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近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

『千代田区一番一号のラビリンス』はファンタジー小説でした!

2022年08月18日 | 世間話し

暑い、暑い、蒸し暑い!

70数年生きてきて、今年の夏が一番暑いような気がする。

ホント!にホントに!毎日、毎日、ボンヤリとYouTubeを眺めるだけの日々。

ヤバイ!惚ける!と、思いつつ、反省しつつ、焼酎をホッピーBlackで割って飲みつつ、反省を繰り返す日々。それにしても、ホッピーBlack(330ml118円)は美味い!

と、云う事で、本でも読んで、少しはボケ防止と『千代田区一番一号のラビリンス』森達也著・現代書館・2200円+税を購入。

何と云っても、この小説、それなりに衝撃的なのが、天皇、皇后が、明仁、美智子の実名で登場し、その会話が綴られているのです。

登場人物、企業名、すべて実名。主人公で登場する森田達也だけが「克也」と変えられています。変えた理由は、実名だと書き辛いと、YouTubeの「デモクラシータイムス」で本人が語っていました。本の存在を知ったのもこのときです。

それで、『千代田区一番一号のラビリンス』ですが、千代田区一番一号は皇居の住所で、ラビリンスは迷宮で、この小説は分類として、ファンタジー小説でした。

天皇制とは、天皇とは、象徴とは、そんな難題に深く切り込む問題小説ではありません。

それでも、象徴とは何か?答えを求めて、悩み、迷い、自問自答する天皇、皇后を、とても、とても、好意的に描かれています。

天皇、皇后を、実名で登場させ、二人の想いを、考えを、承諾無しに、二人に代わって綴る事は、一般個人においても、それなりに、法律的にも問題となります。

そして、誰しも考えるのが、右翼からの抗議ですが、たぶん、内容的に見て無いと思います。

もしかして、宮内庁から、それなりの抗議が出版社に、と思ったのですが、今年の5月20日の発行で、3ヶ月を経過している現在、その手の報道はありません。

まあ、たぶん、あまり売れている様子もなく、宮内庁も、右翼も、相手にしていないのかも、でも、もしかして、お二人は読まれているかも知れません。もれ伺うに上皇后はかなりの読書家のようです。

それで、ストーリーですが、天皇、皇后の承諾を得て、二人のドキュメンタリー番組を製作する、その過程を描き、作品完成後、互いに、国民が今だ「未成熟」として、公開を見送ることで終わります。

読み始めには、どういう終わり方をするのか、とても、とても、とても、興味が湧き、早く結末を知りたくて、それなりのスピードで読み進めました。

でも、しかし、それなりに無難な結末で、多少、期待は裏切られました。

それで「未成熟な国民」、そして「象徴天皇制」ですが、憲法では、

『第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く』

と、記されているのです。

象徴である、この地位は、主権の総意に基づくのであり、本来、国民が、もっと、もっと、象徴天皇制について議論すべきと、著者は主張しています。

でも、わたしとしては、それは、ちょっと、ちょっと、違うと思うのです。

そも、そも、です。天皇制とは理論的、科学的に説明できるものでは無いと考えます。

曖昧で、不確で、不透明で、そして神秘的で、神話で、ファンタジーなのです。

天皇制を、象徴天皇を、議論し、理論的に突き詰め、答えを求めると、その存在を否定する結論に、行き着く可能性が高いのです。

国民の総意は、そのことに、それなりに、それとなく、なんとなく、気づいているのです。ですから、国民の総意は、存続を望み、議論を避けているのです。

世間は、世の中は、社会は、国家は、世界は、すべては論理的に構成され、論理的に動いている訳ではありません。歳を重ねるにつれ、その想いは強くなるのです。

それで、この小説ですが、物語として、とても、とても、面白いのです。

面白さは、何と云っても、天皇、皇后が実名で登場して、日常会話を交わす場面です。

たぶん、誰しもが、そのときの会話内容を、表情を、思い浮かべ、たぶん、もしかして、そうかも知れない、と思わせるのです。わたしだけ?

兎に角、それなりに面白いです。2200円+税は、ちょっとお高いです。でも、たぶん、内容が内容だけに忖度し、各地の図書館では購入をためらうかも?興味が湧いた方は自腹で。

でも、しかし、昨今の政局は、安倍元首相の死亡により、「統一教会」との関係から、右派清和会時代から、それなりリベラルの宏池会へと、自民党の内部変化で、世の中は、それなりに、少しだけ、息苦しさは緩和されるかも?

兎に角、ボケ防止の読書でした。

 

それでは、また。

コメント
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