【日刊ゲンダイweb転載 】及び私見
《「政府は嘘を言っている」小泉元首相が福島で吠えた深謀遠慮》
2015年3月12日
あれから4年。震災による原発事故が起きたまさに“その地”で、小泉純一郎元首相が吠えた。
11日、福島県喜多方市で講演。原発再稼働に突き進む安倍政権を、「嘘つき」「呆れた」と一刀両断にしながら、再生可能エネルギー拡大で原発ゼロ社会の実現を目指そうと呼びかけた。
約50分間の講演では言いたい放題。「政治が原発ゼロにかじを切るべき」と、安倍首相に決断を迫りながら、「安全で夢のある原発ゼロ社会を実現しよう」と畳み掛けた。
「総理在任中は、推進派の<原発は安全で安くてクリーン>という説明を真に受けてしまったが、本を読んだり、専門家に聞くと、すべて嘘と分かった。今でも政府はよく嘘を言っていると思う。嘘が分かっても、頬かむりをして寝ていればいいのか」
■「汚染水は全然コントロールされていない」
再稼働の動きについても、原子力規制委の委員長が「(川内原発は)新しい審査基準に合格したが、安全とは言えない」と話していることを紹介した上で、「政府は<原発は安全><日本の安全審査基準は世界で一番厳しい>と言いだしている」「アメリカやフランスなどに比べて、どこが厳しいのか説明していない」と批判した。
「世界の人は皆<日本の原発は一番テロに弱い>と言っている。原発テロが日本で起きたら、福島どころでは済まない」
「<汚染水はコントロールされている>と、誰か(安倍首相)が言っていたが、全然、コントロールされていない。よくもあんなマヤカシが言えるな、と」
「政治が原発ゼロにかじを切れば、必ず自然エネルギーで経済成長ができる国になる。夢のある壮大な事業だけれども、原発ゼロの社会は今より必ずいい社会になる。政治が決めればできる」
“脱原発”を言い続けている小泉元首相だが、政治的な動きからは距離を置いてきた。しかし、今回、3・11当日に福島へ行った。新たな決意でもあるのか――。深読みしたくなるところである。
(取材協力=横田一)
===============================
私見
「郵政民営化」をはじめ新自由主義路線で、政治を溶解させた責任者のひとりでもある小泉純一郎氏に、私はそれほど信頼はしていない。しかし、しかしなのだ。安部晋三氏は、小泉純一郎氏よりもはるかに劣る政治家である。しかも、老練な策略を弄して、国民をどんどん追い込んでいる。ドイツのメルケル首相など諸外国の要人は、日本のいまの事態を統制されたマスコミ下の日本国民よりもはるかに熟知している。
安倍総理に比べれば、福島で小泉元総理が話したことは、はるかに政治家として人間としてまともである。あの小泉氏が今まともに見えるのは、どれほど日本の国政が泥沼に沈みつつあるか、危機感と失意と言葉を発することのむなしさと抗いながら、こうして書いている。まもなく私は政治に沈黙し、専攻領域の世界に閉じこもるようになるかも知れない。しかし、闘い続けている人々がいる限りは、私もともに闘い自由への闘争を持続しよう。福島の被害者はどれくらい酷い目に遭わされているか、少しでも想像力があれば、わかる。わかる、ということは沈黙することではなく、それは闘う気概を堅持するということでもあろう。
《「政府は嘘を言っている」小泉元首相が福島で吠えた深謀遠慮》
2015年3月12日
あれから4年。震災による原発事故が起きたまさに“その地”で、小泉純一郎元首相が吠えた。
11日、福島県喜多方市で講演。原発再稼働に突き進む安倍政権を、「嘘つき」「呆れた」と一刀両断にしながら、再生可能エネルギー拡大で原発ゼロ社会の実現を目指そうと呼びかけた。
約50分間の講演では言いたい放題。「政治が原発ゼロにかじを切るべき」と、安倍首相に決断を迫りながら、「安全で夢のある原発ゼロ社会を実現しよう」と畳み掛けた。
「総理在任中は、推進派の<原発は安全で安くてクリーン>という説明を真に受けてしまったが、本を読んだり、専門家に聞くと、すべて嘘と分かった。今でも政府はよく嘘を言っていると思う。嘘が分かっても、頬かむりをして寝ていればいいのか」
■「汚染水は全然コントロールされていない」
再稼働の動きについても、原子力規制委の委員長が「(川内原発は)新しい審査基準に合格したが、安全とは言えない」と話していることを紹介した上で、「政府は<原発は安全><日本の安全審査基準は世界で一番厳しい>と言いだしている」「アメリカやフランスなどに比べて、どこが厳しいのか説明していない」と批判した。
「世界の人は皆<日本の原発は一番テロに弱い>と言っている。原発テロが日本で起きたら、福島どころでは済まない」
「<汚染水はコントロールされている>と、誰か(安倍首相)が言っていたが、全然、コントロールされていない。よくもあんなマヤカシが言えるな、と」
「政治が原発ゼロにかじを切れば、必ず自然エネルギーで経済成長ができる国になる。夢のある壮大な事業だけれども、原発ゼロの社会は今より必ずいい社会になる。政治が決めればできる」
“脱原発”を言い続けている小泉元首相だが、政治的な動きからは距離を置いてきた。しかし、今回、3・11当日に福島へ行った。新たな決意でもあるのか――。深読みしたくなるところである。
(取材協力=横田一)
===============================
私見
「郵政民営化」をはじめ新自由主義路線で、政治を溶解させた責任者のひとりでもある小泉純一郎氏に、私はそれほど信頼はしていない。しかし、しかしなのだ。安部晋三氏は、小泉純一郎氏よりもはるかに劣る政治家である。しかも、老練な策略を弄して、国民をどんどん追い込んでいる。ドイツのメルケル首相など諸外国の要人は、日本のいまの事態を統制されたマスコミ下の日本国民よりもはるかに熟知している。
安倍総理に比べれば、福島で小泉元総理が話したことは、はるかに政治家として人間としてまともである。あの小泉氏が今まともに見えるのは、どれほど日本の国政が泥沼に沈みつつあるか、危機感と失意と言葉を発することのむなしさと抗いながら、こうして書いている。まもなく私は政治に沈黙し、専攻領域の世界に閉じこもるようになるかも知れない。しかし、闘い続けている人々がいる限りは、私もともに闘い自由への闘争を持続しよう。福島の被害者はどれくらい酷い目に遭わされているか、少しでも想像力があれば、わかる。わかる、ということは沈黙することではなく、それは闘う気概を堅持するということでもあろう。