9月23日、大阪の友人、文ちゃんからメールが届いた。
私がブログに書いた、私に対する大学の方々の手厚い保護や、
中日関係に関する大阪の若者たちの生の声について触れていたので
日本語学科の老師、学生たち、卒業生の楼さんたちに紹介した。
それに対して、とてもたくさん反響があった。
卒業生の楼さんは、文ちゃんのメール文を中国語に翻訳して
友人知人に配ってくれた。
老師2人も感想メールをくださった(9/26、9/27ブログで紹介済み)。
日本の生の声が聞けたので、お返しにひとりの中国人学生として
本音で書いた文を寄せてくれた子もいる(9/29「良識派中国人学生の意見」)。
私も楼さんから中国語の翻訳文を送ってもらい、それを印刷して、
さっき管理人室で横になっていたミズ劉に渡してきた。
もはやこの手紙は中日友好の武器である。
なぜこの手紙がそんなに中国の人々の心に響くのだろうか。
私も何回も読み返したが、
実は、文ちゃんの言葉は中国の人たちに対して、
何はともあれ、まず相手を認めようとする謙虚さや友情の心が溢れていると思う。
私も異国でのコミュニケーションについては学びつつあるのだが、
異文化・異習慣・異なる考えに対して「上から目線」がもちろんダメなのは分かる。
しかし(対等なんだから)とすぐに張り合うのもダメだ(←これ私、得意ね
(*´∀`*))。
取りあえずよく見、よく聞き、しっかり理解することが、
つまり、その文化や習慣・そこで暮らす人々を認めることが、
何をおいても必要だと思う。
比較対照、分析判断、批判批評はそのずっと後からすることなんだ。
文ちゃんの手紙はそんなことについて、もう一度確認する機会を与えてくれた。
「毎日がちょっとぼうけん」を読んで、思いつくままに にしおか文子 2012年9月23日(日) 午後6:36
お元気ですか?
「毎日がちょっとぼうけん」を読んで、安心し、そして、深く感動しています。
江西財大の先生方の「日本人老師を全力あげて守ります」の言葉、老師や学生、管理人の劉さんたちが、ブルーはーとさんを安心させようと助けてくれている事に感謝の気持ちでいっぱいです(いろいろな思いはあるはずなのに、中国の人たちの心の大きさに感激しました。)
日本語学科の学生たちが肩身の狭い思いをしていると聞いて、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
日中関係が大変なときに、日本語を一生懸命に勉強してくれていることにも感謝しています。
ついこの前までは、中国人学生は勉強熱心で積極的で優秀なので、日本企業は積極的に中国人学生を採用しようとしているとニュースで流れていたのに、悲しいことです。
オーストラリアにいる次女は、韓国人の青年と付き合っていますが、竹島、尖閣問題では、悔しい思いをしています。 馬鹿な政治家のために・・・。
「自分たちは学校で、『中国、朝鮮に侵略してひどい事をして、戦争はまちがっていた。憲法で戦争はできない』と教わった。日の丸、君が代は卒業式、入学式にはなかったし(今は違うけど)歌った事はない〈註〉。」
など、いくら説明しても分かってもらえないと嘆いていました。
「小泉、石原をはじめ、余計なことを言ったり、したりする政治家の為に、全ての日本人がそう考えていると思われているのが悔しい。」と言っていましたよ。
長女も、「石原が余計なことをして、国民を煽るだけ煽って、あとは知らんふりして、ホンマ腹が立つ。」と言ってましたよ。
長男は「何が本当のことなのか分からなくなってきた。インターネットで過去の戦争や竹島・尖閣のことを調べると右寄りの意見が多いので、何が真実なのか、何を信じたらいいのか分からない。」と言っていました。
我が家にもさざなみがたっています。
日本語学科の学生が今までよりさらに肩身の狭い思いをしていると聞いて、胸が痛みます。どうか誇りをもって勉強してください。 中国人の学生は熱心でよく勉強すると聞いています。
将来、日中関係がよりよい方向へいくように願わずにはおられません。その架け橋になってくれたらと・・・。そして、私は、このような事態になっても、ブルーはーとさんが中国の方々に大切にされていることを、日本で少しでも多くの人に伝えたいと思います。
〈註〉
にしおか家の子ども達は3人とも大阪市の同和教育推進校で教育を受けて育った。
同和教育推進校とは、1969年文部省「同和対策審議会答申」を受けて
全国でスタートした民主教育モデル校みたいなもので、
大阪市内の小中学校だけでも何十校(百校ぐらい?忘れた。誰か教えて)もあるが、
もともと上からの制度なので、
その志高いスローガンも現実社会を前に右に左にフラフラしていたが、
今や、橋下市政の下で「風前の灯」状態と聞く。
しかし、この文ちゃんの手紙を読んで、
少なくとも当時「反戦平和・反差別」を掲げて実践した教師たちの声が、
卒業生たちの心に根付いているのを嬉しく思う。
私もその教師達の一人だったからだ。
文ちゃんの家庭教育も良かったに違いない(毎日テレビに向かって意見を言う、その真摯な態度がね~
)。