18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ドラマ。
宮廷も人間と人間がぶつかり合う”戦場”のよう
女同士の愛憎入り乱れる歴史劇に
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初ノミネートでオスカー女優となったオリヴィア・コールマン。
これはもう再三のノミネートでもオスカー女優になれない
グレン・クローズも相手が悪かったと思うかもしれない怪演
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グレートブリテン王国最初の君主であり、
スペインやフランスとの戦争を世界各地で繰り広げた
アン女王ですが、容姿にも才能にも恵まれず、
17回の妊娠も一人の子も成人せず、痛風を抱えるなど病身。
そのアン女王を演じたオリヴィア・コールマンの
表情がその全てを物語っており、
ラストに見せた表情が特に印象深い名演です。
女王の幼なじみレディ・サラを演じるレイチェル・ワイズ、
気まぐれな女王を動かし、絶大な権力を握るそのさまも流石。
没落した貴族の娘でサラの従妹でもある従順そうで狡猾な
アビゲイルを演じるエマ・ストーンもやはり凄い
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三人のオスカー女優の好演があってこその作品ですが、
太陽光やろうそくの火でほぼ全編を撮影した映像も
宮廷にタイムスリップしているような気分にさせてくれます。
楽しい気分にさせてくれる映画が好みなので、
シュールな光景は苦手、観なくても良かったかなとも。
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:オリヴィア・コールマン/レイチェル・ワイズ
エマ・ストーン/ニコラス・ホルト
2018年/アイルランド・アメリカ・イギリス/120分
シネクイント
2019.2.28