前回の続きで、最終回です。
"空き地と蔦"の雪輪町を後にして、隣町の井草町に足を踏み入れました。
こちら井草町も、空き地と蔦の町で、そこかしこの空き地には、こんなプレートがぶら下がっていました。
"足利市まちづくり事業用地"として、建設部市街地整備課がいろいろ取り組んでいるようです。
市のHPを見ると、
『現在、市では旧国道50号線と県道飛駒足利線の交差点を「中心市街地の顔」ととらえ、約2,840平米の敷地を整備する予定・・・市としては、この対象地を『まちづくり用地』として、
○賑わいの創出 ○地域活動の活性化 ○観光機能の充実 ○歴史や文化の継承 ○地域資源の活用など 中心市街地の活性化に向けた活用を検討しています』
アイデアの募集は、今年の10月2日から始めて、12月25日17時00分で締め切りだそうです。
まあ、賑わいが、地域活動が、観光機能が、歴史や文化が、地域資源が、等々の問題は、昨日今日始まった訳でもなく、募集期間の20数日で、すばらしいアイデアを期待するのは、とても、とても、無理な気がします。
まあ、わたしとしては、お金のかからない策として、今の状況を逆手に取って、賑わいは無く、空き地はいくらでも有る、現状を売りにするのも、一つの手だと、思ったりしています。
はい、余計なお世話でした。
はい、駐車場の奥に見えますのが、それなりに有名な元映画館。
ペンキが剥落、変色しています、じっと目を凝らしてみると、劇場通りの文字が見えてきます。
それなりの構えで、それなりの規模で、なかなかの映画館です。
足利東映・プラザ劇場です。
有楽館と云う映画館を改装して、1977年頃に開館し、1999年頃に閉館したようです。東映ヤクザ映画の全盛期に開館し、90年代のヤクザ映画の衰退と共に、閉館を迎えたようです。
閉館後、飲み屋が数件入っていたようです。映画が廃れ、飲み屋が廃れ、今は、廃屋同然?
1990年に始まった、海部自民党政権時代、大蔵省による不動産向けの融資を規制したことで、土地バブルは崩壊し、日本経済はデフレに突入。
そんな世の中で、ヤクザ映画の、博徒映画の、徒花が咲いたのでした。
そもそも、戦後の高度経済成長も、"徒花"だったのかも?
時の政権の政策判断で、地域の産業は衰退し、映画産業にも、映画館にも、その影響は及ぶのでした。
しかし、この側壁を這い上がり、覆いつくす蔦の生命力は素晴らしい。
しかし、この足利東映・プラザ劇場は、いまでは、この廃屋感のある、その佇まい、それは、それで、それなりの観光資源だと思います。
2018年、綾瀬はるか・坂口健太郎主演で公開された、映画監督を夢見る『今夜、ロマンス劇場で』のロケ地となったようです。ほとんど、いや、残念ながら、まったく記憶にない作品です。
兎に角、足利市、賑わいは無く、しかし、空き地は、蔦は、廃屋は、そこかしこに、いくらでも有る、これこそが、これからの売りになるような、そんな気がする今日この頃。
本日は、よそ者が、無責任に御託を並べてしまいました。
それでは、また。