毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「中国人大学生の関西ホームステイ体験」 2012年10月24日(水) No.483

2012-10-24 20:04:37 | 日本中国比較
財大日本語学科の黃君が、
8月1日から8日まで我が友人宅と娘夫婦の家にホームステイしてから
まだ3ヶ月も経っていないのに、
ずいぶん前の事のように感じる。
日本語学科の学生たちを取り巻く状況の変化のせいだ。
3ヶ月前はこんな緊迫感と暗いムード、全然なかったなあ。

黃君に、日本滞在中の感想を書くよう言ったところ、
・日本人はルールを守る
・親しみやすい
・人への気配りがある
・環境保護が行き届いている
・時間厳守
・仕事熱心
・商店の独特なやり方
・国民の平等

など、いくつもの項目をあげて、日本〈関西〉の良さについて述べていた。
よく外国人が挙げる「日本人の長所」と重なる点が多い。
最後の2つは何のことかというと次の如し。

商店の独特のやり方
日本へ行って買い物したりして日本の商店には独特の点があると気が付いた。
それはお客さんは店に入り、ただ見るだけでも歓迎されているということだ。
観光スポットの付近にある商店には様々な地元の品物が並んでいる。
これを見たりあれを見たりする気持ちだけで、買おうともしなかった。
その場合は店員さんに知られたら、睨まれると思っていたのに、
実はそうではなかった。
「ただ見るだけです」と声を出したら、
「そうなんですか。どうぞ、どうぞ」と案外に笑顔をして返事をくれた。
「へえー、見るだけでも、店員さんも喜んでいるんですか。すごい!」と思った。
中国では見るだけの場合は、
店員さんはすぐに真剣な顔になり、機嫌が悪くなるような気がする。

国民の平等
8月5日にある障害者の自立作業所で研修した。
1日中地元の障碍者たちと過ごしたが、その触れ合いを通して気がついたのは、
障碍者を侮る人が見られなかったということだ。
普通の健康な日本人と同じで、平等に取り扱われて、
周囲の人たちには障碍者をからかう気持ちが全くなかった。
僕は彼らと一緒に自転車で果物などの配達をしたのだが、
人のお宅に行き果物を配るとき、相手はきちんと挨拶してくれて、笑顔で話した。
その後その家を去るとき、感謝の言葉もいただいた。
障碍者は体のどこかにハンディを持っていても
普通の健常者と同じに取り扱われるべきだと思う。
日本人は国民の平等性を意識して行動しているのに対して
我々中国人はまだまだだ。



「店の独特のやり方」って、書いてあることを見たら、
そんなに日本独特でもないと思うが、中国との違いを実感したのだろう。
また、障害者を街で見かけることもまずないここ南昌の現実を見れば、
(日本〈関西〉の何十年にも渡る障害者解放運動が、大きな実をつけてきたんだなあ)と、再認識する次第である。
普段、当たり前に思っている一つ一つのことは、
何十年もの努力の結晶なのだということを忘れてはいけない、よね。

彼は、いろいろな点について素直に感心しつつも、
(これはどうか)と疑問に思ったことも書いてある。
例えば、こういうことだ。

電気の浪費
原発の事故で日本は節電しなければならないとよく報道されているが、
日本へ行って電気を無駄に使うところも少なくなかった。
一子さんと朋起さんと一緒に梅の花という店に行ったときのことだ。
料理はおいしかったが、しかしクーラが強すぎて寒い気がした。
日本は現在節電していないのか?
どうしてクーラーを強めにつけているの?
もう店の中にいたくないほど寒かった。
どの店も全てクーラーが設けられて涼しい。
その反面、外に出たら温度差が大きいのでものすごく暑くなった。
(節電ならもう少しクーラーを控えるべきではないだろうか)
というのが率直な感想だ。


このように、異国に身を置くと、実に比較がしやすい。
その国に対する理解も容易になる。
そういうわけで、
この「草の根ホームステイ大作戦」は続けたい。
誰か、「うちに泊めてあげるよ。」という人はいませんか~。
コメント
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