小保方さんの件、本当に残念である。
アイドル性のある方だったので、
「リケジョ」のトップとして日本をリードし、
科学者を目指す子ども(特に女子)のスターとなることを期待してたのに。
科学者は、基本的に不器用な人が多いように見受けられる。
「いったいどんな脳みそしてたら、そんな理論を思いつくんだ?」
というようなことを考える人が
自国の首相が誰か知らない、なんていう例はいくらでもある。
歴史上の人物にしても、
ニュートンが卵と間違えて時計をゆでてしまった、
アインシュタインは洗濯用洗剤と洗顔用石鹸を区別できなかった、
などという「天然」な逸話もあとを絶たない。
「不思議ちゃん」だったという小保方さんにしても、
理研に利用されただけではないか、という記事もある。
はたして真相は……。
また、科学者たちは個性的な人が多く、
人間模様は、芸能界並みに複雑になりやすい。
今や、手術執刀医や調理師が衛生に気をつけるのは常識となってるが、
「細菌が病気を引き起こす」という発想が生まれる前は、
死体を解剖した手を洗わずに手術を行う、というぞっとするようなことが
当たり前に行われていたそうである。
消毒の重要性に気づいたのがゼンメルワイス。
彼は、医師たちに手の消毒を徹底させたところ、病気の発生が激減した。
しかしゼンメルワイス、
当時医学界の権威だったウィルヒョーを始め、医学界から袋叩きにされてしまう。
ゼンメルワイスの説を認めると、
医師たちで病気を広めてたことを認めることになってしまうからだ。
ゼンメルワイスはウィーンを追われ、
自説を認められなかった悲しみで精神を病んで入院。
皮肉にも、病院で感染症によって死亡してしまう。
彼の死後、ゼンメルワイスの説が完全に正しいことを証明したのが、
まじめな科学者として名高いパスツールである。
ゼンメルワイスのように、生きているときには説が認められず、
下手すれば迫害されてしまう科学者の例はけっこう多い。
ガリレオ、メンデル、ロザリンド・フランクリン……。
あのアインシュタインにしても、
だまされて原爆を作らされたという言い方もできる。
日本を大好きだったアインシュタインだから、
日本に落とすことがわかっていれば、作ったはずがない。
小保方さんの件は、まだ真相がわからないことも多い。
ただ、科学者はこうも苦悩が多いことは確かである。
個人的に「努力してどん底から這い上がりました」系の話は好きでない。
しかし、よくも悪くも彼女は世界中で有名になってしまった。
「不思議ちゃん」らしく、思いもよらないリベンジを果たして、
新たなレジェンドを作って欲しいと願ってしまう。