歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

③ 福島岳温泉は静かで落ち着いた温泉地

2011年12月08日 | 旅の話し
約一週間ぶり、兎に角、岳温泉シリーズです。

それで、温泉街の入り口に立ち、これより坂道を登ります。平日の夕方、ホントに誰も歩いて居ないんです。

ひなびた温泉には、それなりの“風情と趣”がありますが、寂れつつある温泉には、何とも、言い難い、“静寂とうらぶれ感”が漂うのです。


私としては、こういう風景が好きなのですが、温泉街の入り口にこれは、やっぱり一般的にはチョットねェ~です。ここはベニヤ板で目隠しをして、観光ポスターの掲示板とか案内板にした方が、兎に角、見栄えが良いと思います。


こちらは、温泉街で一番規模の大きかった?と思われる閉鎖したホテル、後で泊まった旅館で聴いたところ、こちらは震災前に閉鎖されたとの事。中心部にありよく目立ちます。


こちらも、かなりの規模の“ホテル安達屋”こちらも、震災前の2009年の倒産だそうです。


負債総額は約16億円で、従業員23人を解雇したそうです。明治36年創業の老舗旅館で岳温泉の中でも知名度が高かったそうです。

昭和59年に本館、平成2年には約5億円を投じ新館を建設、客室数は56室、300人収容の旅館だったそうです。大きいところから、団体客相手から、順番に潰れていくのです。

それにしても、平成2年と云えば1990年でバブルの頂点でした。この時の新規投資が命を縮めたようです。先を読むのはムズカシイものです。

こちらは、


和風旅館の“松渓苑(しょうけいえん)”


近づいてみると、玄関に一枚の貼り紙が、


こちらは、今回の震災で閉鎖されたようです。株式会社“佐藤旅館”が“松渓苑”を経営しているようです。

105年続く老舗旅館で、経営者の方は震災前は「岳温泉観光協会」の会長さんだったようです。大地震で大浴場や露天風呂など九つの風呂がすべて壊れたそうです。

風呂以外にも客室の天井が落ち壁も崩れ、修繕費は約3500万円ぐらい必要だったそうですが、震災前からの負債が約7億円もあり、銀行としても、今般の“いろいろな事情”を考慮し、貸し付け不可との結論を下したらしいのです。

社長が58歳で、妻の“元女将”が56歳で、若女将が26歳で、これからも、まだまだ、十分に、やっていけそうに思えるのですが、銀行としては、岳温泉の将来は明るく無いと判断したのでしょう。

そんな、こんなで、“松渓苑”は震災の“12日後”に廃業を決定したそうです。それにしても、四代目社長の何とも、素早い決断でした。“ある事情通”はあきらめが早すぎたと嘆いているそうです。

いろいろ大変な岳温泉に、ほんの少し応援にと思って来たのですが、かなり状況は厳しいようです。不況で少子高齢化で人口減少の時代、個人客相手の小さな旅館だけが生き残るのでしょう。

団体客のバカ騒ぎの大宴会時代は終わり、ストリップ小屋も、大きなホテル・旅館も消えて、個人客を相手に、静かで落ち着いた温泉地として、岳温泉は、これからも続いて行くのでしょう。

今日は、これで、寂しく、終わります。


それでは、次回。


コメント (3)
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