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蒼井優と高橋一生で「スパイの妻」⑥何故?聡子は憲兵隊に機密文書を渡したのか?

2021年04月30日 | 映画の話し

前回の続きです。

優作との豊かで平穏な暮らしを守ろうとする聡子。

忠誠を誓うのは国ではなく、万国共通の正義だとする優作。

このままでは、二人の関係は破局に向かいます。

 聡子は悩みます。

優作への愛を、優作からの愛を、失わない方法は? 

夫の行動を思い止まらせるのは可能か? 

危険を冒しても、夫と供に、万国共通の正義に協力する?

聡子は、それなりの答えを見つけたのか、優作の出張中に、会社の倉庫から機密書類と、中にあったフィルムを持ち出し、家に帰ってフィルムを映写機に掛け見てしまうのです。

このときは、映し出された映像を見る、聡子の表情だけが描かれます。聡子の表情から、当然、フィルムの中味は、731部隊の残虐行為が記録されていた筈。

『知ったような口をきく。当然だ、君は何も見ていない、何も知らない。僕も君にそれを見せたはくはない。だがそれは起こっている。僕たちの同胞が、その悪魔のような所業を、彼の地で今も繰り返している。僕は見た』

もう、見てしまい、知ってしまった聡子。これで「スパイの妻」として、優作と供に、万国共通の正義に協力する、と、私は思ったのです。

しかし、翌日か、数日後か、何故か憲兵隊に向かう聡子。

えっ!どうして?何しに?と思いました。

このとき聡子は、はじめて和服姿で出掛けます。

以前に、「どうしてこのご時世に、洋装ばかりなのか、世間からはいろいろな眼でみられますよ」と、泰治から忠告を受けているのです。

このときの和服姿は泰治への、愛国者としての、覚悟のサイン?

聡子が話し始めるより先に泰治から、草壁弘子殺しの犯人は、旅館の主人だったことを告げられます。

そして、『それと、もう一つ、これこそお耳に入れておきたかった。優作さんは、草壁弘子が看護婦の勉強をする留学先として、アメリカ渡航の旅券を申請しました。ご自分のを含めて2人分。ご存じでしたか』

たぶん、知らないだろうと思いつつ。これは、事件の背景に重大な機密が隠されている、と、言うよりも、二人には、それなりの男女関係が、と、匂わし嫉妬心を煽る問い掛け。

『存じません』

『何か商売の目的があってアメリカに行くのは自由ですが、どうして、わざわざこの時期に・・・しかも、草壁弘子をつれて。僕はひとえに、あなたのことが心配なんです』

泰治は、聡子が自分へ向いてくれる期待よりも、兎に角、聡子と優作夫婦の関係を悪化させたいだけ?

『それだけですか』

『はい』

『では、こちらの案件を申し上げます。身内の恥と思って、いままで云えずにおりました』

と云って、機密書類を取り出します。

えっ!機密を暴露するの、文雄も優作も権力に売り渡すの? 何故? どうして? どうなるの?

『何ですか』

『ご覧になれば分かります』

『何だ、これは・・・』

この時、泰治は驚きの表情。やはり、草壁弘子事件の背後関係に、重大な機密が絡んでいるとは、まったく掴んでいなかったのです。

単なる「痴情のもつれ」と承知していたようです。ですから、前にも云いましたが、民間の痴情事件に憲兵が動くのは不自然なのです。

でも、しかし、これは『戦争という時代のうねりに翻弄されながらも、自らの信念と愛を貫く女性の姿を描くラブ・サスペンス』(NHK番組HPより)ドラマですから、まあ・・・、そこは・・・ね。

『このノートは満州から持ち込まれました』

『誰がこれを』

ここで、このシーンは終わります。

何故、聡子は、満州から持ち帰った機密書類を憲兵隊に差し出したのか?

憲兵隊長の泰治にどこまで、どのように話したのか? 優作とは関わり無く、文雄の単独犯行して?

ここは、本当に、何故?どうして?です。

夫の逮捕も覚悟? でも、それでは、タイトル「スパイの妻」は成立しません。

この後、どういう展開で、聡子は「スパイの妻」となるのか。

本日は、ここまでとします。

 

それでは、また。

 

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