某日、砂浜を歩いていたと思ってください。
H川の左岸にあたる砂浜です。河口に近づくとその右岸の先端から突堤が出ており、白燈台が見えます。岸から先端まで白い鳥がずらりと百羽近く並んでいるのが見えました。
双眼鏡でのぞくと、小型のカモメ類です。赤い脚が見えるのでたぶん「ユリカモメ」だと思います。突堤の付け根から、並んでいる「ユリカモメ」を撮影すれば面白い画像になるかもと思いました。
足が取られる砂浜をえっちら歩いておりますと、その突堤を先端に向かって歩いている男がいます。並んでいる「ユリカモメ」に向かっていくではありませんか。「ユリカモメ」は大慌てで飛び立ち、まるで雪の日のような騒ぎです。その青い服の男は、手に何も持っていません。釣竿でも持っていれば、趣味の違いとしてあきらめもするのですが。「ユリカモメ」を蹴散らすように白燈台に向かって歩いていきました。この青い服の男はまた登場します。
さて飛び立った沢山の「ユリカモメ」は、H川の方に飛んできました。河口から50メートルほどの、狭い水面に一斉に降り立ちました。
川の遊歩道に辿りつきましたので、川面を覗きますと半分くらいの「ユリカモメ」はまだ落ち着かず、川の上空を飛び回っています。折角ですから数カット。
さて私はそれから右岸にわたるため上流に少し歩いて橋の方に向かいました。ふと川を見ると遊歩道の下に管理用の細い道が低い所にあって、そこで老人がデジカメで飛び回る「ユリカモメ」を下から撮影していました。
大きな国道を渡り右岸の遊歩道におりました。
落ち着き始めていた「ユリカモメ」が急にまた飛び立ちました。何事かと思うと先ほどの老人が、川に石を投げているのです。下から上空を飛び交う「ユリカモメ」を撮影したいのに、みんな水面に下りてしまったからでしょう。
見ている私に気が付いた老人は、何もなかったように遊歩道を歩きだしました。カメラも仕舞っているようです。
こんな人もいるのだなと思いながら右岸の先端の突堤付近に行ってみるともちろん1羽も鳥はいません。
そのまま護岸を歩いていると、先ほどの青い服の男がいます。
なんと護岸に三脚を立てて沖合を撮影しているではありませんか。釣り人でも散策者でもなく、彼はカメラマンだったのです。
何故「ユリカモメ」をこのカメラマンは蹴散らしたのでしょうか。カメラを持っていなかったのですから、沖合の鳥に近づいての撮影でもありません。不思議です。
突堤に歩いていく間、私とすれ違った人はいません。護岸から先1キロ以上に青い服の男はいません。青い服の男は彼だけです。
信じられない人々に出会った朝でした。しばらく経ったら忘れてしまうかと思い、記録に残すことにしたのです。
H川の左岸にあたる砂浜です。河口に近づくとその右岸の先端から突堤が出ており、白燈台が見えます。岸から先端まで白い鳥がずらりと百羽近く並んでいるのが見えました。
双眼鏡でのぞくと、小型のカモメ類です。赤い脚が見えるのでたぶん「ユリカモメ」だと思います。突堤の付け根から、並んでいる「ユリカモメ」を撮影すれば面白い画像になるかもと思いました。
足が取られる砂浜をえっちら歩いておりますと、その突堤を先端に向かって歩いている男がいます。並んでいる「ユリカモメ」に向かっていくではありませんか。「ユリカモメ」は大慌てで飛び立ち、まるで雪の日のような騒ぎです。その青い服の男は、手に何も持っていません。釣竿でも持っていれば、趣味の違いとしてあきらめもするのですが。「ユリカモメ」を蹴散らすように白燈台に向かって歩いていきました。この青い服の男はまた登場します。
さて飛び立った沢山の「ユリカモメ」は、H川の方に飛んできました。河口から50メートルほどの、狭い水面に一斉に降り立ちました。
川の遊歩道に辿りつきましたので、川面を覗きますと半分くらいの「ユリカモメ」はまだ落ち着かず、川の上空を飛び回っています。折角ですから数カット。
さて私はそれから右岸にわたるため上流に少し歩いて橋の方に向かいました。ふと川を見ると遊歩道の下に管理用の細い道が低い所にあって、そこで老人がデジカメで飛び回る「ユリカモメ」を下から撮影していました。
大きな国道を渡り右岸の遊歩道におりました。
落ち着き始めていた「ユリカモメ」が急にまた飛び立ちました。何事かと思うと先ほどの老人が、川に石を投げているのです。下から上空を飛び交う「ユリカモメ」を撮影したいのに、みんな水面に下りてしまったからでしょう。
見ている私に気が付いた老人は、何もなかったように遊歩道を歩きだしました。カメラも仕舞っているようです。
こんな人もいるのだなと思いながら右岸の先端の突堤付近に行ってみるともちろん1羽も鳥はいません。
そのまま護岸を歩いていると、先ほどの青い服の男がいます。
なんと護岸に三脚を立てて沖合を撮影しているではありませんか。釣り人でも散策者でもなく、彼はカメラマンだったのです。
何故「ユリカモメ」をこのカメラマンは蹴散らしたのでしょうか。カメラを持っていなかったのですから、沖合の鳥に近づいての撮影でもありません。不思議です。
突堤に歩いていく間、私とすれ違った人はいません。護岸から先1キロ以上に青い服の男はいません。青い服の男は彼だけです。
信じられない人々に出会った朝でした。しばらく経ったら忘れてしまうかと思い、記録に残すことにしたのです。