【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

沖縄に生まれた国民統一戦線への展望

2014-08-17 00:19:50 | 社会・政治思想・歴史
国民的共同をめざして
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以下の論文は沖縄県知事選の意義をわかりやすく説き起こした画期的な文書と考え、転載させていただきました。
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◇沖縄県知事選まで3カ月
◇保革超えて初の共同へ
◇翁長氏「建白書に沖縄の将来が」

(日本共産党中央委員会ホームページ転載)

 沖縄県民の声を踏みにじる新基地建設(名護市辺野古)への安倍政権の暴走が続くなか、県知事選挙(11月16日投票)まで3カ月を迎えました。安倍政権の暴走の背景には新基地建設を許さない“島ぐるみ”の世論への焦りがあります。新基地建設反対の「オール沖縄」「島ぐるみ」の流れと、この流れから脱落して県民を裏切り、安倍政権に追随して新基地建設を推進する勢力との歴史的なたたかいが始まっています。


 「保守と革新という政治的立場の違いを乗り越えて、市長と私たちを結び付けているのは『建白書』です。私たちの先頭に立っていただき辺野古新基地断念を実現するまで私たちも一緒にたたかう」。11日、翁長雄志(おながたけし)・那覇市長への県政野党・会派の出馬要請の席で日本共産党の赤嶺政賢衆院議員はこう語り、翁長氏と固く握手を交わしました。

 オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を掲げた「建白書」。2013年1月28日、県内41自治体の全市町村長、議長、県議会各会派代表、主要な経済団体などの代表が連名で安倍晋三首相に提出した“沖縄の総意”でした。

■元に戻らない

 翁長氏はかつて自民党県連幹事長も務めた保守政治家ですが、市長会会長として「建白書」とりまとめの先頭に立ちました。「建白書」提出前日の「ノーオスプレイ東京集会」。翁長氏は「沖縄県民は目覚めました。もう元には戻りません」と力を込めました。

 翁長氏は語ります。「去年の『建白書』で、奇跡的だったが全会一致でまとまったのが沖縄の政治です。その後、脱落した方もいたが、半年の流れを見ると、やはりじわりじわりと『建白書』のDNAは消え去っておらず、さらに構築が進んできました。この構築があってこそ沖縄の将来があります」(8日の記者会見)

■経済界有志も

 県政野党・会派だけでなく、経済界有志や女性団体、県連から除名などの処分を受けた那覇市議会の自民党会派など、保守、革新の立場を超えた出馬要請を受けています。

 7月27日には、「建白書」の実現を掲げる「島ぐるみ会議」の結成大会に保守・革新の枠を超えた2000人以上が参加。復帰闘争を引き継ぐ島ぐるみのたたかいで「沖縄から日本を変えていく」との決意を固めました。

 経済界有志らでつくる「オナガ雄志知事を実現する同志会」の集会(6日)でも、スーパーなどを展開する金秀グループの会長、呉屋守将共同代表が「沖縄にとって米軍基地のこれ以上の増強は百害あって一利なし」と語り、かりゆしグループの最高経営責任者、平良朝敬共同代表も「知事選は沖縄のアイデンティティー(主体性)が問われる選挙。その先頭に立てるのは翁長氏しかいない」と訴えました。知事選にむけ、「建白書」の一致点で保革の枠組みを超えた共同が、知事選では、初めて実現しようとしています。

 知事選は、那覇市長を4期務める翁長氏と3選をめざす仲井真弘多知事、下地幹郎元郵政民営化担当相の3氏が出馬する公算です。

 一方、「オール沖縄」の流れを覆そうと暴走しているのが安倍政権です。

 政権発足後間もない13年2月には、辺野古の埋め立て申請を沖縄県に提出。自民党の沖縄選出国会議員、同県連に「県外移設」の公約を撤回させ、新基地建設容認に転じさせました。

■県民を裏切り

 前回知事選挙で「県外移設」を公約した仲井真氏は同年12月、辺野古・大浦湾の埋め立て申請を許可。県民総意を裏切り、新基地建設推進の姿勢を示しました。

 仲井真氏は7日の出馬会見でも、「この(新基地建設の)流れをストップさせるな、逆回転させるな」と強調。「反対し、元に戻しても混乱するだけ」と述べ、「オール沖縄」の声と運動を敵視しました。

