文具大手のコクヨが、
「性別欄」をなくした履歴書を23日に売り出すという。
名前で性別がわかってしまうこともあるという問題は残るが、
とりあえずは大きな前進といえよう。
これまで、各SNSでも発信してきたとおり、
私は「履歴書から年齢欄をなくそう」
という活動をしている。
そして、この「性別欄をなくそう」と、
「顔写真をなくそう」という方と組んで、
10月に厚労省へ署名を提出した。
最終的な理想は、
海外で使われている「匿名履歴書」だ。
つまり、名前すらも書かせない。
名前を書くと性別がわかってしまうことがあるし、
おおよその年齢や人種もわかってしまうからだ。
仕事をするのに、
年齢も性別も人種も国籍も、容姿も家柄も一切関係ない。
能力(経歴や学歴、資格など)と人間性のみで勝負、
これが当たり前になって欲しい。
願わくば能力の記載事項から(学歴・経歴など)年齢や性別などがわからないように、「人間性」の評価からストレス・理不尽耐性、従順性といった不合理なものも抜いて、また就職だけでなく入試(医学部では就職と似たようなことがあるらしい)などでもこういった差別がすべてなくなればいいと思います。
副作用として解雇規制が緩くなる可能性がありますが(長期間の貢献を前提にした登用でなく人員不足を補うに過ぎなくなるため)こういった差別がなくなることにつながるならむしろいいかな、と思います。
少しネガティブになってしまいますが、性別欄と比べて年齢欄をなくすハードルは大きいと思っています。というのは、日本(と韓国)は、二言目には人の年齢を聞く文化ですから……「年齢欄をなくそう」という提案に対して、賛否以前に意味が分からずぽかんとする人も少なくありませんでした。
日本型雇用のよいところ(解雇規制が厳しい)を生かしたまま、欧米の能力・人間性主義を導入して欲しいものです。現状では、「日本の滅私奉公と欧米の成果主義」という「悪い所取り」になっていますから……。
年齢とは別の問題ですが、LGBTに偏見を持ってしまう、という人のインタビュー記事があったのですが、「物心つく前からそういうものとして教えられてきたから、いきなり自分が悪者にされて心外だ」と話していました(流行語を多数使っていたあたり流されやすいタイプなのでしょうが)。
性別や年齢についても同様のことが言えるのではないかと思います。実際は差別でもそもそも悪意を持っておらず差別として認識していない(日本は差別がない、という幻想もこれによるものと思います)上、年を重ねて思考が硬直化したため、そもそもその問題自体が理解できないのでしょう。
比較的新しい価値観をもつ若い人にそういった差別を継承しないようにする(教育現場や家庭、社会の仕事でしょう)ことから始め、差別を差別と思っていない世代が自然消滅するのを待ち、長期間をかけて差別をなくしていく、というのが現実的でしょうね…。
ただ、何でもかんでも「差別差別」言っては何も言えない社会になってしまうので、「とりあえずは、年齢、性別、人種で差別することは絶対いけないよ」と義務教育の教科書に載せて欲しいです。文科省自体が未だ年功序列なので、難しいとは思いますが……。