真冬日、昼の気温-4℃。暖かい穏やかな日が続いていたので余計に寒い。雪の消えた田んぼでシベリアに向かうための体力作りに余念のなかったハクチョウたちも、この寒さに驚き、猪苗代湖に戻ってしまた。すでに先週、シベリアへ第一陣が旅立ったのであるが。(猪苗代にて)
窓辺のオダマキが美しい。数日前に園芸店で買い求めたものだ。苧環、オダマキとは苧手巻(麻糸を、中を空洞に丸く巻いたもの)に花の形が似ているところからつけられたという。今、そんな説明を受けるとさらに???となる。詮索はともかく、お花畑をさ迷い歩いていた時に突然出会った、この花の美しさ、ミヤマオダマキに出会ったときの感動はいまでも鮮明に残っている。(窓辺にて)
氷の解けた鶴沼にキンクロハジロが気持ちよさそうに泳いでいる。いつもの年より数が多い。潜水が上手で長い時間潜水できる。ブラックバス以外に小魚はいない鶴沼。水草でも食べているのであろうか。この鳥たちも数週間後にはユーラシア大陸、亜寒帯に旅立ってしまう、長旅の途中のワンダーフォーゲルなのである。(鶴沼にて)
朝、庭にでると野鳥たちの鳴き声に圧倒される。いつもよく聞くカラ類たちの歌声ではなく、それはさまざまな野鳥たちの歌声の判別不能な不協和音、北国へ帰る冬鳥たちの帰国する喜びの歌声である。窓辺に座り、庭を眺める。雪上や顔を出し始めた地面にはたくさんの餌をついばむシメ、ツグミ、マヒワ、カシラダカ。そんなにぎやかな雪上を駆け回るリス。春はウキウキ、せわしないほど忙しい。(窓辺にて)
裏磐梯スキー場からリフトを利用し、1時間ほどで人気のイエローフォール。今日の氷瀑は残念ながら、期待はずれ。とはいえ、間近で見る雄大なカルデラ壁には毎度ながら圧倒される。ここは裏磐梯で最もスケールの大きなスノートレッキングコース。晴天を狙って是非トライしてみてほしいものである。イエローホールの表情も天候により大きく変わる事であろう。。(イエローフォールのスライドショーご覧ください)
強い春の日差し。毘沙門沼の雪面は強い日差しを反射してひどくまばゆい。そんな沼にもう観光バスが団体客を乗せてやってきている。これから春のシーズンに向かってますますその数を増し、にぎわいう事だろう。(毘沙門沼にて)
天気がよい。久しぶりに買い物の帰路をグリーンラインにとる。母成峠付近の明るい美しいナラの森に感動する。英語、オーク(oak)は楢、樫などを意味するが、明治時代の誤訳によりオーク=樫と狭義に訳してしまったため、欧米のホワイトオークは楢に最も近いものであったにもかかわらず、楢はオークと気が付かなかった時代があったという。誤訳とわかってからは貴重なオーク材、インチ材として昭和40年代まで大量に輪出されたという。ところでいまだに白樫=ホワイトオークと思っている人がいるのではないだろうか。(母成グリーンにて)
解けた雪の下から昨秋、剪定したバラの小枝がたくさん出てくる。その冷蔵保存されていた小枝を挿したのが2週間ほど前。いまは暖かい窓辺で青々した葉を出している。さてどんなバラが咲くのやら。発根促進ホルモン剤の出回っている今日、いとも簡単にバラのコピーが作れる。しかし、忘れてはならないのは種苗法の品種登録により発生する育成者権である。育成者権の存続期間は20年。無断で繁殖したバラを有償、無償に限らず他人に譲ってはならない。(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)育成者権を植物品種の知的財産権と理解し、複製権はDVDやCDと同じような権利と捉えれば間違いないのかもしれない。さらにオールドローズや権利の消滅したバラであっても安易に繁殖したバラを他人に譲るのは慎まなければならない。なぜならば違法ではないものの、バラ文化を育ててきたナーセリーのやる気を侵害する行為であるからである。1本数千円のバラ苗の支払いは、バラ文化育成への寄付行為と大らかに考えべきかもしれない。
晴天。家の周りの森を歩く。今の季節、雪はしまり、とても歩きやすい。森はいろいろの動物の痕跡、足跡。ウサギ、リス、ノネズミ、イタチ、等など。赤松の樹頂の葉陰でたくさんの野鳥がにぎやかに囀っている。(地鳴き)100羽以上はいるだろう。どんな鳥だろうか?家のモニター画面でようやくそれはアオジと解る。アオジといえば留鳥、初夏、美しい鳴き声を聞かせてくれるお馴染みの野鳥である。ところが日本には冬鳥としてシベリアからやってくる、こうした存在の地味なアオジもいるのである。
美しい猪苗代湖、思わず車を止めてしまう。遠くに川桁山、岸辺にはたくさんのオナガガモ。オナガガモといえば最近面白い話を聞いた。彼ら、彼女らは今年の冬は日本で、そして来年はアメリカで越冬、実に気ままな渡りをするという。そんなオナガガモのいい加減な性格を知り、たまらなく好きになった。(長浜にて)
特別気になるバラを苦労して雪から掘り起こし、室内に持ち込む。(写真右)これで数ヶ月早くすばらしい花と香りを楽しむことができる。昨冬、挿し木し、(写真左 発根、生育始める苗)立派に成育し、すばらしい花を咲かせてくれたトラディスカントである。現在市販されるバラ苗のほとんどはノバラに接木した苗である。自身の根(Own Root )で育つバラはより長生きで、バラ本来の形質を際立たせ、より多くの花をより長く連続的に咲かる・・・英国の園芸家、Gertrude Jekyll(1843-1932)が著書の中で述べている。とは言え、生育の遅い挿し木苗は商業ベースに乗らず、市場に出回らないのが現状である。
秋元湖入り口の小さな美しい沼、鶴沼。水面を隠した氷もすっかり解け、やがてブルーの水色を取り戻すことだっろう。小魚のいない沼に放流された、かわいそうなブラックバス。昆虫や小動物を追って透明な水の中を活発に動き始めることができる季節はすぐそこだ。あと少しの辛抱。(鶴沼にて)