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国登録有形文化財(建造物)の黒田清右衛門商店住宅(三木市)

2023年10月24日 04時11分44秒 | 神戸市以外の兵庫県
2023年10月18日、兵庫県三木市を訪問した折に表題の黒田清右衛門商店住宅の写真を
撮りましたので紹介します。

黒田清右衛門商店は三木市で最古の金物問屋でその建物群(11件)は令和1年(2019年)
12月5日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されています。
登録番号は28-720~730の11件

建物群11件の具体的な内容は下記のとおりです。
  年代、構造、登録番号、解説文は文化庁のデータベースからの引用です
①黒田清右衛門商店内蔵
  年代:昭和2年(1927)頃
  構造、形式:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積19㎡
  登録番号:28 - 0729
  解説:
   敷地の北西隅、離れの北に並ぶ土蔵造で、東面に板戸引分けの戸口を開き、銅板葺の庇を付す。外壁は漆喰塗で腰を竪板張とする。2階に鉄扉片開きの窓を付す。2階は板間で棹縁天井を張る。商品蔵で、現在は家財と文書を収める。屋敷の表構えを整える。

②黒田清右衛門商店座敷棟
  年代:明治後期(1898~1912)
  構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積55㎡
  登録番号:28 - 0721
  解説:
   主屋南西に斜めに取付く座敷棟。屋根は切妻造桟瓦葺で、広い妻壁を漆喰で塗込める。南北に八畳を並べ、南を床、棚、書院付の座敷、北を次の間とする。南北に縁を付し、南縁から庭を望み、北縁から主屋に通う。北西に便所を置く。上質な商家の接客座敷。

③黒田清右衛門商店西南隅蔵
年代:明治前期 (1868~1882)
  構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積43㎡
  登録番号:28 - 0726
  解説
   敷地の南西隅にあり、南蔵の西に接続する。土蔵造二階建の大規模な建物である。敷地形状に合わせた台形平面で、外壁は漆喰塗で、腰を海鼠壁とし、北面に桟瓦葺の庇を付す。2階窓に鉄格子を入れる。1階は土間で商品蔵兼加工場とし、2階は家財蔵とする。

④黒田清右衛門商店外塀
  年代:昭和2年(1927)頃
  構造:木造、瓦葺一部銅板葺、延長6.5m
  登録番号:28 - 0730
  解説
   敷地北辺、店舗と内蔵の間を塞ぐ土塀で、長さ8・0メートル、高さ3・3メートルである。屋根は桟瓦葺で、半間毎に柱を立て、壁は上部を真壁黒漆喰塗、腰を竪板張とし、西から第3間に外開の板戸を設ける。内側には銅板葺の庇を設け内蔵に通じる通路とする。

⑤黒田清右衛門商店店舗兼主屋
  年代:江戸末期(1830~1868)/昭和前期改修
  構造:木造2階建、瓦葺、建築面積182㎡
  登録番号:28 - 0720
  解説
   街路に北面して建つ金物問屋の店舗兼主屋。本瓦葺の屋根は正面側を中途から一段下げ、下屋と共に軒を三段に見せる。下屋の屋根中央に大鋸の看板を据える。一階は東に土間、西は北に店ノ間と茶室、南に二列四室、二階は北に物置、南に八畳座敷など四室を配す。

⑥黒田清右衛門商店東南隅蔵
  年代:明治前期(1868~1882)
  構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積25㎡
  登録番号:28 - 0724
  解説
   敷地南東隅にあり、東蔵の南に接続する。切妻造で、東蔵と棟を西へずらし東蔵越しに北妻壁を見せる。北面に桟瓦葺の庇を付す。外壁は漆喰塗で腰を竪板張とする。内部は板間で商品蔵、家財蔵とし、小屋組は登り梁に束立で母屋を受ける。北妻窓に小庇を付す。

⑦黒田清右衛門商店西蔵
  年代:明治前期(1868~1882)
  構造:木造2階建、瓦葺、建築面積88㎡
  登録番号:28 - 0727
  解説
   敷地西辺にあり、西南隅蔵の北に接続する。桁行18・3メートルの長大な土蔵で、東面に桟瓦葺の庇を付す。一階は土間の四室を並べ、南端一室を吹放ち、北から二室の正面を開放し、二階は三室の板間とする。商品蔵、家財蔵で、敷地西辺を構成する建物である。

⑧黒田清右衛門商店離れ
  年代:大正後期(1919~1926)/昭和2年頃増築
  構造:木造2階一部平屋建、瓦葺、建築面積41㎡、塀付
  登録番号:28 - 0728
  解説
   敷地西辺北寄りに建ち、切妻造二階建の接客棟と南に平屋建の書斎が付く。1階は8畳で北面に床、棚を設け、2階は6畳で西面に床、棚、書院を設ける。いずれも南から東へ縁を廻らす。書斎は4畳で西面に床と本棚を設け、南妻に長円形の丸窓を開く。

