一昨日の続きです。常盤台に向かって歩いています。
お風呂屋さん煙突の見える、普通の住宅地を歩いていると、突然、高層アパートの群が目の前に出現しました。
下町の風情から、チョット「よそよそしい景色」に変わりました。鉄筋コンクリートの堅く冷たい景色を和らげるように、それなりの街路樹が植えられています。
むかし何処かで聞いたのですが、視界の20%以上を緑が占めると「オッ!緑が多いなぁ~」と感じるらしいのです。
ここも、歩道を歩いていると「なかなか緑が多いところだなぁ~」と思ったりしたのです。しかし、いくら樹で隠しても、隠しても、「敵」は鉄筋コンクリートです。
今まで歩いて来た、住宅地の庭先の緑とは異なり、それなりに手入れされ立派なのですが、そのことが余計に、冷たく、よそよそしさ感じるのです。
入り口は、マンション風に造られています。
建物を観察すると、ベランダの様子から「空き」があるように見受けられます。あまり見つめていると怪しまれます。兎に角、怪しい雰囲気ですから私は・・・・・・。
見つけました! 何とここは「あの!」、「独立行政法人都市再生機構」、愛称「UR都市機構」の建物だったのです。
※愛称と云っても自分達で勝手に名乗っているだけですけどね。
以前、土浦郊外の寂しい「工業団地」で見つけた、あの「UR都市再生機構」です。こんな処で再会できるとは不思議な縁です。
いゃ、そんなに不思議ではないですね、“都市”再生機構何ですから、“都市”で仕事をしている訳ですよね。
今日の新聞にも「独立行政法人」の「整理統合・民営化」で槍玉にあがっていました。今回は、総理決断で3年間は現状維持だそうです。
それで、“にしき平和台”の表示なのですが、錦、平和台の二つに跨っている為に、“にしき平和台”と名乗っている訳です。
しかし、しかしですよ、“にしき平和台”とだけ書かれています。それで何なんだ?と思うのです。
“にしき平和台マンション”とか、“にしき平和台住宅”とか、“にしき平和台団地”とか、何か「付けないのか?」と思うのです。
これでは「何の看板?」と、おじさんは思ったのです。こう云うのが流行っているのでしょうか?
帰宅後に調べたところ「賃貸住宅」でした。その募集広告(やはり空き室がかなりあるようです)は笑えました。
以下、広告の抜粋
・・・“アーバンライフ”を優雅に楽しむ、洗練の住まい・・・
・・・東京23区内、しかも3駅へ歩ける魅力のロケーション・・・
・・・憩いの“オープンスペース”とゆとりの住空間・・・
・・・“ビッグコミュニティ”「にしき平和台」・・・
・・・子育て世代や熟年世代にもおすすめの“ライフステージ”です。
※“”は筆者が付けました。
カタカナ語を多用し「かっこつけて」売り込んでいます。この後が可笑しいのです。
『礼金・更新料 不要 保証人・不要 駐車場・ 駐車場を探す』
※駐車場は「無し」と書けばいいのに、無ければ当然自分で探す訳ですからね。不要、不要ときたのだから、いっそのこと、『駐車場・不要』って書いたらと思うのです。
それで、賃貸料です。
1DK 34.13 ㎡ 79,400円~ 85,400円
1LDK 49.80~55.39㎡ 102,800円~127,700円
2DK 45.14~52.44㎡ 94,300円~120,400円
2LDK 58.08~76.71㎡ 116,200円~152,300円
2LDK+S 87.60㎡ 153,000円~166,200円
3DK 58.08~58.13㎡ 118,900円~133,800円
3LDK 66.62~77.54㎡ 127,500円~162,000円
4LDK 90.36㎡ 155,000円~165,700円
高いと思います。中間層をターゲットにしている訳ですが、この価格帯に当てはまる層は減少しています。
1DKや 1LDKに入居する独身者は、安い民間のアパートを選び、家族持ちは、3LDKや4LDKで127,500円~165,700円の家賃を毎月払うならば、多少通勤が不便でもマンションか一戸建てを買う方を選択する筈です。
「UR都市再生機構」は後が有りません。そこで働く人達にとっては、かなり深刻な問題です。
整理・統合・民営化は世の流れ? なのでしょうか? 存在に問題があるのか? 運営に問題があるのか? 存在形態が運営方法に影響しているのか?
郵政民営化が「かなりインチキ」だった事が、少しずつ明らかになってきました。あの「週刊ダイヤモンド」が特集を組んでいます。
「小泉・竹中改革」がやっと冷静に検証され始めたようです。市場原理主義は誤りだったのです。
しかし、格差と貧困はすべて市場原理主義が原因とは云えないところが難しいのです。
文化人、学者、政治家のみなさん、それを解決する「方法」を提示するのが、あなた達の仕事です。
チョット今日は力み過ぎでした。
私は、只、ウロウロ、キョロキョロと、東武東上線の常盤台駅に向かって歩いているのでした。
それでは、また明日。