■市民団体「生業訴訟」原告団の福島県知事選候補者への質問(選挙毎日web参照)
同団体は、は、国と東京電力を相手取り、原発事故による放射能汚染からの原状回復などを求める訴訟を福島地裁に起こしている「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」原告団(中島孝原告団長)は、原発政策に関する質問状を発送し、その回答を原告団のHP(http://www.nariwaisoshou.jp/)で公開している。
福島県知事選挙候補者に対する公開質問状
(*各候補の名前は原文では全員○となっているが、注目すべき井戸川候補とくまさか候補には◎を付してわかりやすくした)
公開質問状と回答
2014年10月9日、県知事選挙の告示日にあわせ、原告団は各候補者に対し、公開質問状を送付し、各候補者から回答を頂きましたので、公開いたします(五十音順)。
各候補者の回答について、編集や加工は加えていません。同一候補者の回答のなかでの漢字表記とひらがな表記の揺れなども、そのままで表記しています。
1.原発事故について、国および東電に法的責任があるとお考えですか?
また、「ある」とお考えの場合、国および東電に対し原発再稼働や賠償・支援体制の抜本転換等、県として申し入れるべきとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
ある。ただ、賠償の割合があるのではないかと思う。また海外のメーカーにもあるのではないかと考えています。賠償や支援体制の抜本転換等の県としての申し入れですが賠償の責任の負担割合がでたあとに、足りない分は民間からの基金や保障でも補填ができるのではないかと考えています。
〇伊関明子候補:
国と東電に責任を試算させ賠償させます。
〇井戸川克隆候補:
ある。県として完全賠償、さらに補償を要求すべきです。県民主導の原発被害解消委員会をつくり、県が事故被害算定し、東京電力と国に賠償と補償をもとめます。
〇内堀雅雄候補:
事故の責任の所在については、国の責任において更に詳細な調査・検証が重ねられるべきものと考える。また、事故原因究明のためにも、汚染水問題も含めた原発事故の早期完全収束と安全・着実な廃炉を国と東京電力が責任を持って進めていく必要がある。
〇金子芳尚候補:
法的は別にして、責任は間違いなくあると思います。申し入れるべきと考えます(内容を精査して)。
◎熊坂義裕候補:
・原発事故については、国及び東電に法的責任があると考えます。
・原発の再稼働について、県は東電に対し第2原発を含む10基すべての原子炉の廃炉を速やかに確約させるべきです。
・県は県外のすべての原発の再稼働停止を国に対して強く要求すべきです。
・当面、県は隣接県の原発の再稼働を停止すべく、新潟県(柏崎)、宮城県(女川)及び茨城県(東海)の知事に対し再稼働に同意しないよう申し入れるべきです。また、再稼働に必要な同意に関する地元自治体の範囲を立地県のみでなく隣接県にも拡大させるべく原子力安全協定の見直しを、国及び関係の事業者に対して強く求めるべきです。
・また、申立人が認容できるADRの和解案については、これを尊重し誠実に受け入れるよう県としても東電に対して強く要求すべきです。
2.県内全原発10基の廃炉について、どのようにお考えですか?
また、廃炉が必要とお考えの場合、いつまでにやるべきとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
県内10基は廃炉にするべきです。一基あたりの正確な廃炉のロードマップをだして全基の総合的なプランをだす。IAEAでは一基辺り10年という案があるということですがいずれにしても最短の廃炉を目指します。
〇伊関明子候補:
全廃炉。早急に(世界の知恵かりる)。
〇井戸川克隆候補:
即時廃炉にすべきです。
〇内堀雅雄候補:
県内にある原発10基の全基廃炉は明確。県民の総意であることから、当然に廃炉にすべき。
〇金子芳尚候補:
廃炉の工程があると思いますが、できるだけ早くが県民の気持ちと思います。
◎熊坂義裕候補:
1に記したように、県内10基の原子炉はすべて廃炉にすべきです。廃炉の時期については、汚染水対策や地下水の流入防止対策そして燃料がメルトダウンしたデブリの取り出しなど、困難な課題を抱える第1原発の廃炉作業を工程に従って着実に進め、その作業が安全に進められる見込みが立った段階で第2原発の廃炉作業に着手せざるを得ないと考えます。
3.国は、原発再稼働に積極的ですが、県外の原発の再稼働は必要だと考えますか?
