「石垣は 人のまことの つみかさね」
幕末より今もなおその姿を留める石垣の里
その美しさの中には人の知恵と
営みを見ることができる
西海地域にある小さな集落「外泊」。
入江に面した急斜面には民家が山の中腹まで続き、
それぞれの民家は、台風や季節風から
家や暮らしを守るため、軒に達するほどの
石垣が整然と積み上げられています。
「石垣の里」のある愛媛県愛南町へは、
JR松山駅からJR宇和島駅まで
JR約80分、バスに乗り換えて約60分。
その景観から石垣の里として知られ、
独特の家並みを形成するこの集落は
日本を代表する石垣文化の一大景観地。
幕末に外泊地区に隣接する中泊地区の人口が増加、
地区の主導者が各家の二男以下に分家移住を提案し、
応募した人々により移住がなされたそうです。
中泊に隣接する入り江の谷を埋めて
水路を確保し屋敷地を全て入居者の手で造成、
全戸の入居が完了したのは1879年頃だとか。
「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」、
「美しい日本の歴史的風土100選」、
「日本の美しいむら農林水産大臣賞」、
四国八十八景44番にも選定されています。
昔の民家を模してつくられた「だんだん館」
石垣の里を訪れた人々に美味しい食事などを提供。
眼下に広がる宇和海を臨みながら、
食事やコーヒーを飲むのも良さそうです。
集落で暮らす人々の家を撮ることはできないので、
「だんだん館」の写真を使わさせていただいています。
かつて民家があった土地に屋根瓦が積み上げられ、
次に住まわれる家族を待っているような。
この美しい石垣は今でも
集落の人々の生活を支えています。
一つずつ丁寧に積み上げらた石垣に
昔の人々の実直さやここで暮らす
覚悟を感じられるようです。
150年以上も変わらず人々の暮らしを
守り続けている石垣の里を歩いてみたいと
今回の旅に組み込んでみました。
愛媛県愛南町外泊
2023.5.2
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