俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

竜胆(りんどう)

2011-09-20 | 俳句・秋・植物

蝦夷竜胆

竜胆や白雲まとふ利尻富士

リンドウ科の多年草。山野に自生。九~十一月、茎の先または茎の上部の葉腋に上向きの鐘形の花をつける。花の色は、青紫、紫紅色、まれに白色のものもある。根が竜の肝のように苦いところからこの名がある。サロベツ湿原の原生花園を訪れ、散策路を歩いた。花はほとんど咲いていなかったが、よく見ると足元に蝦夷竜胆が咲いていた。小さな花で、濃い紫色をしていた。そこから見える利尻富士は大きく、白い雲をマフラーのようにまとていた。

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湿原の蝦夷竜胆に屈みけり


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有明月

2011-09-19 | 俳句・秋・天文

カムイト沼と有明の月

有明の映りてゐたり神の沼

有明は本来、月がまだありながら夜が明けてくる頃をいい、またその月を意味する。だが、後世、夜明け方を意味するようになったので、夜が明けた空にかかっている月を有明月というようになった。従って、「有明」だけでも有明月のことを意味する。稚内のホテルを午前三時半過ぎに立ち、一時間十五分ほどで宗谷郡猿払村のカムイト沼に着いた。すでにあたりは明るくなり始めていたが、神の沼といわれる沼の水面に有明の月が映っていた。まだ一般には知られていない沼は神秘的で、崇高でさえあった。

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沼べりの木道に立ち明の月


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2011-09-18 | 俳句・秋・天文


朝霧の中より大き牛の声

道北の豊富町の大規模草地に早朝、霧を見に行った。運よく、谷状になった草地に霧が雲海のように溜まっていた。その霧の中からモーと鳴く大きな牛の声が聞こえてきた。そちらを見ると、尾根のようになった所を数等の牛がゆっくりと歩いていた。墨絵のような世界に思わず興奮した。朝日が昇ると霧は次第に薄くなり、木々の姿がうっすらと見えてくるのであった。(「続きを読む」をクリックしますと、様々な霧の写真がご覧いただけます。)

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昇りきし朝日に霧の輝けり


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秋暁

2011-09-17 | 俳句・秋・時候


秋暁や山の端染まる一処

秋の日の出を見ようとホテルを四時半に出て待った。山の稜線の一処がオレンジ色に染まり、次第に色が濃くなり、やがてきらきらとした朝日が見る見るうちに昇ってきた。その美しさは言葉に表せないほどで、こんな素晴らしい光景に出合えて心から感動した。そして、秋暁の引き締まった空気を存分に味わった。(「続きを読む」に日の出の写真をたくさん載せましたのでご覧ください。)

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秋暁の髪膚に北の大地の気


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2011-09-16 | 俳句・秋・植物


道北の原野の芒かがやけり

イネ科の多年草。漢名は芒で、薄は俗字。 日当あたりのよい山野に自生。屋根葺きに使用され、萱(かや)ともいう。穂がけものの尾に似ているので「尾花」とも呼ばれ、秋の七草の一つ。道北を旅した。何にも使用されていない草地の原野が見渡す限り広がり、人影はまったく見えなかった。道沿いに芒が生えており、朝日に輝いていた。

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芒の向こうの黒い点は牧草を食む黒牛


左の道は利尻富士の見える道では唯一舗装されていない道

穂芒や間近に見ゆる利尻富士


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