投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年12月12日(木)23時36分24秒
>筆綾丸さん
Merrill Newman 氏、早速ウィキペディアに立項されていましたが、その脚注を辿ってみたところ、地元紙の記事に同氏の略歴が出ていました。
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After graduating high school, Newman spent one year at Yuba College before heading to the University of California, Berkeley where he earned a degree in zoology in 1950. Newman spent the next three years in the Korean War, in which he was an infantry officer.
When he returned to the United States, Newman came to the Bay Area. He taught math, science and was a swim coach for Berkeley and Livermore high schools in the mid-'50s, while he simultaneously earned a masters degree in education at Stanford University, which is where he met Lee.
The couple took root in Palo Alto and have been here ever since. Newman started working at various technology companies, many as the chief financial officer. He also continued to teach night classes at a few colleges during his years of work.
これによると、軍人だったのは朝鮮戦争の3年間だけのようですね。
カリフォルニア大学では動物学を専攻し、従軍して帰国後、ハイスクールで数学と科学の教師をしながらスタンフォード大学で教育学の修士を取ったにも拘らず、その後は財務責任者として複数の会社に勤めたそうで、ちょっと変わった経歴の方ですね。
1984年に引退して以降は地域のボランティア活動に参加する一方、世界各国への旅行を楽しむ優雅な生活を送っていたそうで、直近の一波乱を除くと、なかなかうらやましい人生ですね。
ところで前回投稿で引用したウェールズの命名法に関するBBCのページの後半には'Jenkins'という姓が出てきます。
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The range of Welsh surnames is very small, due in part to this process of conversion, but also because of the growing tendency to adopt English forenames (usually taken from Christian saints), particularly in towns on the Welsh borders. Names such as John, William, David and Hugh became Jones, Williams, Davis and Hughes. In north Wales, place names were frequently adopted, and in mid Wales families adopted nicknames for surnames. Jenkins is possibly derived from two different sources: as a corruption of a Flemish version of John, and as a result of the popularity of the name Ieuan in Wales during this period. Ieuan also gave rise to Evan(s) and Jones.
北朝鮮で曽我ひとみさんと結婚したアメリカ軍の逃亡兵、Jenkins軍曹のご先祖はウェールズ出身みたいですね。
意外なところで別々の話題がつながりました。
>『戦国大名武田氏の権力構造』
購入はしたくありませんが、ヒマなときに眺めてみたいと思います。
戦国時代の別の研究者は「一般書」で「国民国家」の起源について熱く語っているのですが、「国民国家」という言葉にあまり一般的ではない意味合いを込めているようで、今一つ理解できない議論でした。
なんだか戦国時代の研究者って、狭い地域社会でしか通じない方言で「国家」を語っている人が多いような感じがします。
>石母田正
初代石巻市長の偉大な父親の元に生まれながら、旧制二高時代に当時流行の思想にかぶれて少しグレてしまった不良息子ですね。
マキペディア
石母田正輔翁
藤浪小道具の謎
※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
Air Force Two と 『 Rabbit, Run 』 2013/12/11(水) 14:33:13
小太郎さん
メリル・ニューマン氏が「幽閉」されたホテルは、もしかすると、私が滞在したのと同じかもしれません。二十数階建の大同江河岸のホテルで、ゴルフコース(9ホール)が隣接していて、宿泊客はすべて「外国人」、平壌市民には無縁の豪華なホテルでした(通訳と公安以外、平壌市民はアクセスできないようで、ある意味、「幽霊屋敷」なのかもしれない)。最上階のバーラウンジは閑散としていましたが、それでも、平壌の夜景を眺めることができました。一緒に行ったフランス人はフランス語の通訳と、ビールを飲みながら、ヴェトナムからの日本製中古車の輸入の話で盛り上がり、一台当たり、結構、いい金になるんだとかなんとか、言ってましたね。伝統的な朝鮮料理が、あのホテルのものだとすると、おそらく不味かったはずで、あの国で美味いのはビールだけだったような気がします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E4%BA%AC%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
ちなみに、この虚仮威しのホテルは私が行ったときのままで、 鴎外ではありませんが、まだ「普請中」なんですね。(倒潰するまで「普請中」なのかもしれない)
ご引用の Santa Cruz Sentinel にニューマン氏の Palo Alto の自宅前の写真がありますが、瓦の屋根や白壁は、韓半島風あるいは日本風の建物のようですね。サンタ・クルーズ周辺は、むかし、行ったことがありますが、あのあたりは、アメリカでも人生に成功した人が老後に住むところなんですね。ニューマン氏の退役時の階級がわかりませんが、相当な高官だったようにも思われます。
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Vice President Joe Biden, who was in South Korea to visit a war memorial in Seoul, spoke with Newman by phone Friday and offered him a ride home on Air Force Two.
