国の文化審議会が2019年3月18日開かれ、キトラ古墳が異例のスピードで重文から
国宝になったことが大きく報じられました。
報道例1(NHK) https://www.nhk.or.jp/d-navi/science/news/news_190318_3/
報道例2(時事ドットコム)https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031800879&g=soc
美術工芸品の部門で新規指定件数41件、登録有形文化財(美術工芸品)で2件が
答申されています。
詳細は文化庁の公式サイトから
ホーム > 広報・報道・お知らせ > 報道発表 > 文化審議会答申 ~国宝・重要文化財
(美術工芸品)の指定及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録について~で御確認下さい
国宝・重要文化財の美術工芸品の部門で兵庫県からは兵庫県朝来市にある古墳由来の
「兵庫県池田古墳出土品」と加東市の朝光寺(ちょうこうじ)に安置されている
「木造千手観音立像」を国の重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申されました。
関連サイト:http://www.hyogo-c.ed.jp/~board-bo/kisya30/3103/310318bunkazai1.pdf
本ブログでは池田古墳が重要文化財に指定するよう答申されたことから池田古墳の
発掘調査の結果を要約して纏めてみました。
使用した写真で特記していないものはすべて兵庫県教育委員会が平成27年(2015)3月に
纏めた報告書によります。
尚、朝光寺については加東市選出の県議の藤本百男さんがブログを作成されていますので
リンクさせていただきました。
朝光寺の千手観音立像が国の重要文化財に
池田古墳の概要
兵庫県池田古墳は朝来市和田山町にある。県教委によると、全長は約135mで、
但馬地域では最大規模を誇る前方後円墳です。兵庫県内で4番目に大きい古墳です。
1907年(明治40年)頃の山陰本線敷設の際に墳丘が削平されているほか、古墳域は
宅地化し、墳丘中央には国道9号(和田山バイパス)が横断したため、旧状は大きく
損なわれている。昭和30年代後半に初めて学術的に認識され、1971年(昭和46年)
から現在まで十数度の調査が行われている。
墳形は前方後円形で、前方部を北東に向ける。墳丘は3段築成。築造は
焦点の水鳥形埴輪は、日本神話でヤマトタケルノミコトが死んで白鳥になったように
死者の旅立ちや復活を願い埋葬されたと考えられる。
水鳥は他界を象徴する存在だったとも言われており、死者の魂を運ぶ役や水先案内人の役
として古墳に置かれた可能性があるという。5世紀前半に造られたとされ、
水鳥形埴輪が全国最多の24体以上出土していることでも知られる。
発掘調査
兵庫県立考古博物館による発掘調査
平成20年(2008)10月26日~平成23年(2011)12月22日
担当者:山田清朝、吉識雅仁、山上雅弘、渡辺昇
報告書
調査の成果について平成27年(2015)3月にまとめられています。(兵庫県教育委員会)
詳細は奈良文化財研究所の全国遺跡総覧のサイトからダウンロードできます。
但馬の王墓の変遷
但馬地方の王墓とみられる古墳を編年順に整理してみました。
築造年代 古墳名 規模形式
4世紀 <若水(わかす)古墳A11号墳> 40mφ円墳
4世紀 <城ノ山古墳> 35mφ円墳
5世紀 <池田古墳> 135m前方後円墳
5世紀 <茶すり山古墳> 90mφ円墳
5世紀 <船宮古墳> 91m前方後円墳
出土品
上の写真は池田古墳から出土された出土品の一部(代表的なもの)
埴輪、小型土器、小型土製品、木製品、鉄製品です。
上の写真は出土遺物を整理したものです。
上の2枚の写真は水鳥形埴輪の一部と完全な形で出土した状況
上の写真は家形埴輪
所在地
池田古墳の場所の住所は朝来市和田山町平野字花段です
上の写真は地図に池田古墳の位置を入れたものです。
上の写真は池田古墳の遠景
上の写真は池田古墳の近景
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 71号 (2009.3)
過去の発掘調査
上の写真は発掘調査された時期と場所を纏めたものです。
発掘調査の現場
上の3枚の写真は発掘現場の様子です。
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 71号 (2009.3)
上の写真も発掘現場
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 78号 (2011.3)
以下Wikipediaより引用
墳丘表面は葺石で覆われ、円筒埴輪列・形象埴輪(水鳥形・家形・盾形・壺形・
蓋形埴輪等)が認められるほか、左右くびれ部には造出を有する。
墳丘周囲には盾形の周濠も巡らされており、埴輪・葺石・周濠を備えた古墳は但馬地方では
池田古墳と船宮古墳(朝来市桑市)のみになる。
墳丘の構造
上の写真は墳丘の模式図です。
出典:平成20年度現地説明会資料 平成20年12月23日実施
過去のブログ
ジョセフ・ヒコ(Joseph Heco)の生まれ故郷 播磨町散策記 その8(最終回)
現地調査報告会2010(池田古墳他)
祝重文答申の展示
兵庫県立博物館では池田古墳が重要文化財に答申されたこと記念してメインホールで
展示が行われています。期間:2019年03月19日(火) ~ 05月12日(日)
詳細は下記サイト:
http://www.hyogo-koukohaku.jp/events/
現地説明会資料
池田古墳発掘調査の現地説明会資料(朝来市教育委員会・朝来市埋蔵文化財センター)
平成18年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H18.pdf
平成19年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H19.pdf
平成20年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H20.pdf
平成21年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H21.pdf
平成22年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H22.pdf
