学問空間

「『増鏡』を読む会」、第9回は2月22日(土)、テーマは「上西門院とその周辺」です。

アジアの暗黒、アフリカの混沌

2013-12-15 | 丸島和洋『戦国大名の「外交」』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年12月15日(日)21時14分2秒

>筆綾丸さん
古文書・古記録を正確に分析して歴史的な事実を実証的に確定してゆく能力と、抽象度の高い歴史理論を構成する能力は別物で、前者は職業として歴史研究者を目指すには必須ですが、後者は必ずしも必要はない、というか実際上は持っている人の方が少ないでしょうね。
日本語だと何となく理解できるような気分になれても、他の言語に翻訳しようとすると後者の点でアラが目立ち、困惑してしまう日本史の論文は、戦国時代の「国家論」に限らず、けっこう多そうですね。

北朝鮮関係のニュース、読めば読むほど暗い気持ちになりますね。
張成沢は今まで大勢を殺してのしあがってきた人物だから自業自得と言えばそれまでですが、「worse than a dog」の叔父を殺した甥の方も長生きはできそうもない感じがします。

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マンデラ追悼式の手話通訳者、過去に複数罪で起訴

(CNN) 南アフリカのeNCAテレビは13日、マンデラ元大統領の追悼式典で「でたらめ」な手話通訳を行ったとして批判を浴びている手話通訳者のタマサンカ・ジャンティさんが、過去に殺人、殺人未遂、誘拐などの罪で起訴されたことがあると報じた。

南アフリカでは厳粛なマンデラ追悼式典をたった一人でコメディにしてしまった優秀な手話通訳者が登場しましたね。
最初は統合失調症などの用語を散りばめて妙に冷静に自分の行動を解説していましたが、結局のところ単なる嘘つきみたいですね。
こんな人物がオバマを始めとする世界の要人のすぐ隣に4時間もいたのは、まさにアフリカの混沌を象徴する出来事でした。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

槿花と犬 2013/12/13(金) 19:12:57
小太郎さん
戦国時代の研究者の「国家論」をいくつか読みましたが、感覚的なものばかりで、これでよく納得できるものだと思いました。英訳して海外に紹介でもしようものなら、ビックリされるのではないでしょうか。

「Ieuan also gave rise to Evan(s) and Jones」のうち、Ieuan は、Iapon ≒ Japon のように I と J が置換可能なので、Ieuan ≒ Jeuan → Jone(s)となるのかもしれないですね。Evan(s)の方は見当がつきませんが、Jenkins 氏につながるのは面白いですね。Jenkins → Jones → John で、あのヨハネに由来するということですね。

http://www.rikyu-movie.jp/
昨日、『利休にたずねよ』を観ました。退屈な映画でしたが、ルイス・フロイスとアレッンシャンドゥロ(?)・ヴァリニャーノは「ポルトガル語」で会話していました。ひさしぶりにポルトガル語を聞きましたが、以前は音がスペイン語に近いような気がしていたものの、意外に遠いと思いました。
映画には高麗の姫(クララという韓国の女優)が出てきて、槿花(無窮花=ムグンファ)が重要な象徴として扱われていましたが、白居易の「槿花一日自爲榮」が引用され、急に人気のなくなった現在の韓国大統領(朴槿恵)のようだな、と思いました。
魚屋の千与四郎(市川海老蔵)がこの姫に食事を作ってやるのですが、材料になぜ海老を使わなかったのか、と思いました。また、海老蔵の話し方が眠狂四郎の田村正和のようで、どうも妙な感じがしました。

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-25359939
独裁者のやることとはいえ、ずいぶん早い処刑ですね。
「worse than a dog」とありますが、あの国では、犬以下という言葉が最大の侮蔑になるようですね。

追記
http://homepage1.nifty.com/rengo/kongetu/keihou.1-100.htm
「第六〇条(テロ罪)  反国家目的で幹部と人民を殺人、拉致したとか、彼らに傷害を加えるテロ行為を働いた者は、五年以上の労働教化刑に処する。情状が特に重い場合は、無期労働教化刑又は死刑及び財産没収刑に処する。」
報道によれば、この条文による処刑の由ですが、こんな国でも一応、罪刑法定主義なんですね。(「殺人、拉致したとか」という訳は、もうすこし、なんとかならないものか)中国の支援のもと先代の長男を担いでクーデタを企んだ、という報道によれば、タートベシュタントは第59条のような気もしますね。
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ロバート・レヴィンソン氏の件

