淡路市が運営するコミュニティバス「あわ神あわ姫バス」で淡路市を周回しました。
今回は淡路島(淡路市)散策記シリーズの第9回として貴船神社遺跡について記載します。
今回で最終回となります。
シリーズ過去の記事は下記のとうりです。
淡路島(淡路市)散策記 その1 岩屋港 on 2020-10-30 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その2 絵島 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その3 石屋神社 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その4 ラジオ関西送信アンテナ - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その5 東浦バスセンター周辺 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その6 津名地区淡路市役所周辺 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その7 しづかホール - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
淡路島(淡路市)散策記 on 2020-10-30 その8 伊弉諾神宮 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
番外
淡路市 とと姫でのランチ on 2020-10-30 - CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ) (goo.ne.jp)
上の写真はバスから撮った貴船神社の遠景です。
私が撮った写真はこれしかありません。
そこで、他の人が訪問した記録や現地発掘調査の報告書から貴船神社遺跡と平林貴船神社
について記載していきます。
上の写真は緑の道しるべ大川公園として整備された古代の製塩作業をする海人のモニュメント
熱効率の向上を図った石敷炉が兵庫県内では初めて発見されました。
弥生時代中期の土器が出土しておりこの頃から人が住んでいたと思われます。
少なくとも奈良時代までは塩の製造が行われていました。
出典:文化庁作成のリ-フレット「国生み神話の島 淡路島の旅」
平林貴船神社の所在地住所は淡路市北淡町野島平林206ですGoo地図を添付しておきます。
サンセットラインとも呼ばれている県道31号線沿いにあります。
遺跡は簸川と呼ばれる小河川の河口左岸付近で、播磨灘と東側丘陵に挟まれた幅80m程の緩斜面に位置する。
上の写真は兵庫県教育委員会が2001年3月に纏めた貴船神社遺跡の調査報告書の表紙で
製塩作業のイラストが掲載されています。以下こちらからの出典が多くなり1)と表記。
貴船神社遺跡の概要
現地説明板には次のように記載されています。
野島の浦に位置する古墳時代から奈良時代にかけての製塩遺跡です。熱効率の良い石敷炉(いしじきろ)が発見されており、大量生産した塩は王権にも供されたと考えられます。日本書紀に登場する「野嶋の海人(あま)」の活動拠点とされ、現在は海人が生業とした土器製塩の様子をモニュメントで見ることができます。
ここ大川公園一帯は、弥生時代から古代にかけて塩づくりを行っていた貴船神社遺跡が存在していました。兵庫県では、はじめての石敷炉が確認された遺跡であり、塩づくりの過程が推測できる貴重な遺跡です。播磨灘に面した海岸部に立地しており、明石市から西播磨の海岸はもとより瀬戸内海に浮かぶ家島諸島・小豆島や四国まで遠望できます。塩作りの遺跡は弥生時代末から奈良時代にかけて長期間にわたって継続しています。
塩作りには、濃縮した海水を作る工程とその塩水を煮詰めて塩を取り出す2つの工程があります。そのはじめの工程には「万葉集」に見られる「藻塩焼き」をあてる考えがありますが、今回は明らかにできませんでした。調査で明らかになったのは塩を取り出す工程です。濃縮した塩水を製塩土器にいれ、石敷きの炉に並べて煮詰め塩を取り出す作業を行っており、炉跡が22基以上確認されています。そのうち19基は古墳時代末から奈良時代で、大阪湾沿岸では塩作りが衰退する時期にあたります。
また、塩づくりに携わった古代人は万葉集や日本書紀にみられる野島海人と考えられます。貴船神社遺跡で最も盛んに塩づくりをした時期が野島海人の活躍したことと関係あるかもしれません。
兵庫県のサイトで紹介の貴船神社遺跡
haykkei-zyun-awaji-12.pdf (hyogo.lg.jp)
日本遺産「国生みの島・淡路」
2016年に日本遺産に指定された「国生みの島・淡路」の構成要素(ストーリー)の1つに
貴船神社遺跡が選ばれています。
日本遺跡の構成要素(ストーリー)で下記サイトで紹介されています。
貴船神社遺跡 | 淡路島日本遺産 (kuniumi-awaji.jp)
発掘調査
貴船神社遺跡平成2年(1990)電柱の建て替え工事で多量の製塩土器が出土したことから
遺跡として確認されました。以降調査が進められ平成4年(1992)「製塩遺跡Ⅰ」北淡町No.11
貴船神社遺跡が刊行。さらに平成5年(1993)遺跡の範囲の確認調査が実施されました。
さらに平成7年(1995)6月から12月まで本調査が実施され、現地説明会も10月29日に実施された。
平成10年(1998)から平成12年(2000)水洗い作業や継ぎ足し作業が実施され、既述した2001年
の報告書刊行につながっています。調査は兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所調査部が担当。
上の2枚の写真は貴船神社遺跡の全景
上の2枚の写真は炉跡の発掘状況。2時期の炉址(地床炉・石敷炉)を検出
上の3枚の写真は出土した製塩土器。多種多様な製塩土器が出土しています。
上の写真は新羅陶器
野島海人の実態は4世紀から5世紀に朝鮮半島より渡来した渡来人と深く関係すると
考えられます。
上の2枚の写真は出土遺物の代表例です。
前述した製塩土器、新羅陶器の他にイイダコ壺、土錘、炉の羽口、土師器、須恵器
鉄器などが出土しています。
最後に貴船神社遺跡周辺の遺跡の場所を示した地図を添付して筆を置きます。
淡路市内で国史跡に指定されている有名な史跡としては
徳島藩松帆台場跡(岩屋)、五斗長垣内遺跡(黒谷)、舟木遺跡(舟木)があります。