〇五十嵐義隆候補:
県外も廃炉を目指すべきです。福島県と同じ被害にあわないためです。
〇伊関明子候補:
全廃炉。危険(断層、型式)の高いのから順次廃炉。
◎井戸川克隆候補:
県外も含め、全原発を再稼働せず廃炉にすべきです。福島の現実を見れば当然です。
〇内堀雅雄候補:
原発再稼働も含め我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。
〇金子芳尚候補:
これだけ酷い経験をした福島県民、地震や火山噴火など災害の多い国土と合わせ、県外の再稼働は止めるよう進言します。
◎熊坂義裕候補:
県外のすべての原発の再稼働は必要なく、1に記したように再稼働に反対です。原発事故後3度の夏の電力需要期を乗り切ってきたのですから、需給的には十分対応可能なことが立証されています。また、再生エネルギーの固定買取に関してこれを中断しようとする電力会社が現れていますが、九州電力の場合、買取認定を受けたメガソーラーなどすべて接続した場合、夏場の電力需要量をすでにオーバーしていることが明らかになっていることからも、送電網容量の増強という問題はありますが、原発がなくても需給的には可能であると考えます。
4.原子力損害賠償紛争審査会の中間指針並びに中間指針追補について、どのようにお考えですか?
また、問題があるとお考えの場合、どこをどのように変えるべきとお思いですか?
〇五十嵐義隆候補:
問題の有無はいまの段階では評価できませんが更なる改善となることを願います。
〇伊関明子候補:
早急に“会計の福島現象(補償、助成金が利益扱いで税金がかかる)”を中止→まちがった経済データが作られている。
◎井戸川克隆候補:
中間指針は不十分です。放射線被害については終期がありません。県が原発被害解消委員会を作り、事故被害を算定し、国と東電に賠償、さらには補償を求めるべきだと考えます。
〇内堀雅雄候補:
原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるべき。また、ADRの和解実例で、多くの被害者に共通する賠償については、原賠審による指針の反映によってしっかりと対応されるべき。
〇金子芳尚候補:
調査、理解する時間を下さい。
◎熊坂義裕候補:
中間指針においては、精神的損害の対象を「正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく(自主的避難者の場合には「相当程度」)阻害されたために生じた精神的苦痛」、すなわち、生活妨害による苦痛のみに限っており、放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛は精神的損害として認めていません。しかし、避難指示区域外も含め追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域では低線量被爆の不安を日々感じながらの生活を余儀なくされており、これを精神的損害として法的に評価しないのは加害者側に立った都合の良い理屈であると言わざるを得ません。放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛も精神的損害として認めるよう、中間指針を改正すべきと考えます。
5.チェルノブイリ原発事故の放射能被害の8割を蒙ったベラルーシでは、8年をかけて国全体の正確で克明な放射能汚染地図を作成・公表し、日々の暮らしに役立てているといいます。このような正確な放射能汚染地図を福島でも作るべきだとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
あると良いと思う。私も震災の翌年にチェルノブイリに視察に行ってきましたが福島は更なる基準作りで世界に原発処理の積極的なモデルを作って行けることを願っています。
〇伊関明子候補:
作るべき。
◎井戸川克隆候補:
その通り作るべきです。事故は収束していませんので、県として、どこが危険かわかるように、情報発信検討会議をつくり、正しい情報を示し、県民が正しい判断をできるようにします。
〇内堀雅雄候補:
放射線量等分布マップについては、航空機モニタリングの空間線量率と土壌調査の結果等をもとに、国と協力して作成し公開している。また、空間線量率についてもリアルタイムでモニタリングし、その結果を公開している。県民の皆さんが安心して暮らせるよう、引き続きしっかりとやっていく。
〇金子芳尚候補:
海外の経験や知識を福島でも活かしたいと思います。
◎熊坂義裕候補:
少なくとも、追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域に関しては、県民の安全・安心の確保のために、モニタリングのデータを随時反映させた放射能汚染地域を作成すべきと考えます。