2013-12-15 | その他
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年12月15日(日)20時30分17秒

国家機密と報道の自由の問題を考える上で重要な素材になるはずなのに、日本ではあまり報道されていないですね。
とりあえず一昨日からツイートしたことをそのまままとめておきます。

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イランで失踪の米国人はCIA要員 米報道

 AP通信と米紙ワシントン・ポストは12日、数年前からイランで行方不明になっている元連邦捜査局(FBI)捜査官のロバート・レビンソン氏が、中央情報局(CIA)の秘密要員として働いていたと報じた。
 同氏は本来、スパイ活動を許されないCIA分析官に雇われており、関与した計10人の分析官らが解雇などの懲戒処分を受けた。APは「近年で最も深刻なCIAの不祥事」としている。
 レビンソン氏は2007年にイラン入国後、行方が分からなくなった。FBIなどが懸賞金をかけて行方を捜していたが、ここ3年ほどは生存を示す情報がない。国家安全保障会議(NSC)は12日、同氏とCIAの関係についてコメントを避けつつ、度重なる要請にもかかわらず報道に踏み切ったとして遺憾の意を表明した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131213/amr13121315460004-n1.htm

APとワシントンポストの記事を読んでみたけど、この共同記事の要約はあまりに雑すぎるなあ。
タイトルの「CIA要員」もおかしい。
正式な要員ではなく、権限外の分析官が報酬を支払っていただけ。

Missing American in Iran was on unapproved mission
http://bigstory.ap.org/article/missing-american-iran-was-working-cia

CIAが機関として正式に承認していない仕事を権限外の分析官が勝手に民間人に依頼。
だからこそ関与した分析官が免職等の処分を受けている。

イランで失踪の米男性は「CIAの情報要員」、米メディア
http://news.livedoor.com/article/detail/8343850/

ロバート・レヴィンソン氏の件、共同電で短く報道されたものの、日本のメディアは全く重視していない感じ。
今のところ日本語で読めるものではライブドアのAFPBB記事が一番詳しい。

昨日のAPの記事は Matt Apuzzo 氏とAdam Goldman氏の連名で、WPはAdam Goldman氏。
何故、APとWPに同一人物が署名記事を書いているのか不思議に思った。

http://bigstory.ap.org/article/missing-american-iran-was-working-cia
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/ex-fbi-agent-who-went-missing-in-iran-was-on-rogue-mission-for-cia/2013/12/12/f5de6084-637b-11e3-a373-0f9f2d1c2b61_story.html

ま、これはAPで長年調査報道に携わり、ピューリツァ賞も受賞している優秀なAdam Goldman氏が最近ワシントンポストに転職したという事情の反映。

http://www.huffingtonpost.com/2013/10/15/ada-goldman-associated-press-washington-post-_n_4101302.html

Why AP is publishing story about missing American tied to CIA
http://blog.ap.org/2013/12/12/why-ap-is-publishing-story-about-missing-agent-tied-to-cia/

APは2010年の時点で既に今回報道された事情を全てつかんでいたが、レヴィンソン氏の生命に危険が及ぶとの当局の意見に従って報道を控えていた。
今の時点で報道したのは、もはや情報が途絶えて3年経ち、生存につながる新たな手掛かりがないこと、CIAの規律違反と10人もの懲戒がなされている事情が国民に知らされていないのは知る権利の観点から放置できないとの判断。

A Disappearing American Spy, and a Scandal at the C.I.A.
http://nyti.ms/JfQc0r

NYTも家族が依頼した弁護士からの情報に基づき早い段階で問題の所在を把握し、APと同レベルの情報を得ていたが、当局の要請とレヴィンソン氏の生命に危険が及ぶことへの家族の懸念に配慮し、報道を控えていた。
AP・WPの報道を受け、同氏が失踪した当時の生々しい事情、および事件後に介入してきた武器商人やロシアの政商等の行動について、この記事で詳細を伝えている。
AP・WPに特ダネを抜かれたことへのくやしさはにじんでいるものの、NYTの調査報道の実力を示す良記事。

ロバート・レヴィンソン氏に最後に会った男、失踪への関与を否定
http://investigations.nbcnews.com/_news/2013/12/4/21902571-last-man-to-see-robert-levinson-before-he-vanished-denies-involvement-in-disappearance?lite

Dawud Salahuddinは1980年に反ホメイニ派のイラン人元外交官を射殺してイランに逃亡した人物。
レヴィンソン氏との会合をイラン公安当局に知らせた可能性が高い。
コメント
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