現代とはいえ、
カン陀多と同じようなことが起こるのは
気付かないだけで、意外に多いのかもしれない
(↑カン、っていう字が入ってない。。。)
芥川龍之介『蜘蛛の糸』の主人公・カン陀多は、
クモに助けられ、糸を伝って地獄を脱出する。
もう少しで極楽というとき
自己中なことを考えてしまったために、
クモの糸が切れ、地獄に戻ってしまうというもの。
――自分も、ある希望が叶ったと思った途端、
前と同じ匂いのする場所に
流しもどされていた
(mixiでも、愚痴日記もどきを書いてしまいました)
希望に近づいた瞬間、邪なことを考えただろうか。
贅沢な考えが頭を過ったから????
またいつか、クモの糸が
垂れてこないだろうか(笑)
今度こそ、
切れさせない、絶対放さないようにするから!
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ところで、『蜘蛛の糸』には
もうひとつ、大きなテーマが隠れていると思っています。
カン陀多が、一度だけクモを助けた、とあります。
大悪党がクモを助けるという流れに、
おどろくほど違和感を覚えないのです。
人の多面性・悪人が瞬間的に普通の人になることもある、
ということを誰もが無意識に認めている証拠かもしれません。
『蜘蛛の糸は』奥が深いですね。
人の心は複雑に変化し続けていていることを
伝えようとしていたのかもしれません。
見方をかえれば、蜘蛛の糸を信じたから、
あと少しのところまで登ることができたわけで、こんなに沢山の人の重さに耐えられるはずがないと疑った瞬間に切れてしまった。
信じていれば、また必ず蜘蛛は糸を垂らしてくれると思います。
ありがとうございます。
また蜘蛛が助けてくれるよう、がんばっていきます!
蜘蛛は、昔話や民話で超人的な生き物として
登場することも多く、なんとなく神秘的な存在ですね。
家に大きな蜘蛛が住み着いていれば、大きな厄を
よけてくれるらしいですし。
芥川龍之介の小説は、
よく知られた大きなテーマに隠れて、
小さくとも大切なテーマがちりばめられているところが
おもしろいと思います。