6.放射能に弱い子どもや障害者を救うためには国の金銭的支援・医療費負担が必要ですが、県として制度化に向けて積極的に取り組むべきだとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
大賛成で、取り組むべきです。
〇伊関明子候補:
県民全員(当時県にいた人)対象、医療費無料。
◎井戸川克隆候補:
国はもちろん東電も医療費など負担する責任があります。県民に健康手帳を交付し、無料の健診と医療を行います。子ども・被災者支援法の理念は、県の条例として実現・実施していきます。
〇内堀雅雄候補:
県民の健康を守るために、県民健康調査の実施により、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげるとともに、医師、看護師を始め、医療従事者の確保・養成を図り、県内どこでも十分な医療を受けられる県づくりに取り組む。また、18歳以下の医療費無料化も継続して行う。そのための財源確保を国に求めていく。
〇金子芳尚候補:
それぞれの状況に応じて支援したいと思います。目標は自立です。
◎熊坂義裕候補:
原発事故子ども被災者支援法は、被災者たる子どもが放射線被曝に起因する病気により治療を受けた場合の医療提供に関する施策を国が講じるべきことを規定しています。毎年の予算措置による補助金等の交付という形ではなく、より安定的に財源を確保していくために、医療費の提供を国の責任としてハッキリと明確化するために新たに法制化することを求めていくべきと考えます。
7.日本は地震・台風・火山の多い国ですが、それでも原発は必要だとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
この東日本大震災で大事故を経験したので同じことを繰り返す可能性は持つべきではないと思います。
〇伊関明子候補:
思わない。近隣国からしたら脅威である。
◎井戸川克隆候補:
原発は日本にも、世界にも必要ありません。福島の現実を見れば明らかです。
〇内堀雅雄候補:
我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。
〇金子芳尚候補:
必要ない。合わない。
◎熊坂義裕候補:
そもそも地震大国あるいは火山列島である日本に原発を作ること自体が無謀なことであったと思います。日本に原発は必要ありません。全国の原子炉の廃炉、脱原発に向けて舵を切るべきです。
8.東電福島原発事故の直後に国からFAXで届いた「スピーディー」の情報を福島県は住民に公表せず、そのために福島県民を大量被ばくさせたことについて、県のとった判断・行動をどのように思いますか?
〇五十嵐義隆候補:
県にしろ、国にしろ緊急時のリーダーシップについてが問題だと思います。
〇伊関明子候補:
雄平知事の判断は、人としてありえない。
◎井戸川克隆候補:
まったく許されないことです。スピーディーを隠し、被ばくをさけられなかったことを県として検証し、県民に謝罪し、二度とおこらないようにします。
〇内堀雅雄候補:
SPEEDIの情報について適切に公表できなかったのは、当時非常に混乱した状況の中にあったとはいえ、広域自治体である県として、やるべきことをやり尽くせなかったという点でも大きな反省点。震災、原発、避難関連情報は、県民の安全・安心の大前提となる必要不可欠な情報であることから、適切かつ迅速に公開していく。
〇金子芳尚候補:
全く評価しない。県民の生命を守っていない。リーダーシップがない。
◎熊坂義裕候補:
スピーディの情報を入手した時点で直ちに公表されていたならば、多くの県民がむざむざと大量に被爆することはありませんでした。浪江町長さんが県に対して「これは殺人罪ではないか」と強く抗議したのは当然のことと思います。
県民の生命の危機にも関わる、とてつもなく重要で緊急性のある情報を、担当部長の独断で知事、副知事に対して報告もせず消去するなどということは到底あり得ないことです。それにもかかわらず、佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)は「報告は受けていない」と議会の場で何回も平気で白を切り、謝罪の言葉は一言も発しませんでした。その不誠実さには大変驚き呆れるばかりです。
佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)には、「何があっても県民の生命を守り抜くのだ」という使命感と県民に寄り添うという謙虚さや誠実さに元々欠けていると思わざるを得ません。
県民の生命の危機に関わる情報は、仮にそれが結果的に空振りであったとしても、パニックの招来をおそれずに直ちに公表し、県民の安全を少しでも確保するという選択をすべきであったと考えます。
9. 「生業(なりわい)訴訟」を支援したいとお考えですか?
