新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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世の中捨てたものじゃないということ

2015-04-24 18:02:22 | 閑居閑語
時々ですが、山や海の撮影現場で出会うCM達の不愉快な大人げないマナー欠如の出会を愚痴っております。どうしようもないことで、その日のうちに忘れようと努力しております。さてそんな中。

先日のことです。林道の奥の枝林道を歩いておりました。お目当ては「オオルリ」です。
枝林道の入り込んで4合目あたりを歩いたところで、林道を戻ってくる一人のCMに出会いました。

感じがよさそうなので、『奥の広場には、オオルリ出てましたか?』と声をかけました。
すると彼が『広場には出ていなかったです。それよりこの下の方に、「オオルリ」いませんでしたか?』というではありませんか。
私が気が付かなかったといいますと、『朝上ってくるとき、しばらく同じ場所で囀っていましたから、まだ今もいるかもしれません』と言います。
『すぐ下ですから行ってみますか』と案内してくれそう。彼の帰る道ですから、私もついていきました。
200mくらい降りたでしょうか。がけの斜面から伸びた独立樹の先端で「オオルリ」が大きな声で鳴いています。

早速ガードレールに体を固定して撮影を始めました。名前は分かりませんが枝には大き目のピンクの花が咲いています。ピンクの花と、青いオオルリの姿が組み合わさってなかなかいい絵柄です。さらに対岸の樹木が濃い緑です。ひとしきり撮影してから彼と話し込みました。40代初めの男性でしょうか。朝7時に駐車場に着いたといいますから、私より1時間早いです。ですからもう戻りルートなのでしょう。

あまり長い間付き合ってもらってもと、お礼を言いました。
『こんな経験は初めてです。自分が撮影した鳥が、この木にいますよなんてわざわざ案内してくれる人なんていませんよ。助かりました』と、別れたのです。
「オオルリ」は梢の先端で鳴いていることが多く、先ほどの広場でも高いところにいます。ですから下から見上げてしまうことになり、空抜けで鳥が真っ黒になってしまうのです。

今回の場合は、木は高いのですが、深い崖の斜面から生えているので、「オオルリ」の鳴いている梢が水平方向でなんと目の高さなのです。
こんなに親切なCMの合ったのは8年間で初めてです。世の中捨てたものじゃないと、思いながらしばらくその林道をうろうろしたのでした。


林道の奥は、左手斜面のその奥です。
たっぷり「オオルリ」を撮影しましたので整理が終わりましたら、報告します。

コメント
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