⑨黒田清右衛門商店東蔵
  年代:明治前期(1868~1882)
  構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積43㎡
  登録番号:28 - 0723
  解説
   味噌蔵南に連続して建つ、桁行10・9メートルの土蔵造で、西面に桟瓦葺の庇を付す。外壁は漆喰塗で腰を竪板張とする。内部は板間で1、2階とも中央やや北寄りで二室に間仕切り、それぞれ大戸口と二階に鉄格子窓を付ける。商品蔵、家財蔵として使用した。

⑩黒田清右衛門商店味噌蔵
  年代:明治中期(1883~1897)
  構造:木造2階建、瓦葺、建築面積14㎡
  登録番号:28 - 0722
  解説
   主屋の南面東端に取付く。土蔵造二階建で、外壁は漆喰塗で腰を竪板張とする。西面に鉄板葺の庇を付し、中央の太い腕木二段で桁を受ける。一階は一間半四方の土間の味噌蔵と一間の便所に分かれ、二階は一室の板間である。敷地東辺を構成する土蔵の一つ。

⑪黒田清右衛門商店南蔵
  年代:明治前期(1868~1882)
  構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積38㎡
  登録番号:28 - 0725
  解説
   東南隅蔵の西に接続する。桁行9・0メートルの土蔵造二階建で、北面に桟瓦葺の庇を付す。外壁は漆喰塗で腰を竪板張とする。1階は二室に間仕切り、東から家財蔵、文庫蔵、薪炭蔵とし、2階は一室で家財蔵とする。敷地の南辺を構成する建物である。

上の写真はGoogleマップで11カ所の建造物の位置を示したものです。
番号は上述の番号に整合させています。




上の2枚の写真はひめじ道に面した黒田清右衛門商店の建造物群です。
店舗兼母屋の屋根の中央に大鋸(おが)の看板があり目立つ


上の写真は特産金物卸商の看板と国の登録有形文化財証及び兵庫県の景観形成重要建造物の証



上の2枚の写真(2020年2月2日撮影)は⑤主屋兼店舗の中景と近景
この時点では国の登録有形文化財証及び兵庫県の景観形成重要建造物の証が無いことが判ります。

下記サイトに建造物の詳細について書かれていますのでリンクさせていただきました。


黒田清右衛門商店について 
住所:三木市本町2丁目3-26 TEL:0794-82-0009
所在地のGoogleマップを添付しておきます。

三木の町では18世紀半ばから金物業が盛んとなり、金物の流通・販売を生業と
する仲買問屋が現れました。
黒田清右衛門商店は明和2年(1765)に創業し250年以上の歴史を誇っています。
黒田清右衛門商店は江戸時代より大坂や江戸との取引があり当時主力の前挽鋸
=大鋸(おが)はそれまで特産地であった京都のものを凌ぐほどになり
三木が全国的に金物の名産地になったことに貢献した。
7代目の黒田清右衛門は明治21年(1888)3歳で当主となり三木町の町長として
大正14年(1925)6月 - 昭和6年(1931)9月の約6年間、務めた。
昭和6年以降は県政に関わり県議会副議長も歴任した。
昭和34年(1959)には黄綬褒章を受章した。
以上は黒田清右衛門:県商23回生(明治38年卒)のサイトを参照

三木の町が明石藩領であった時代(天保13年(1842)以降)作屋(黒田)清右衛門は
金物の販路拡大のみならず三木組の発展にも大きく寄与しています。
安政6年(1859)明石藩の御用達を命ぜられています。
明石藩に対して多額の上納金(古文書に14年で58貫431匁2分(約1.2億円))を納めた。
さらに藩への貸し金、銀30貫(約6千万円)の証文を取り下げたうえ、金10両(約100万円)を
差し添えたことに対して、万延2年(1861)明石藩から名字帯刀を許され、大年寄格に命じられた。
上の写真は天保13年(1842)明石藩領の地図

さらに詳細は下記サイト(三木市立みき歴史資料館)が詳しい

三木市の国の登録有形文化財(建造物)  
三木市で国の登録有形文化財になっているのは下記の4か所、21件です。
三寿ゞ刃物製作所(2件) HP:三寿ゞ刃物製作所 (3suzu.com) 

旅亭文市楼(2件)三木市立みき歴史資料館のサイト:


沢田伸さんのスケッチ 

少し話題が変わりますが上の2枚の写真は沢田伸さんが描いた黒田金物店の

スケッチです。(2008年の作)

2020年1月29日に兵庫県立歴史博物館の特別企画展で展示されていたものです。

上述の企画展のリーフレットと沢田伸さんの略歴を添付して筆をおきます。



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