NHKスペシャル「ロッキード事件の真実・・・第1部・2部・3部」録画して、先日見ました。
結論から云えば、『ロッキード事件40年目の真実』って何だったの?でした。
どこに、どんな、40年目の!驚くべき!新事実が!描かれていたの?
第一部の冒頭で、ロッキード事件を担当した、東京地検特捜部の主任検事“吉永祐介”が密かに保管していた“極秘資料”を入手したそうで、そこから“40年目の真実”が明らかになる!ようなのです。
いわゆる、ロッキード事件と云えば、“三つのルート”で、①丸紅ルート、②全日空ルート、③児玉ルートでした。
丸紅ルートが5億円、全日空ルートが2億円で、民間会社の旅客機トライスター導入問題です。
児玉ルートは、動いた金が21億円で、自衛隊の対潜哨戒機P3Cで国家的問題。
そして、全日空ルートの2億円の渡った先の“政府高官”は不明。
そして、児玉ルートの21億円の渡った先の“政府高官”は不明。
そして、丸紅ルートの5億円の渡った先は、“田中角栄”で、前総理大臣の逮捕で、公判中に死亡で、事件は終結。
40年前の未解明事件の謎に、今回、新たに、入手した、主任検事“吉永祐介”が密かに保管していた“極秘資料”で、“40年目の真実”に迫る!とのナレーションを聞きつつ、そうか、そうかと、画面を見つめたのでした。
地検特捜が中心に追っていたのが、対潜哨戒機導入問題の児玉ルートで、その児玉に対する臨床尋問の内容が、“吉永祐介”が密かに保管していた“極秘資料”で明らかにされたのが、今回の40年目の真実?のようです。
でも、しかし、再現ドラマで明らかにされたのは、児玉が、ロッキード社の秘密代理人であったこと、21億円を受領を認めた事実のみで、その先の政府高官への工作については証言していないのです。
児玉ルートの真実が40年目にして判明かと、期待しつつみつめていたのですが、40年前と同じく不明でした。明らかになったのは、臨床自問の具体的やりとりだけでした。
そして、第一部の最後に、あの“ピエロ?食わせ者?立花隆”が登場して、ロッキード事件は“政治と金の闇の象徴”と語らせているのです。
しかし、しかし、ロッキード事件は“政治と金”何て、そんな矮小な問題では、絶対にないと、わたくしは、強く、強く、固く、堅く、信じています。
この第一部の冒頭で、
『あの事件は日本にはびこる“闇”のほんの端っこに過ぎない・・・・・・ただあれ以上は触れられない・・・・・・元特捜検事』
とのテロップと、主任検事“吉永祐介”役の声が、さらりと画面に流れるのです。ここに、事件の核心が、真実が、隠されているのです。
このことは、それとなく、ロッキード事件は単なる「政治と金」の問題ではなく、“日米関係の闇”の問題が深層に隠れていることを、そっと、そっと示唆しているのです。
このあたりが、現状のNHKとして、いっぱい、いっぱいの表現。
ですから、「ただあれ以上は触れられない」のです。そして、そして、いまも、触れてはならない闇なのです。
と、云う事で、第一部の再現ドラマは、児玉ルートを中心に描き、21億円の受領は認め、児玉からその先は不明で終わりとなります。
そして、そして、途中に、田中角栄の怪しさを示唆する内容が織り込まれるのでした。
当時の流をそのままに、ロッキード社の副社長コーチャン氏が、児玉誉士夫から“政商小佐野”を紹介されたと、議会で証言した事実。
政商小佐野と田中は刎頸の友。そうなると、児玉ルートは、児玉→小佐野→田中になるのです。
そしてまた、防衛庁事務次官が、対潜哨戒機の国産化計画を白紙還元したのは、当時首相であった田中角栄と発言。しかし、直ぐに撤回。
これで、対潜哨戒機P3Cの児玉ルートは、その先にいる政府高官は田中角栄との、状況証拠は、印象操作は、創られていったのです。
40年前をなぞるように、ロッキード事件は田中角栄の贈収賄事件として、歴史に刻む意図が伺えるのです。
これって、籾井NHK?として、政府広報?として、それなりの仕事?
と、云う事で、第二部は『角栄VS特捜』がタイトルとなります。
今日はこれまで。
第二部のお話は次回。
それでは、また。
それにしても、毎日暑い!