第48回配信です。
一、前回配信の反省
タイトルを「森岡清美『日本の近代社会とキリスト教』を読む(その2)」としながら、実質的には奥山論文の紹介。
前回配信を削除することも考えたが、説明自体が不正確だった訳でもないので、改めて奥山論文の要点を復習した上で、前回配信の補足を行いたい。
タイトルを「森岡清美『日本の近代社会とキリスト教』を読む(その2)」としながら、実質的には奥山論文の紹介。
前回配信を削除することも考えたが、説明自体が不正確だった訳でもないので、改めて奥山論文の要点を復習した上で、前回配信の補足を行いたい。
奥山倫明「2000年代日本におけるキリスト教信者の急増減ー宗務課「宗教統計調査」から考える」(『南山宗教文化研究所研究所報』第25号、2015)
https://researchmap.jp/mokuyama/published_papers/1430202
https://researchmap.jp/mokuyama/published_papers/1430202
二、統計数理研究所の「日本人の国民性調査」
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構統計数理研究所
https://www.ism.ac.jp/kokuminsei/
「日本人の国民性調査」
https://www.ism.ac.jp/kokuminsei/
「集計結果」
https://www.ism.ac.jp/kokuminsei/table/index.htm
#3.1 宗教を信じるか
#3.2b 「宗教心」は大切か
#3.5 「あの世」を信じるか
#3.6 宗教か科学か
#3.9 首相の伊勢参り
「#3.6 宗教か科学か」が特に興味深い。
[リスト]あなたは宗教というものについて、どう思いますか。つぎの4つの意見のうち、あなたの意見に1番近いと思うものを1つだけえらんで下さい?
1 宗教というものは、人間を救うことはできない。人間を救うことのできるのは科学の進歩以外にはない
2 人間の救いには科学の進歩と宗教の力とが、たすけあってゆくことが必要である
3 科学の進歩と人間の救いとは関係がない。人間を救うことができるのはただ宗教の力だけである
4 科学が進歩しても、宗教の力でも、人間は救われるものではない
5 その他[記入]
https://www.ism.ac.jp/kokuminsei/table/data/html/ss3/3_6/3_6_all.htm
「日本人の意識調査 1973‐2018」
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/index.html?p=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%84%8F%E8%AD%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB
宗教的行動
第27問 宗教とか信仰とかに関係すると思われることがらで、あなたがおこなっているものがありますか。
ありましたら、リストの中からいくつでもあげてください。(複数回答)
信仰・信心
第28問 また、宗教とか信仰とかに関係すると思われることがらで、あなたが信じているものがありますか。
もしあれば、リストの中からいくつでもあげてください。(複数回答)
四、「2000年代日本におけるキリスト教信者の急増減」の原因
・2000年代の宗教意識については、特に注目すべき信仰心の変化などは知られていない。
・統計数値の収集、記載上での誤りが原因ではないか。
・文化庁文化部宗務課の回答
① 20万人規模の増減について
「宗教統計調査は、原則として、宗教法人からの自己申告に基づく。ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人 ) に属する単立の宗教法人(地域の王国会館に相当する ) が、自らの王国会館に所属する信者数を記載すべきであったが、誤って全国のエホバの証人の信者総数を報告してきたため、そのまま数値に反映されてしまった。また同一県で 2 か所の王国会館から同様の報告があった県もある」
② 40~50万人規模の増減について(長崎、鹿児島 )
「カトリックの修道会(両県所在の別の修道会 ) が、全国のカトリック信者数を誤って報告してきたため」
③ 神奈川における増加について
「2001 年から 2002 年にかけての増加については、すでに調査票原本が破棄されているため、詳細は不明である。2010 年から 2011 年にかけての増加については、海老名市にある、ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人 ) が、従来、全国各地の拠点において統計情報を報告してきたところ、各地の会衆の数値を海老名の協会に一括して、報告するよう方針を変更したため。
いずれも極めて単純な数値集計上のミス。
しかし、都道府県、文化庁宗務課のいずれも問い合わせすらしていないらしい。
果たしてキリスト教だけの問題なのか。
平成27年(2015)年版では320万人だった真宗大谷派の信者数が翌28年版では792万人となっている。
-------
桜井義秀・北海道大大学院教授(宗教社会学)は「信者数は名簿に基づいて出すべきだ。ばらばらの基準で出した推計値を公表するだけでは統計として成り立たっておらず、研究や学術目的では使えない」と指摘。「現在の方法で文化庁が信者数を集計すること自体、あまり意味がないのではないか」と話している。
第28問 また、宗教とか信仰とかに関係すると思われることがらで、あなたが信じているものがありますか。
もしあれば、リストの中からいくつでもあげてください。(複数回答)
四、「2000年代日本におけるキリスト教信者の急増減」の原因
・2000年代の宗教意識については、特に注目すべき信仰心の変化などは知られていない。
・統計数値の収集、記載上での誤りが原因ではないか。
・文化庁文化部宗務課の回答
① 20万人規模の増減について
「宗教統計調査は、原則として、宗教法人からの自己申告に基づく。ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人 ) に属する単立の宗教法人(地域の王国会館に相当する ) が、自らの王国会館に所属する信者数を記載すべきであったが、誤って全国のエホバの証人の信者総数を報告してきたため、そのまま数値に反映されてしまった。また同一県で 2 か所の王国会館から同様の報告があった県もある」
② 40~50万人規模の増減について(長崎、鹿児島 )
「カトリックの修道会(両県所在の別の修道会 ) が、全国のカトリック信者数を誤って報告してきたため」
③ 神奈川における増加について
「2001 年から 2002 年にかけての増加については、すでに調査票原本が破棄されているため、詳細は不明である。2010 年から 2011 年にかけての増加については、海老名市にある、ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人 ) が、従来、全国各地の拠点において統計情報を報告してきたところ、各地の会衆の数値を海老名の協会に一括して、報告するよう方針を変更したため。
いずれも極めて単純な数値集計上のミス。
しかし、都道府県、文化庁宗務課のいずれも問い合わせすらしていないらしい。
果たしてキリスト教だけの問題なのか。
平成27年(2015)年版では320万人だった真宗大谷派の信者数が翌28年版では792万人となっている。
-------
桜井義秀・北海道大大学院教授(宗教社会学)は「信者数は名簿に基づいて出すべきだ。ばらばらの基準で出した推計値を公表するだけでは統計として成り立たっておらず、研究や学術目的では使えない」と指摘。「現在の方法で文化庁が信者数を集計すること自体、あまり意味がないのではないか」と話している。