また、裁判を傍聴したいとお考えになりますか?
〇五十嵐義隆候補:
一度は裁判の傍聴をしてみたいです。そして、どうお手伝いできるかしっかりと考えたいです。どのようなかたちであれ、同じ福島の同郷のためにはみなさんの生活が再建されて行くために可能な限り多面的に支援ができればと思います。
〇伊関明子候補:
はい。
◎井戸川克隆候補:
原告、ご家族のみなさんにご苦労かけてすまない気持ちでいっぱいです。
傍聴含めできる限りの協力、支援をおしみません。
〇内堀雅雄候補:
原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるよう取り組んでいく。
〇金子芳尚候補:
理解するまで検討させて下さい。共感はしております。
◎熊坂義裕候補:
私は今回の選挙に際し「よみがえれ福島」を大きな目標にして運動を展開しています。原告団の皆様が求めている「原状の回復(もとの地域に戻せ)」との主張とは相通ずるものが少なからずあるように思います。
行政として個々の訴訟に関わることは困難かも知れませんが、個人的な心情としては支援させていただきたい気持ちです。どうぞご理解ください。
==================================以上
同団体は、は、国と東京電力を相手取り、原発事故による放射能汚染からの原状回復などを求める訴訟を福島地裁に起こしている「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」原告団(中島孝原告団長)は、原発政策に関する質問状を発送し、その回答を原告団のHP(http://www.nariwaisoshou.jp/)で公開している。
福島県知事選挙候補者に対する公開質問状
(*各候補の名前は原文では全員○となっているが、注目すべき井戸川候補とくまさか候補には◎を付してわかりやすくした)
公開質問状と回答
2014年10月9日、県知事選挙の告示日にあわせ、原告団は各候補者に対し、公開質問状を送付し、各候補者から回答を頂きましたので、公開いたします(五十音順)。
各候補者の回答について、編集や加工は加えていません。同一候補者の回答のなかでの漢字表記とひらがな表記の揺れなども、そのままで表記しています。
1.原発事故について、国および東電に法的責任があるとお考えですか?
また、「ある」とお考えの場合、国および東電に対し原発再稼働や賠償・支援体制の抜本転換等、県として申し入れるべきとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
ある。ただ、賠償の割合があるのではないかと思う。また海外のメーカーにもあるのではないかと考えています。賠償や支援体制の抜本転換等の県としての申し入れですが賠償の責任の負担割合がでたあとに、足りない分は民間からの基金や保障でも補填ができるのではないかと考えています。
〇伊関明子候補:
国と東電に責任を試算させ賠償させます。
〇井戸川克隆候補:
ある。県として完全賠償、さらに補償を要求すべきです。県民主導の原発被害解消委員会をつくり、県が事故被害算定し、東京電力と国に賠償と補償をもとめます。
〇内堀雅雄候補:
事故の責任の所在については、国の責任において更に詳細な調査・検証が重ねられるべきものと考える。また、事故原因究明のためにも、汚染水問題も含めた原発事故の早期完全収束と安全・着実な廃炉を国と東京電力が責任を持って進めていく必要がある。
〇金子芳尚候補:
法的は別にして、責任は間違いなくあると思います。申し入れるべきと考えます(内容を精査して)。
◎熊坂義裕候補:
・原発事故については、国及び東電に法的責任があると考えます。
・原発の再稼働について、県は東電に対し第2原発を含む10基すべての原子炉の廃炉を速やかに確約させるべきです。
・県は県外のすべての原発の再稼働停止を国に対して強く要求すべきです。
・当面、県は隣接県の原発の再稼働を停止すべく、新潟県(柏崎)、宮城県(女川)及び茨城県(東海)の知事に対し再稼働に同意しないよう申し入れるべきです。また、再稼働に必要な同意に関する地元自治体の範囲を立地県のみでなく隣接県にも拡大させるべく原子力安全協定の見直しを、国及び関係の事業者に対して強く求めるべきです。
・また、申立人が認容できるADRの和解案については、これを尊重し誠実に受け入れるよう県としても東電に対して強く要求すべきです。
2.県内全原発10基の廃炉について、どのようにお考えですか?
