チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古・K9護岸の工事の大変な手戻り---現在設置されている石材を入れた袋材や消波ブロックは台風シーズン終了後、全て撤去し、被覆ブロック、消波ブロック設置をやり直すことが判明

2017年07月11日 | 沖縄日記・辺野古

  防衛局は、4月25日、K9護岸の基礎工の捨石を投下し、「埋立本体工事着手」と華々しく宣伝してきた。それからすでに2ヶ月半が経過した。K9護岸は延長316mだが、現在、ほぼ100m程捨石が投下された状態で作業は止まっている。

                           (沖縄タイムス 2017.7.1)

 下図がK9護岸の構造図である。上の写真と比較すると、いくつかの点で相違がある。

 

 まず、K9護岸の構造図では、捨石投下に続いて両側を被覆ブロック(9トン、2894ヶ)で押さえ、海側には消波ブロック(20トン、2000ヶ)を設置することとなっている。

 しかし、実際には上の写真のように、捨石の上に被覆ブロックではなく、代りに石材を入れた袋材を置いている。そして、内側には袋材の上に消波ブロックを設置し始めた。

 そして最近になって、100mほど進んだ捨石の先端部にも石材を入れた袋材を並べてしまった。これ以上の捨石の投下はなく、K9護岸の工事はこれで休止するものと思われる。

 7月3日、ヘリ基地反対協の防衛局長交渉でこのような工事の進め方について問いただした。防衛局長は、「消波ブロックの設置は、台風の高波による護岸への影響を防止するための一時的措置」、「消波ブロックは撤去し、被覆ブロック設置からやり直す」と回答した。

 さらに今日(11日)、福島瑞穂議員をとおして防衛省に聞いていた質問への回答が送られてきた。防衛省は、「被覆ブロックなしに石材を入れた袋材を設置している理由」について、「袋材の設置は、台風接近時の高波などから護岸への影響を防止するための一時的な措置であり、工事の進捗に応じ、被覆ブロックに置き換えます」と回答した。

 すなわち、今の石材を入れた袋材や消波ブロックの設置は、いずれも台風に備えた一時的なものであること。台風シーズンが終れば、今までに設置した石材を入れた袋材や消波ブロックは全て撤去し、構造図のとおり、被覆ブロック設置、消波ブロック設置をやり直すこと、などが判明したのだ。

 大変な手戻り作業で、台風シーズンが終る年末頃から工事を再開しても、これらの工事のやり直しにより、K9護岸の完成はそれこそ何時になるか分からない。

 K9護岸の工事は本来なら、いくつかのスパンに切り、1スパン毎に、捨石を投下した後に両側を被覆ブロックで押さえていくものだ。被覆ブロックは1個9トンもあるので、台風が来ても問題はない。しかし、現状では、被覆ブロックは未だ、全く製造できていない。やむを得ず、台風対策として被覆ブロックの代りに石材を入れた袋材を設置したのだ。

 そして、工事用仮設道路が出来ていない現状では、資材の搬入が追いつかず、K9護岸の捨石投下に着手しても100m程度でストップしてしまうことも分かっていた。

 このように全く準備が整っていないにもかかわらず捨石投下を始めたのは、ともかく大浦湾に石材を投下したということを見せつけ、県民を諦めさせるためのものであったことがますます明らかになったといえよう。 

 

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