前回の続きみたいなものです。
NHKのドラマの話しです。
前回が「アシガール」で、前々回が「男の操」で、今回は「マチ工場のオンナ」で、それなりに生活感のあるお話です。
主演は内山理名と云う女優さんです。以前、どこかで、見たような?聞いたような?元気いっぱいの子持ちの主婦役です。
話しとしては、父親が急死して、実家の赤字経営の町工場を一人娘が継ぎ、艱難辛苦を乗り越えて、見事、再建する?ストーリーです。
NHKBS3で金曜午後10時から全7回で、先日は4回目でした。次回は、何もなければ22日放送です。
先ほど、ドラマが終わってもいないのに、赤字経営からオンナ社長が見事経営再建!と書きましたが、まあ、当然、ハッピーエンドの結末しかありません!
再建に失敗して、家族の離散とか、失踪とか、一家心中とか、金曜日の午後10時に、そんな悲しい結末のドラマなど、誰も見ませんからね。お約束なのです。
困難がたくさんあり、いろいろのり越えて、そして、最後はハッピーエンド!これが皆さん期待する、安心する、テレビの定番、鉄板ドラマスタイル。
でも、現実としては、かなり確率で、悲しい結末を世間の、あちら、こちらで、人知れず向かえている?そんな気がするのす。現実は“キビシィ~~~!”(財津一郎のギャグ)のです。
それで、この会社の仕事ですが、「ゲージ」とか「治工具」を造っているのです。
この「ゲージ・治具」なんですが、私としては、“ヒジョ~~~ニィ!”・・・これも財津のギャグー・・・懐かしい響きなのです。久しぶりに耳にしました。
私は「ゲージ・治工具」を造っていたのではなく、使っている方でした。
それにしても、このドラマ、特に年代は触れていないので、今が舞台なのでしょう。
しかし、バブル後の、このキビシイ時代、大手の製造業は工場を海外に移転し、大手にぶら下がっている中小の製造業の今とは、かなり、かなり、かけ離れている?のです。今、生き残っている中小零細はそれなりの努力をした会社です。
しかし、舞台となる、この“ダリア精機”は、それなりの努力はしてこなかったのです。勘と、度胸と、経験に頼る、ひと昔前のマチ工場なのです。
材料の使い方にムダが多かったり、通路に不良品やら、使いかけの材料とか、何だか判らないものとか、「整理整頓」なんて考えもしない職場環境なのです。
それにしても、整理整頓と云えば、思い出すのが、「5S」とか、「3M」とかの、“忌まわしい標語”です。
日本の製造業が誇る標語で、5Sは「整理・整頓・清潔・清掃・躾け」となります。3Mは「ムリ・ムダ・ムラ」となります。
一般論としては、まあ、悪い事ではありませんが、企業で、製造現場で、この標語で、尻を叩かれるのは、 あまり愉快ではありません。
それで、私は幾つかの製造現場を経験しました。昇降機製造、自動車ハンドル製造、プラスチック加工業、金属加工業、プレス業、と中小企業を渡り歩きましたが、5S・3Mの標語が構内にベタベタと張ってある環境ではありませんでした。
仕事は、品質管理をやって渡り歩いていたので、それなりに、そんな事を、社内とか、協力工場とかに、偉そうにの賜っていたのですが、こころの内では、バカバカしくて、そんな標語には“あかんべ~~~”をしていたのです。
時折出掛ける大企業の構内で、5Sとか、3Mとか、改善とか、そんなポスターを見ると、フッン!と鼻から息を吐き出すのでした。
品質の向上、生産性の向上、利益の向上、上へ、上へで、雁字搦めになり、疲れるのです。職場環境が殺伐となるのです。やっぱり、人間は、それなりに、ゆるく、ゆるく、が、イイのです。
そんなコッチャ!国際競争力に負けて日本国は貧しくなる!国民の暮らしはどうする! 何て、聞こえてきそうですが、しか~し! もう、そう云うゲームは終わりつつあるのです。
あっ!話しが大きくなりすぎた。
話しをダリア精機に戻します。
兎に角、いろいろな困難が楽しいのです。なんたって、必ずのり越えるのですから、安心して見ていられるのです。
窮地に陥れば、陥るほど、期待はふくらみ、のり越えた後の、喜びは大きくなるのです。判っていても、見てしまうのです。
そこで、“愛知東西銀行”の融資担当の長谷川の“嫌がらせ”が、とても、とても、重要なのです、もっと、もっと、嫌な奴でいてほしいのです。
がぁ、最近は、それなりに、主婦社長の手腕を認めつつあり、嫌がらせも、嫌みな態度も、以前ほどではなく、とても残念。
外では銀行と発注先と闘い、内では昔気質の社員と闘い、艱難辛苦を乗り越え、見事経営再建!期待してます!楽しみにしています!
それでは、また。
<追記>・・・12/24(日)
22日の第5話の放送を見ていたら、2008年のリーマンショックでダリア精機が危機を向かえることを暗示し終わりました。
ドラマでは年代は触れられていないと記しましたが、年代設定はされていたようです。何を隠そう、私、第一話は見ていなかったのでした。たぶん、初回にその辺は触れられていたのでしょう。
みんな、みんな、ヨカッタ!ヨカッタ!でハッピーエンドと思っていたら、最終回までに一捻りあるようです。