また、廃炉が必要とお考えの場合、いつまでにやるべきとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
県内10基は廃炉にするべきです。一基あたりの正確な廃炉のロードマップをだして全基の総合的なプランをだす。IAEAでは一基辺り10年という案があるということですがいずれにしても最短の廃炉を目指します。
〇伊関明子候補:
全廃炉。早急に(世界の知恵かりる)。
〇井戸川克隆候補:
即時廃炉にすべきです。
〇内堀雅雄候補:
県内にある原発10基の全基廃炉は明確。県民の総意であることから、当然に廃炉にすべき。
〇金子芳尚候補:
廃炉の工程があると思いますが、できるだけ早くが県民の気持ちと思います。
◎熊坂義裕候補:
1に記したように、県内10基の原子炉はすべて廃炉にすべきです。廃炉の時期については、汚染水対策や地下水の流入防止対策そして燃料がメルトダウンしたデブリの取り出しなど、困難な課題を抱える第1原発の廃炉作業を工程に従って着実に進め、その作業が安全に進められる見込みが立った段階で第2原発の廃炉作業に着手せざるを得ないと考えます。
3.国は、原発再稼働に積極的ですが、県外の原発の再稼働は必要だと考えますか?
〇五十嵐義隆候補:
県外も廃炉を目指すべきです。福島県と同じ被害にあわないためです。
〇伊関明子候補:
全廃炉。危険(断層、型式)の高いのから順次廃炉。
◎井戸川克隆候補:
県外も含め、全原発を再稼働せず廃炉にすべきです。福島の現実を見れば当然です。
〇内堀雅雄候補:
原発再稼働も含め我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。
〇金子芳尚候補:
これだけ酷い経験をした福島県民、地震や火山噴火など災害の多い国土と合わせ、県外の再稼働は止めるよう進言します。
◎熊坂義裕候補:
県外のすべての原発の再稼働は必要なく、1に記したように再稼働に反対です。原発事故後3度の夏の電力需要期を乗り切ってきたのですから、需給的には十分対応可能なことが立証されています。また、再生エネルギーの固定買取に関してこれを中断しようとする電力会社が現れていますが、九州電力の場合、買取認定を受けたメガソーラーなどすべて接続した場合、夏場の電力需要量をすでにオーバーしていることが明らかになっていることからも、送電網容量の増強という問題はありますが、原発がなくても需給的には可能であると考えます。
4.原子力損害賠償紛争審査会の中間指針並びに中間指針追補について、どのようにお考えですか?
また、問題があるとお考えの場合、どこをどのように変えるべきとお思いですか?