国宝になったことが大きく報じられました。
報道例1(NHK) https://www.nhk.or.jp/d-navi/science/news/news_190318_3/
報道例2(時事ドットコム)https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031800879&g=soc
美術工芸品の部門で新規指定件数41件、登録有形文化財(美術工芸品)で2件が
答申されています。
詳細は文化庁の公式サイトから
ホーム > 広報・報道・お知らせ > 報道発表 > 文化審議会答申 ~国宝・重要文化財
(美術工芸品)の指定及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録について~で御確認下さい
国宝・重要文化財の美術工芸品の部門で兵庫県からは兵庫県朝来市にある古墳由来の
「兵庫県池田古墳出土品」と加東市の朝光寺(ちょうこうじ)に安置されている
「木造千手観音立像」を国の重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申されました。
関連サイト:http://www.hyogo-c.ed.jp/~board-bo/kisya30/3103/310318bunkazai1.pdf
本ブログでは池田古墳が重要文化財に指定するよう答申されたことから池田古墳の
発掘調査の結果を要約して纏めてみました。
使用した写真で特記していないものはすべて兵庫県教育委員会が平成27年(2015)3月に
纏めた報告書によります。
尚、朝光寺については加東市選出の県議の藤本百男さんがブログを作成されていますので
リンクさせていただきました。
朝光寺の千手観音立像が国の重要文化財に
池田古墳の概要
兵庫県池田古墳は朝来市和田山町にある。県教委によると、全長は約135mで、
但馬地域では最大規模を誇る前方後円墳です。兵庫県内で4番目に大きい古墳です。
1907年(明治40年)頃の山陰本線敷設の際に墳丘が削平されているほか、古墳域は
宅地化し、墳丘中央には国道9号(和田山バイパス)が横断したため、旧状は大きく
損なわれている。昭和30年代後半に初めて学術的に認識され、1971年(昭和46年)
から現在まで十数度の調査が行われている。
墳形は前方後円形で、前方部を北東に向ける。墳丘は3段築成。築造は
焦点の水鳥形埴輪は、日本神話でヤマトタケルノミコトが死んで白鳥になったように
死者の旅立ちや復活を願い埋葬されたと考えられる。
水鳥は他界を象徴する存在だったとも言われており、死者の魂を運ぶ役や水先案内人の役
として古墳に置かれた可能性があるという。5世紀前半に造られたとされ、
水鳥形埴輪が全国最多の24体以上出土していることでも知られる。
発掘調査
兵庫県立考古博物館による発掘調査
平成20年(2008)10月26日~平成23年(2011)12月22日
担当者:山田清朝、吉識雅仁、山上雅弘、渡辺昇
報告書
調査の成果について平成27年(2015)3月にまとめられています。(兵庫県教育委員会)
詳細は奈良文化財研究所の全国遺跡総覧のサイトからダウンロードできます。
但馬の王墓の変遷
但馬地方の王墓とみられる古墳を編年順に整理してみました。
築造年代 古墳名 規模形式
4世紀 <若水(わかす)古墳A11号墳> 40mφ円墳
4世紀 <城ノ山古墳> 35mφ円墳
5世紀 <池田古墳> 135m前方後円墳
5世紀 <茶すり山古墳> 90mφ円墳
5世紀 <船宮古墳> 91m前方後円墳
出土品
上の写真は池田古墳から出土された出土品の一部(代表的なもの)
埴輪、小型土器、小型土製品、木製品、鉄製品です。
上の写真は出土遺物を整理したものです。
上の2枚の写真は水鳥形埴輪の一部と完全な形で出土した状況
上の写真は家形埴輪
所在地
池田古墳の場所の住所は朝来市和田山町平野字花段です
上の写真は地図に池田古墳の位置を入れたものです。
上の写真は池田古墳の遠景
上の写真は池田古墳の近景
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 71号 (2009.3)
過去の発掘調査
上の写真は発掘調査された時期と場所を纏めたものです。
発掘調査の現場
上の3枚の写真は発掘現場の様子です。
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 71号 (2009.3)
上の写真も発掘現場
出典:兵庫県立考古博物館編 ひょうごの遺跡 78号 (2011.3)
以下Wikipediaより引用
墳丘表面は葺石で覆われ、円筒埴輪列・形象埴輪(水鳥形・家形・盾形・壺形・
蓋形埴輪等)が認められるほか、左右くびれ部には造出を有する。
墳丘周囲には盾形の周濠も巡らされており、埴輪・葺石・周濠を備えた古墳は但馬地方では
池田古墳と船宮古墳(朝来市桑市)のみになる。
墳丘の構造
上の写真は墳丘の模式図です。
出典:平成20年度現地説明会資料 平成20年12月23日実施
過去のブログ
ジョセフ・ヒコ(Joseph Heco)の生まれ故郷 播磨町散策記 その8(最終回)
現地調査報告会2010(池田古墳他)
祝重文答申の展示
兵庫県立博物館では池田古墳が重要文化財に答申されたこと記念してメインホールで
展示が行われています。期間:2019年03月19日(火) ~ 05月12日(日)
詳細は下記サイト:
http://www.hyogo-koukohaku.jp/events/
現地説明会資料
池田古墳発掘調査の現地説明会資料(朝来市教育委員会・朝来市埋蔵文化財センター)
平成18年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H18.pdf
平成19年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H19.pdf
平成20年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H20.pdf
平成21年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H21.pdf
平成22年度 (PDF) :http://www.city.asago.hyogo.jp/cmsfiles/contents/0000000/286/H22.pdf