2009年1月15日、バードストライク(鳥との衝突)により、
制御不能となった機体をハドソン川に不時着させ、
乗員乗客155人全員を救った
『USエアウェイズ1549便不時着水事故』を元に
クリント・イーストウッド監督と、
名優トム・ハンクスがタッグを組んだ人間ドラマ。
マスコミは機長を称賛し、英雄と騒ぎ立てたのですが、
事故調査委員会は、乗客を危険にさらしたと考えるのです。
命を救った立場の機長や副操縦士が
あたかも犯人扱いには許せない気持ちになっていきます。
実話ですから結果は分かっているのですが…。
この映画は、時系列には並べられていないがゆえに、
機長の心の動きが手に取るようにわかり、
その心情に引き込まれていきます。
そう、機長はトム・ハンクス。
彼だからこそ嘘くさくなく、物語に説得力を与え、
ドキュメンタリーを見ているような迫力があります。
そして、最後は爽やかな気分にさせる監督のニクイ演出。
しかも、96分にまとめあげるところもスゴイ

全員死亡となっていたかもしれない事故で、
多くの人が関わり救助活動にあたるシーンには

パイロットが熟練した操縦技術や職務に対して
強い責任感を持つ人物ではない事故もあったりしましたが、
危険と隣り合わせで仕事している人はどうあるべきかの
人物像をも浮き彫りにしているようです。
無事に旅行を終えられることをもっと
感謝しなけらばという気持ちにもなりました。
監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート
ローラ・リニー
2016年/アメリカ/96分
ユナイテッドシネマとしまえん
2016.10.10