年の瀬になり、とうとう今年は襖の張り替えを決行したのです。
新築だから、新築だから、と、大掃除等と云う大げさなことを拒み続けて早幾年月。今年こそ、今年こそ、と、思いつつ、早数年。
襖は破れは無いのですが、二十数年の陽ざしにより退色し、桟の部分が白く浮き上がってきていました。
襖の張り替えは、一枚裏表で4千円前後なのです。我が家は7枚ほどですから、締めて3万円となり、かなりの出費になります。
そこで、時間は豊富にあるわたくしは、ホームセンターで襖紙を一枚分だけ購入し、巧く張れるか、張れないか、その結果により業者に頼むか、自分で張るか決めることにしました。
ホームセンターに行くと、糊無し、糊付き、アイロン張り、テープ止めと、いろいろ種類があり、いろいろ迷った末に、“糊付き”を購入。一枚分裏表で千百円でした。
障子張りには自信があるのですが、襖張りは初めての経験、どう見ても、どう考えても難しそうなのです。母の知り合いで、自分で張ったら失敗し、結局、業者に頼んだ、何て話しを耳にしていた事もあり、かなり不安でした。
そんな、こんなで、先ずは片面張りの押し入れの襖に挑戦しました。障子もそうですが、張るよりも、前段階の剥がすのに手間が掛かるのです。
襖は、枠を外すのに、とても、とても、とても、手間取りました。打ち付けてある釘がなかなか抜けないのです。枠を強く叩くと塗装が剥がれるのです。
それでも、いろいろ道具を改善し、やっと抜いたのです。釘が全て真っ赤かに錆びていました。これって、錆びさせる事により、抜けなくする技を使った所為かも?釘を口に含み、唾液を絡まし打ち込むやり方です。
枠を外したら、ロール状の新しく張る紙の“巻き癖”を取るのです。これも、かなり面倒なのです。かなり厚い紙に糊がコーティグされていて癖が強く、逆巻きにするのに手こずりました。
逆巻きにしてほぼ30分で癖取り完了。床に広げてスポンジに水を含ませむら無く擦ります。数分後に襖を上から乗せます。しっかり上下を確認しないと取ってがかなり上にきてしまいます。
次に、襖を裏返しにして、張った表面のシワをタオルで擦りながらとります。この段階で、これは、もう、ダメかも?と思いました。
水をタップリ含んだ襖紙は、クタクタのベロベロでだらしなく、浮いたり、シワになったり、“中心部から外に向かってシワや気泡を取れ”と説明書きにはあるのですが、巧くいかないのです。
ダメかも知れないと、かなり落ち込みつつ、枠を取り付け、暫く眺めていたのですが、その時、閃いたのです!もしかして!これって!障子紙と同じで、紙が乾けば“パンパン”になりシワも気泡も消えるのでは?と、期待したのでした。
そこで、自然乾燥では時間が掛かるので、ドライヤーを使って乾かす事にしました。すると、すると、です! シワひとつ、気泡ひとつ、無くなり、お見事! 真っ平らでパンパンで、どう見ても、どう考えても、素人技とは思えない、玄人が裸足で逃げ出す出来映えなのでした。
この日は、一枚仕上げるのに3時間も掛かってしまったのです。それでも、いろいろなノウハウを得て、満足、満足なのでした。晩酌中にも度々、襖の部屋に行って、見事、見事、綺麗、綺麗、玄人裸足、玄人裸足と呟きつつ眺めたのでした。
そして、翌日、自信に満ちあふれて、残り6枚分の襖紙を購入してきたのです。そして、その日は、押し入れの三枚を張ることにしました。
もう、枠外しのコツも覚え、張りのコツも覚えたので、一日の作業予定は残り3枚の押し入れ襖に挑戦しました。
それでも、やっぱり、まだ、1枚張っただけですから、こころの隅に“もしかして?あの一枚は単なる偶然かも?”何て、不安が・・・・・・。
しか~し、その不安は杞憂に終わったのでした。3枚目、4枚目枚楽勝でした。それで、これから張る方の為に、とても、とても、重要で、貴重なノウハウを、しかもタダでお教え致します。
それは、シワやタルミや浮きは、気にしないことです。説明書きには“タオルやスポンジで、表面を擦り、平らにする”と、書いてありますが、そんな作業は無駄で、意味がありません。
糊を水に濡らして、その上に襖を被せた、その自重で十分張り付きます。表面の状態は気にすることなく枠を打ち付けて、後は、乾燥すれば、見事に綺麗な玄人裸足の襖の完成です。
但し、表面の外周部、それに、枠を打ち付ける“折り込み面“は、しっかり、きっちり張り付けて下さいね。
ちょっと暗いですが、これが、私の自慢の作品です。
ホントに見事ですよ、母も連れ合いも、これなら、絶対に商売になると云っています。ホントに、ホントです。
業者に頼むと一枚4千円ぐらいですが、自分でやると一枚千円程度です。我が家では3万円が7千数百円で済むのです。
それで、まだ、残っている分ですが、これまでの4枚は、押し入れの襖ですから、片面張りのみで、残りは、全て、未経験の両面張りです。この点に、まだ、少し、不安がありますが、まあ、たぶん、きっと、問題は無いと楽観的な見通しを抱いています。
本日、母の通院の為、襖張りはお休みで、こうしてブログの更新をおこなっております。
明日は、いよいよ両面張りに挑戦です。
以上、“襖張り報告”でした。
それでは、また。
【追記】・・・12/16
本日は“枠を付けたまま方式”で張ったところ、何と、何と、綺麗に張れたのです。枠を外す苦労、枠を取り付ける苦労、あれは、いったい、何だったの?でした。
説明書きは“枠取り外し方式がメインで、“付けたまま方式”は簡易的、安直的張り方の様に取り扱っているので、仕上がりにかなりの差が生じると理解したのですが、どちらも仕上がりに差は有りませんでした。
どうも、この説明書きは、張った経験の無い、単なる“襖紙メーカー”の、かなりいい加減な見解のようです。
“枠付けたまま方式”が、手間、道具の準備、早さ、仕上がり具合、全てにおいて一番に推奨すべきです。
以上、報告終わり。