〇五十嵐義隆候補:
問題の有無はいまの段階では評価できませんが更なる改善となることを願います。
〇伊関明子候補:
早急に“会計の福島現象(補償、助成金が利益扱いで税金がかかる)”を中止→まちがった経済データが作られている。
◎井戸川克隆候補:
中間指針は不十分です。放射線被害については終期がありません。県が原発被害解消委員会を作り、事故被害を算定し、国と東電に賠償、さらには補償を求めるべきだと考えます。
〇内堀雅雄候補:
原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるべき。また、ADRの和解実例で、多くの被害者に共通する賠償については、原賠審による指針の反映によってしっかりと対応されるべき。
〇金子芳尚候補:
調査、理解する時間を下さい。
◎熊坂義裕候補:
中間指針においては、精神的損害の対象を「正常な日常生活の維持・継続が長期間にわたり著しく(自主的避難者の場合には「相当程度」)阻害されたために生じた精神的苦痛」、すなわち、生活妨害による苦痛のみに限っており、放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛は精神的損害として認めていません。しかし、避難指示区域外も含め追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域では低線量被爆の不安を日々感じながらの生活を余儀なくされており、これを精神的損害として法的に評価しないのは加害者側に立った都合の良い理屈であると言わざるを得ません。放射性物質による不安や恐怖の類の苦痛も精神的損害として認めるよう、中間指針を改正すべきと考えます。
5.チェルノブイリ原発事故の放射能被害の8割を蒙ったベラルーシでは、8年をかけて国全体の正確で克明な放射能汚染地図を作成・公表し、日々の暮らしに役立てているといいます。このような正確な放射能汚染地図を福島でも作るべきだとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
あると良いと思う。私も震災の翌年にチェルノブイリに視察に行ってきましたが福島は更なる基準作りで世界に原発処理の積極的なモデルを作って行けることを願っています。
〇伊関明子候補:
作るべき。
◎井戸川克隆候補:
その通り作るべきです。事故は収束していませんので、県として、どこが危険かわかるように、情報発信検討会議をつくり、正しい情報を示し、県民が正しい判断をできるようにします。
〇内堀雅雄候補:
放射線量等分布マップについては、航空機モニタリングの空間線量率と土壌調査の結果等をもとに、国と協力して作成し公開している。また、空間線量率についてもリアルタイムでモニタリングし、その結果を公開している。県民の皆さんが安心して暮らせるよう、引き続きしっかりとやっていく。
〇金子芳尚候補:
海外の経験や知識を福島でも活かしたいと思います。
◎熊坂義裕候補:
少なくとも、追加被爆線量が年間1ミリシーベルトを超える地域に関しては、県民の安全・安心の確保のために、モニタリングのデータを随時反映させた放射能汚染地域を作成すべきと考えます。
6.放射能に弱い子どもや障害者を救うためには国の金銭的支援・医療費負担が必要ですが、県として制度化に向けて積極的に取り組むべきだとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
大賛成で、取り組むべきです。
〇伊関明子候補:
県民全員(当時県にいた人)対象、医療費無料。
◎井戸川克隆候補:
国はもちろん東電も医療費など負担する責任があります。県民に健康手帳を交付し、無料の健診と医療を行います。子ども・被災者支援法の理念は、県の条例として実現・実施していきます。
〇内堀雅雄候補:
県民の健康を守るために、県民健康調査の実施により、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげるとともに、医師、看護師を始め、医療従事者の確保・養成を図り、県内どこでも十分な医療を受けられる県づくりに取り組む。また、18歳以下の医療費無料化も継続して行う。そのための財源確保を国に求めていく。
〇金子芳尚候補:
それぞれの状況に応じて支援したいと思います。目標は自立です。
◎熊坂義裕候補:
原発事故子ども被災者支援法は、被災者たる子どもが放射線被曝に起因する病気により治療を受けた場合の医療提供に関する施策を国が講じるべきことを規定しています。毎年の予算措置による補助金等の交付という形ではなく、より安定的に財源を確保していくために、医療費の提供を国の責任としてハッキリと明確化するために新たに法制化することを求めていくべきと考えます。
7.日本は地震・台風・火山の多い国ですが、それでも原発は必要だとお考えですか?