 こうした「オール沖縄」への裏切りは、安倍政権、仲井真陣営に大きな矛盾をもたらしています。

 自民党県連は7月に早々と仲井真氏の擁立で一致したものの、独自の世論調査で仲井真氏が翁長氏に後れを取る結果に党本部には慎重論が広がり、石破茂幹事長は「仲井真氏も公明党も傷つけるべきではない」(7月4日)と擁立に難色を示しました。党本部は同氏以外の候補者を模索したものの見つからず、独自候補は断念しました。

 矛盾を抱えているだけに安倍政権、仲井真陣営も、本土へのオスプレイの「訓練移転」や沖縄振興策をチラつかせながら支持固めを急ぐなど総力をあげています。辺野古沖での海底ボーリング調査を急ぐのも、知事選前に新基地建設の「既成事実化」をはかる狙いがあるといわれます。

 7月31日に出馬表明した下地氏は、これまで普天間基地の米軍嘉手納基地統合や国頭村への移設などを打ち出し、あくまでも「県内移設」に固執してきたことには口をつぐみ、「知事になったら、県民投票を行う」としています。

■歴史開くもの

 「条約上は不可能」と言われた本土復帰も「島ぐるみ」のたたかいによって成し遂げられてきました。今回の知事選挙で、「オール沖縄」「島ぐるみ」を代表する勢力が、県民を裏切った勢力に審判を下すことで、辺野古の新基地建設を断念させ、基地に頼らない、新しい沖縄の展望を切り開くことができます。

 翁長氏は県政野党・会派からの出馬要請に答えてこう語りました。「基地問題の解決と経済発展が両立するという理解が県民に広がっています。この問題は、100年後の沖縄のあり方、日本のあり方に沖縄が一石を投じるような、歴史の大きな1ページを開いていくものだと思います」

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★私見★
今回の沖縄知事選は、今までの国内の選挙では見られなかった「国民統一戦線」型の知事選挙です。沖縄県内の良心的保守層、日本共産党、その他の「護憲リベラル」を大切にする進歩派野党。それらの三層構造を孕む新たな統一戦線の革新的探求でもあります。
安倍自公政権は、辺野古の湾岸の強引な工事など、テレビのニュースキャスターが「(政府も)焦っているのでしょうが、それにしてもこんなに急ぐ必要があるのでしょうかねえ・・・」と絶句していました。今後そうとう厳しい圧力や弾圧もありうることが想定されます。しかし、地方自治・平和主義・議会制民主主義のどれをとっても、『沖縄型・国民統一戦線』は今後の歴史に新たな視野を開拓していくことでしょう。

 最後に、1970年代に南米チリに議会制民主主義を尊重して民主主義的社会主義を建設したアジェンデ大統領を讃えた詩人ネルーダの詩を歌にした作品を掲げます。笠木透さん、横井久美子さん、高石ともやさんが歌われている作品です。
♪この生き方は厳しいだろう  だけど私は行くだろう

『おいで一緒に (山と川)』 原詩:パブロ・ネルーダ 訳詞 麦笛の会/笠木 透
 

 私の国には 山がある おいで一緒に わたしたちと
 私の国には 川がある おいで一緒に わたしたちと


1.山にのぼるのは 悲しいから  おいで一緒に わたしたちと
  川をくだるのは 淋しいから  おいで一緒に わたしたちと
   
2.苦しみばかり 続くとも   おいで一緒に わたしたちと
  私と同じ あなたたち   おいで一緒に わたしたちと

  私の国には 山がある   おいで一緒に わたしたちと
  私の国には 川がある   おいで一緒に わたしたちと

3.この闘いは きびしいだろう  けれどあなたは 行くだろう
  この生き方 きびしいだろう  けれどあなたは 行くだろう
  
  私の国には 山がある   おいで一緒に わたしたちと
  私の国には 川がある    おいで一緒に わたしたちと


  おいで一緒に わたしたちと・・・

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