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政治的な宣伝目的であれ、副大統領がエア・フォース・ツーに乗って帰らないか、などと気軽に言うとは、ちょっと考えられせんね。(「ワシントン経由は嫌で」北京ー桑港の直行便がいい、とニューマン氏が応じるのも、いかにもアメリカ的です)
日本であれば、死体にでもならないかぎり、政府専用機に庶民を乗せてくれることなど、まずありえないでしょうね。
バイデン氏が、防空識別圏の関係で慌ただしく日中韓を訪問しましたが、ニューマン氏の帰国が主目的で防空識別圏はついでだったのではないか、とすら思えてきます。「人質」解放に尽力したスウェーデンの駐韓(・駐北鮮)大使に御礼を申し上げ、スウェーデンに借りができたななどと思いながら、バイデン氏は帰って行ったのでしょうね。
色々なことを考えさせてくれたニューマン氏です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AF
『走れウサギ』の「Updike」の up はなんとなく ap と同じように思われ、genealogy 的には先祖はウェールズなのかもしれませんね。(大工の倅すなわちキリスト?)
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215539
昨日、都内の所用の帰途、某書店の中世史コーナーに寄ると、丸島氏の『戦国大名武田氏の権力構造』があったので、序章を眺めてみました。「地域国家」を「主権的な国家」としたのは石母田正で、「地域国家」を「下位国家」としたのは永原慶二とありました。また、丸島氏は、「専門書」と「一般書」は全然違うと言ってますが、通読したかぎりでは、同じ文体で同じようなことしか書いてなくて、「地域国家」についての定義などは、「専門書」と「一般書」で瓜二つ、両者の差異がどこにあるのか、わかりませんでした。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/5/0029970.html
勝俣鎮夫氏の『戦国時代論』の関連領域を通読してみると、佐藤説を敷衍して、「地域国家」の国家とは、主従的制的支配権としての「家」と統治的支配権としての「国」の複合体である、というような記述がありました。
小太郎さん
メリル・ニューマン氏が「幽閉」されたホテルは、もしかすると、私が滞在したのと同じかもしれません。二十数階建の大同江河岸のホテルで、ゴルフコース(9ホール)が隣接していて、宿泊客はすべて「外国人」、平壌市民には無縁の豪華なホテルでした(通訳と公安以外、平壌市民はアクセスできないようで、ある意味、「幽霊屋敷」なのかもしれない)。最上階のバーラウンジは閑散としていましたが、それでも、平壌の夜景を眺めることができました。一緒に行ったフランス人はフランス語の通訳と、ビールを飲みながら、ヴェトナムからの日本製中古車の輸入の話で盛り上がり、一台当たり、結構、いい金になるんだとかなんとか、言ってましたね。伝統的な朝鮮料理が、あのホテルのものだとすると、おそらく不味かったはずで、あの国で美味いのはビールだけだったような気がします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E4%BA%AC%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
ちなみに、この虚仮威しのホテルは私が行ったときのままで、 鴎外ではありませんが、まだ「普請中」なんですね。(倒潰するまで「普請中」なのかもしれない)
ご引用の Santa Cruz Sentinel にニューマン氏の Palo Alto の自宅前の写真がありますが、瓦の屋根や白壁は、韓半島風あるいは日本風の建物のようですね。サンタ・クルーズ周辺は、むかし、行ったことがありますが、あのあたりは、アメリカでも人生に成功した人が老後に住むところなんですね。ニューマン氏の退役時の階級がわかりませんが、相当な高官だったようにも思われます。
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Vice President Joe Biden, who was in South Korea to visit a war memorial in Seoul, spoke with Newman by phone Friday and offered him a ride home on Air Force Two.
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政治的な宣伝目的であれ、副大統領がエア・フォース・ツーに乗って帰らないか、などと気軽に言うとは、ちょっと考えられせんね。(「ワシントン経由は嫌で」北京ー桑港の直行便がいい、とニューマン氏が応じるのも、いかにもアメリカ的です)
日本であれば、死体にでもならないかぎり、政府専用機に庶民を乗せてくれることなど、まずありえないでしょうね。
バイデン氏が、防空識別圏の関係で慌ただしく日中韓を訪問しましたが、ニューマン氏の帰国が主目的で防空識別圏はついでだったのではないか、とすら思えてきます。「人質」解放に尽力したスウェーデンの駐韓(・駐北鮮)大使に御礼を申し上げ、スウェーデンに借りができたななどと思いながら、バイデン氏は帰って行ったのでしょうね。
色々なことを考えさせてくれたニューマン氏です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AF
『走れウサギ』の「Updike」の up はなんとなく ap と同じように思われ、genealogy 的には先祖はウェールズなのかもしれませんね。(大工の倅すなわちキリスト?)
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215539
昨日、都内の所用の帰途、某書店の中世史コーナーに寄ると、丸島氏の『戦国大名武田氏の権力構造』があったので、序章を眺めてみました。「地域国家」を「主権的な国家」としたのは石母田正で、「地域国家」を「下位国家」としたのは永原慶二とありました。また、丸島氏は、「専門書」と「一般書」は全然違うと言ってますが、通読したかぎりでは、同じ文体で同じようなことしか書いてなくて、「地域国家」についての定義などは、「専門書」と「一般書」で瓜二つ、両者の差異がどこにあるのか、わかりませんでした。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/5/0029970.html
勝俣鎮夫氏の『戦国時代論』の関連領域を通読してみると、佐藤説を敷衍して、「地域国家」の国家とは、主従的制的支配権としての「家」と統治的支配権としての「国」の複合体である、というような記述がありました。