分岐から左に入っていく。これで籾糠山の登山道 全部回ることになる。
もちろんこの山のほんの一部を見ているに過ぎないけれど 満足。
二人ともストックであらゆる葉っぱを裏返してみる。 宝探しをしている気分。ピーちゃんに至っては 蛇のお腹も裏返して見そうな勢い。
そのおかげで 初めて見る花にいっぱいご対面。
わさわさとした草むらをかき分けてこれを見つけたときの驚きと喜び どう見たって野生の蘭だった。 始めカキランだと思った。カキランは道の駅で植木鉢に植わっているのを見たことがある。 へっ 山でみたいもんだ と思っていたから 大喜び
しかし 帰ってから偶然の書き込みでコケイランと分かる。 コケイランかぁ? それでも初めて見る美しい蘭だった。
エンレイソウのみが真っ黒で固そうになっている。 ここまで見届けたことがないので珍しい。
ユキザサが実を付けている。これはヒロハノユキザサで良いのだよね?茎が赤い
あの蘭の様な花は消えて緑の小さな玉になっている。もっと時を経ると赤い玉になるのだろうか?
緑の中大下りの後振り返ると 籾糠の頂上が見える。一ヶ月前にはあそこにいた。
さほど高さはないように思えるのだけれどね。
ブナ林が美しいよ と聞いていたけれど 年月を経たと思われる形の良い木がいっぱい。
湿原が近づいてきたらしい。 ツマトリソウ モウセンゴケが見え始める。
こんなに近くで見たのはじめてだねぇ
しゃもじに赤い毛が生えているみたいな・・・
毛の先は丸い玉になっている.さわれなかったけれど 光っているところを見ると これはきっと粘性があってこれで虫を捕まえるんだろうな? 苔は日陰に育つと思っていたけれど モウセンゴケは日の光を受けて湿原を赤い絨毯に変えていた。
時々霧が吹き付けてきて とても幻想的。
さ そろそろ降りましょうかねぇ
とここで「私行きたいところがあるの。」とピーちゃん。 出ました。ピーちゃんが山でこういうときはでっかい木を見つけたとき。 彼女は 巨木大好き
見れば ダケカンバの巨木があるとの表示 そりゃねぇ
枝をかき分け足下をかき分け・・・しかし思ったより近くて なかなかあじのあるダケカンバがそびえている。 ここでは巨木は珍しくないので 大きさに驚きはしなかったけれど
湿原に戻って下山開始。 これからは ずっとブナ林の中。カラ谷分岐まで戻る。
綺麗な緑でしょ?
本当は今回もう一つみたい花があった。 フガクスズムシソウ
ブナの木に寄生する蘭らしい。 ここで見ることが出来るらしいと聞いたけれど 知識に乏しい私たちは いくら葉っぱをひっくり返しても見られるはずもなく 敗退。 今日の管理人は「何処に咲いているか知らないです。 蘭のありかは教えないことにしています。盗掘されたら困るから。」と言われた。
盗掘 どうしてそんなことするのかな?
地の底まで落ちていきそうな急な下り階段を これでもか これでもかと下っていく。
ふと ピーちゃんの足が止まる。 「どうしたの?」「ううん」これは私が蛇を嫌いなので脅かさないようにと木を使ったときの彼女の返事。
ばれているからね
どうやら 蛇のようなものを見たらしい。「でも変なのよ。 ズドンと太くてね。しっぽは?と思ってみていたらしっぽなくて くねくねしないで すーっと草むらに入っていったの。」
はぁ つちのこですか? この山は本当にいろんな事が起きる。
長い長い下りの後 人声が聞こえる。 今日はこの山に入ったのは私たちだけと思ったら 晴れてきて 誰か登ってきた。 そう思ったら 今日の管理人さん達だった。
遅いから心配してくださったのですか?
いいえ お天気が不安定なので・・・・ というわけでお迎えが来て 帰りは天生湿原を反対回りでみんな一緒に帰ります。