今日(12月5日)、今まで逃げ回っていた本部町の建設課長が本部町島ぐるみ会議のメンバーらと会うことを承諾した。私も急いで駆けつけ、建設課長らと、辺野古への海上石材搬送のための本部港の使用許可について話し合った。
港湾使用許可については、荷さばき地使用許可と岸壁使用許可があるが、すでに荷さばき地使用許可は出されていることが分かった。後、岸壁使用許可が出されれば、辺野古への海上搬送のための本部港の使用許可がそろうことになる。
現在の状況では、岸壁使用許可も、明日にでも出される可能性が高い。事態は急を要している。本部町島ぐるみ会議は、許可を出さないよう求め、明日(6日・水)午後1時から本部町役場前で抗議集会を開く。辺野古ゲート前の取組みもあるが、可能な方は是非、本部町まで駆けつけていただきたい。
(辺野古への石材搬送が予定されている本部港塩川地区)
この問題については、12月1日のブログでも詳しく説明したが、今日の本部町建設課長との話し合いで、次のような事実が分かった。
1.辺野古への石材 海上搬送のための荷さばき地使用許可は11月30日に許可されていた
北部港運(株)は、11月30日、12月分の「那覇空港滑走路増設工事の為、シュワブ傾斜堤護岸工事の為」のために2つ(6880㎡、280㎡)の荷さばき地使用許可申請書を提出し、本部町は同日、許可を出していることが分かった。沖縄県の場合でも港湾使用許可申請の標準処理期間は20日間とされているから、申請の当日に許可が出ることなどあり得ないことだ。
また、本部町が従来から出している荷さばき地使用許可については多くの問題があり、その是正を行わないまま今回の使用許可を出したことは許せない。この点については末尾に説明したい。
2.岸壁使用許可も、明日にでも審査基準を制定した後に許可される可能性が
また、岸壁使用許可については、本部町は従来、県港湾管理条例の定めに違反し、文書による申請書を求めず、「口頭で処理」してきた。我々の追求や県の指導もあって、11月16日に業者に11月分の岸壁使用許可申請書を提出させたが、審査基準が制定されていないこと等から許可できないまま12月に入ってしまった。
今日、建設課長は、「12月分の岸壁使用許可については、離島方面、那覇空港に向かうためのものは許可をした。辺野古に向かうためのものは、審査基準を速やかに定めた後に手続する」と説明した。本部町行政手続条例では、許認可申請の審査にあたっては、審査基準を定めることが義務づけられているが、まだ港湾使用許可については審査基準が定められていないことから、11月分の岸壁使用許可も出せない状態が続いていた。
ところが、離島や那覇方面に向かうための岸壁使用許可は、審査基準がないまま口頭で出してしまったこととなる。この点について追求すると課長は、「審査基準を制定して辺野古への岸壁使用許可を文書で出す時に、離島や那覇方面への岸壁使用許可についても文書で出し直す」と説明したが、通用するものではない。県も我々の追求により、岸壁使用許可の手続を条例どおり文書で行うよう指導してきたはずだが、それを無視してやはり口頭で出しているのだ。
聞くところによると、すでに審査基準はすぐにでも町長決裁が終るところまで進んでおり、明日にも制定されて辺野古への岸壁使用許可も出される可能性が高い。
3.「安和港桟橋造成のためのコンクリート製品製作場」を荷さばき地使用許可で認めたことは違法
さらに今日、とんでもない事実が判明した。本部港(塩川地区)のかなりの部分は、5800㎡もの琉球セメントの安和港桟橋工事のための床板(スラブ)の製作場として使われている。 こ 公共の港湾施設が民間企業の作業場にされているのだ。我々の指摘により、さすがに沖縄県港湾課も、「適正ではない。本部町を指導する」と呆れるほどだ。
この作業場に対して、なんと本部町は、荷さばき地使用許可で認めてきたことが開示された文書で分かった(下参照)。荷さばき地とは、積み荷の積卸し等のために一時的な使用のためのもので、他の民間施設造成のための作業場とすることなどあり得ない。この荷さばき地使用許可は違法と言わざるを得ない。
今日の建設課長との話し合いで、本部町は、12月分についても同様の許可を11月30日に出していることが分かった。この間、大きな問題となり、県からの指導もあったはずだが、それを無視して再度、荷さばき地使用許可を出したのだ。この本部町の開きなおりは許されない。
建設課長は、「沖縄県から指導を受けただろう?」という我々の質問に対して、「沖縄県からは何の話しもありません」と否定した。県港湾課もすっかり馬鹿にされたものだ。
それでも我々の追求に、建設課長も、「沖縄県の見解を伺ってみます」と約束せざるを得なかった。県の毅然とした対応を期待したい。
4.その他の違法物件についても黙認したまま
さらに、我々は建設課長に、「本部港(塩川地区)には、現在、コンテナハウスの北部港運事務所等、数棟の建物、トイレ、洗浄施設等が設置されているが、それらはどのような手続によるものか?」と問いただした。我々の追求に、課長は、それらの物件は沖縄県が所管する港湾施設用地使用許可の対象であることを認めたが、この点についても「沖縄県に確認します」と答えるにとどまった。
いずれにしろ、本部町の港湾行政の杜撰さは目に余る。我々は11月中旬からこうした問題の是正を沖縄県にも指摘してきたが、沖縄県の対応が後手に回っていることも残念だ。奥港の使用許可取消しが大きな問題となっているが、沖縄県は本部港の使用許可の問題についても、辺野古新基地建設を許さない立場から、毅然とした対応を取らなければならない。
ともかく、明日、本部町役場に集まり、強い抗議の声を突きつけよう。