが、何か面白いことがないかとあちこちウロウロしている毎日です。

さて快晴の先日の事でした。360度見渡す限り田んぼの中の細いあぜ道を歩いていました。陽射しは暑いのですが、時折吹く風は少しの涼しさを運んできていました。
全く鳥はおらず、駐車場まではまだ2キロ弱あります。こんな遠くまで来てしまったことを少し後悔していました。
細いあぜ道と直交するように幹線の少し広い農道が向うの方に走っています。
その農道をデリバリーのキャノピー付きのバイクが走っていました。こんな暑い中配達は大変だろうし、暑い中ピザではないだろうと馬鹿の事を考えながら歩いていました。

聞こえてくるのは、水田地帯の中央を流れるこの地方全体に水を供給する幹線水路の水音です。幅3メートルくらい、深さはたぶん背が立たないでしょう。と言うより水流が強く流されてしまうのではと思う位たっぷりの水量です。

先ほどの幹線農道の交差点近づいたときです。背の伸びた稲穂の向こうから若い青年がよろよろ立ち上がりました。高校生かもしれません。
交差点まで近づいて様子がわかりました。農道わきの狭い水路の近くにデリバリーバイクが転がっています。もう少しで水路に落ちるところです。この水路は幹線水路でなく一般の用水路です。

青年はヘルメットが脱げたのでしょうか、ふらふらしながらかぶっています。あたりには私一人です。交差点の角で見かねて彼に声を掛けました。
『大丈夫かい?』
『はい、大丈夫です』様子を見るとケガはしていないようです。
『もう少しで水路に落ちるところじゃないか』
『はい、道の端にバイクを止めようとしたら滑って倒れてしまいました』
農道の端は舗装と水路の間に土の部分があり、そこに生えていた草を刈ったあとその場で草を置いてあったので、一帯が枯草のベルト状になっていたのです。さらに降った雨が水路に落ちるように農道の端が水路側に傾斜していたのも運が悪かったです。

後部の収納ケースには、海鮮料理の店名がありました。
『配達は終わったの?』
『ええ終わってます、配達前なら大変でした』
収納ケースは傷だらけです。かなり乱暴に使われているようです。

青年はサイドミラーを拾ってから、バイクを起こそうとしています。でも簡単には起きそうもありません。水路に落ちては大変です。
すぐに収納ケースの後ろに回り、支えながら押して押してあげました。
何とか二人の呼吸を合わせて農道の中央に、デリバリーバイクを起こしたのでした。

『とりあえずエンジン掛けてみたら』と言うと、すぐにバイクのエンジンは動きだしました。
『暑いから気を付けて行けよ』
『ありがとうございます』
青年は農道を走り去ったのです。商売になるような人家のあるところまではかなり遠いのではと、気の毒に思ってしまいました。
夏の思い出でした。

前から気になっていたのですが、ちょっと調べてみました。
デリバリーバイク。 本体だけで273,000円
          収納ケースを付けると30万円。
屋根はキャノピーと言うそーで、キャノピー付きで467,000円だそうです。結構いい値段ですね。
コメント
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