〇五十嵐義隆候補:
この東日本大震災で大事故を経験したので同じことを繰り返す可能性は持つべきではないと思います。
〇伊関明子候補:
思わない。近隣国からしたら脅威である。
◎井戸川克隆候補:
原発は日本にも、世界にも必要ありません。福島の現実を見れば明らかです。
〇内堀雅雄候補:
我が国の原発政策については国民的な議論が重要であり、その論点を提示することが原子力災害の被災県としてなすべきこと。二度と同じ事故を繰り返さないことを基本に据え、福島の現状、原発災害とは何かを全国・全世界に発信し続けていく。
〇金子芳尚候補:
必要ない。合わない。
◎熊坂義裕候補:
そもそも地震大国あるいは火山列島である日本に原発を作ること自体が無謀なことであったと思います。日本に原発は必要ありません。全国の原子炉の廃炉、脱原発に向けて舵を切るべきです。
8.東電福島原発事故の直後に国からFAXで届いた「スピーディー」の情報を福島県は住民に公表せず、そのために福島県民を大量被ばくさせたことについて、県のとった判断・行動をどのように思いますか?
〇五十嵐義隆候補:
県にしろ、国にしろ緊急時のリーダーシップについてが問題だと思います。
〇伊関明子候補:
雄平知事の判断は、人としてありえない。
◎井戸川克隆候補:
まったく許されないことです。スピーディーを隠し、被ばくをさけられなかったことを県として検証し、県民に謝罪し、二度とおこらないようにします。
〇内堀雅雄候補:
SPEEDIの情報について適切に公表できなかったのは、当時非常に混乱した状況の中にあったとはいえ、広域自治体である県として、やるべきことをやり尽くせなかったという点でも大きな反省点。震災、原発、避難関連情報は、県民の安全・安心の大前提となる必要不可欠な情報であることから、適切かつ迅速に公開していく。
〇金子芳尚候補:
全く評価しない。県民の生命を守っていない。リーダーシップがない。
◎熊坂義裕候補:
スピーディの情報を入手した時点で直ちに公表されていたならば、多くの県民がむざむざと大量に被爆することはありませんでした。浪江町長さんが県に対して「これは殺人罪ではないか」と強く抗議したのは当然のことと思います。
県民の生命の危機にも関わる、とてつもなく重要で緊急性のある情報を、担当部長の独断で知事、副知事に対して報告もせず消去するなどということは到底あり得ないことです。それにもかかわらず、佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)は「報告は受けていない」と議会の場で何回も平気で白を切り、謝罪の言葉は一言も発しませんでした。その不誠実さには大変驚き呆れるばかりです。
佐藤雄平知事及び内堀雅雄副知事(当時)には、「何があっても県民の生命を守り抜くのだ」という使命感と県民に寄り添うという謙虚さや誠実さに元々欠けていると思わざるを得ません。
県民の生命の危機に関わる情報は、仮にそれが結果的に空振りであったとしても、パニックの招来をおそれずに直ちに公表し、県民の安全を少しでも確保するという選択をすべきであったと考えます。
9. 「生業(なりわい)訴訟」を支援したいとお考えですか?
また、裁判を傍聴したいとお考えになりますか?
〇五十嵐義隆候補:
一度は裁判の傍聴をしてみたいです。そして、どうお手伝いできるかしっかりと考えたいです。どのようなかたちであれ、同じ福島の同郷のためにはみなさんの生活が再建されて行くために可能な限り多面的に支援ができればと思います。
〇伊関明子候補:
はい。
◎井戸川克隆候補:
原告、ご家族のみなさんにご苦労かけてすまない気持ちでいっぱいです。
傍聴含めできる限りの協力、支援をおしみません。
〇内堀雅雄候補:
原賠審が示す賠償指針は必要最低限のものであり、個々人の事情に配慮しながら、十分・迅速・確実な賠償がなされるよう取り組んでいく。
〇金子芳尚候補:
理解するまで検討させて下さい。共感はしております。
◎熊坂義裕候補:
私は今回の選挙に際し「よみがえれ福島」を大きな目標にして運動を展開しています。原告団の皆様が求めている「原状の回復(もとの地域に戻せ)」との主張とは相通ずるものが少なからずあるように思います。
行政として個々の訴訟に関わることは困難かも知れませんが、個人的な心情としては支援させていただきたい気持ちです。どうぞご理解ください。
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