【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

孫崎享氏がブログであきらかにした安倍恐怖独裁政治

2014-08-30 13:01:02 | 社会・政治思想・歴史
孫崎享氏がブログであきらかにした安倍恐怖独裁政治
櫻井智志

① ヘイトスピーチを利用してデモを弾圧しようとしている自民党
2014-08-30 06:423   
② 「辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締め」。海保所管大臣は公明党
2014-08-30 08:391  
③孫崎享氏がブログであきらかにした安倍恐怖独裁政治


①驚くべき動きが出た。
 28日、共同通信は「自民の国会デモ規制に懸念 与野党から“言論統制”の声」で次の報道を行った。
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「自民党が28日、国会周辺での大音量のデモや街宣活動に対する規制の検討に入ったことをめぐり、与野党から「不都合な声を封じ込める言論統制だ」と懸念する声が相次いだ。高市早苗政調会長らは「ヘイトスピーチ」と呼ばれる人種差別的な街宣対策と同時に議論する構えで、国会近くで恒例となっている脱原発デモなどを抑制する思惑もあるとみられる。
 ヘイトスピーチ対策の自民党プロジェクトチーム(PT)初会合では、出席者から「(思想の)右、左を問わず、騒音を規制すべきだ」との意見が出た。」
 「(思想の)右、左を問わず、騒音を規制すべきだ」だという。
先ず、認識しておくべきは、ヘイトスピーチが問題なのは「国会周辺で騒音がある」からではない。人種問題で憎悪を生み出すこと自体が問題視されている。
8月21日朝日新聞の報道を見てみよう。
「国連人種差別撤廃委員会による対日審査が20、21両日、スイス・ジュネーブで行われ、在日韓国・朝鮮人らを対象にしたヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)に関連して、「包括的な差別禁止法の制定が必要」とする日本政府への勧告案をまとめた。今後、この案を基にした「最終見解」を公表する。
多くの委員は、審査前に日本でのヘイトスピーチの様子をビデオで視聴。右派系市民団体が「出てこい、殺すぞ」などと叫ぶ様子について「これに対応することは表現の自由の保護と抵触しないのではないか。スピーチだけではなく実際に暴力を起こすような威嚇なのではないか。非常に過激でスピーチ以上のものだ」との指摘が出た。警察の警備の様子についても「(ヘイトスピーチをする)加害者たちに警察が付き添っているかのように見えた。多くの国では、こういうことが起こった場合には逮捕するものだ」と批判した。」
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政治的主張の右であるとか左であるとかではない。
国際的に「特定の人種の優越性、皮膚の色、民族の集団の優越性の思想や理論に基づくあらゆる宣伝、団体または人種的憎悪及び人種差別を正当化し、または助長しようとするあらゆる宣伝、団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動や行為を根絶することを目的とする迅速で積極的な措置をとることを締約国に求める」ことが国際規範になり、日本のヘイトスピーチの現状がこれから逸脱しているのでないかが問題の本質である。
 民主主義国家において、デモは主権者である国民の意思表示の手段として、ほぼ当然の権利として認められてきている。
 人権が抑圧されているとみなされるロシアですらデモは政治手段として容認されている。ヘイトスピーチを利用し「(思想の)右、左を問わず、騒音を規制すべきだ」との考え方の人々は、自分たちが生きている民主主義体制というものが何であるかという基礎的認識すら欠如している。

② 米軍基地の辺野古移転に沖縄県民の70%は反対している。
 今、安倍政権は強行突破をしようとしている。
 基本的に防衛省の対応範囲であった。
 なんと、海上保安庁が、県民弾圧に入ってきた。多分、県民感情なんぞ、何もわかっていないのであろう。
 海上保安庁の所管は国土交通省である。大臣は公明党太田昭宏氏である。公明党だ。公明党の人、知っているかな。
 8月30日付日刊ゲンダイ報道。
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海上保安官の潜水士の姿を描き、人気となったTVドラマ「海猿」。危険を顧みず、人命救助に尽力する場面が話題となったが、沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出している。普天間基地移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ。
「オラーッ」。真っ青に広がる辺野古沖にドスの利いた声が響く。黒いゴムボートに乗った「海猿」の怒声だ。
「7月から始まった海上調査に対応するため、海保は全国の『海猿』を辺野古沖に集中投入しています。基地移設反対派のカヌーを見つけると猛スピードで近付き、写真を撮り、時には体当たりしてカヌーに飛び乗ってきます。まったく抵抗していないのに『確保!』と叫びながら市民を羽交い締めにして強引にボートに引き上げることもあります。まるで戦前の特高警察です。このままだと大事故が起きますよ」(地元住民)
一部報道によると、反対派の住民はこれまでに20人近くが拘束されたという。うち32歳の男性は、身柄を確保された際に頚椎捻挫のけがを負わされたとして、「海猿」を29日にも、特別公務員暴行陵虐致傷罪で那覇地検名護支部に告訴するという。
 いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ。
 一連の行動に問題はないのか。第11管区海上保安本部に聞くと、「頚椎捻挫した男性がいた? 海保として事実は確認していません。(活動は)現場海域の安全確保と法令励行のためです」(総務課)と答えた。
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③あまりに酷い。
酷すぎる。ヘイトスピーチをとりしまることと政府の独裁政治を批判することを弾圧することとを一緒にできる感覚がすでに常軌を逸している。このような安倍政治のもとで政府・官僚・地方自治体・役人と下に行くほど、ますます単純に安倍・独裁ドクトリンを遵守しようとしている。中には松阪市長のようにまともな首長もいる。

このような独裁恐怖政治は、長続きできない。独裁下で歪んでいく。人間は異常に慣れるが、いつまでも異常な状態に置かれると、自然の生理として異常を正常にもどそうとするバネが働く。このバネは時にはひどい暴力的行動や暴力犯罪になることもある。それが無差別殺人などの行為である。同時にそのような逸脱ではなく、まともな感覚のもとに政治的レジスタンスがおこる。これは世界のつねである。
日本では、島原の乱、一向一揆、百姓一揆、自由民権運動、米騒動、社会主義運動、労働運動、安保反対運動など歴史にいくつも例がある。外国では、スパルタクスの叛乱からベトナム反戦運動や韓国光州事態までかぎりがない。

これはまさに独裁政治に対する抵抗権行使の段階である。抵抗権は暴力を伴うが、日本人は、暴力よりもさらに徹底した闘争の手段を行使しうる。ガンジーやキング牧師の無抵抗運動を知っている。

いま国政・自治体選挙闘争は新たな意義をもつ。抗議集会も憲法破壊の安倍政治に「ノー!!」の意思表示である。さらに安倍政治に耐えられない理性派自民党関係者や合理的官僚・役人も存在している。その力はばかにできない力量をもっている。
失望はいつか理知的レジスタンスの広範な燎原の火となって、広まっていく。そうならないように、安倍政権は徹底した弾圧法規さえ用意している。私も狂気の沙汰の安倍政治の独裁政策は正直こわい。けれど、安倍政権のような世界中にさじを投げられた独裁政治に反対の意思表示を行うことが少しでも「歴史の教訓」にまなぶ民主主義闘争の一環となるなら、恐怖感よりももっと大切にしたい人間的友愛の情感を大切にしたい。