【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

TBSのぎりぎりの決断と岸井成格氏の今後も期待する

2016-01-16 23:25:07 | 政治・文化・社会評論
TBSのぎりぎりの決断と岸井成格氏の今後も期待する
      櫻井智志

 TBSは1月15日に、「NEWS23」の岸井成格アンカーの降板を明らかにした。ただTBSがテレビ朝日と異なるのは、岸井氏をTBSの「スペシャル・コメンテーター」として契約を結び、「NEWS23」や他の時間帯のニュース番組、選挙特番、「サンデーモーニング」らに引き続き出演するこしたことだ。
 政府からの介入と放送への抑圧に抗して、ぎりぎりの抵抗を見せてそれなりのバランスを選択したTBS首脳部のそれなりの「知恵」に、放送界でリベラル派を示す同局の見識を示した。

 TBSの藤原康延広報部長は、「意見広告の掲載前から話を進めていた。政治的圧力も一切ない」(東京新聞1月16日朝刊転載)と話した。

 一方岸井さんは、「報道の第一線で発信を続けていくことになった。その責任・使命の重さを自覚し、決意を新たにしている」とコメントを出している。TBSは、同じ番組で産休中の膳場貴子さんに対する処遇をきちんとおこなってほしい。今までの報道では、自ら辞表を出したとTBSは発表したが、膳場さんご自身はそのような辞表を出していないことを明確に公にしている。この辺のちぐはぐは、マタニティハラスメントに及ぶ重要問題であり、ハラスメントを告発する報道機関の内部でちぐはぐな対応をすべきでない。一部に厚遇の給料ということをあげるマスコミもあるが、膳場さんクラスの一流の女性キャスターは、NHKのフリーランス・アナウンサー国谷裕子さんくらいしかいない。

 ともかくも、TBSは古館伊知郎さんを降板させたテレビ朝日、「クローズアップ現代」から国谷裕子さんを降板させようとしているNHKと比べると、報道への権力介入の前でぎりぎりの深謀配慮を見せて、岸井成格氏の勇気ある番組中の良識をそれなりになんとか守りたいという「勇気」が感じられる。

安倍総理とヒットラーを媒介させかねない「緊急事態条項」の危険

2016-01-16 17:52:46 | 転載と私見
 全くヒットラーと同じ政治手法で安倍政権は、国民に災いをもたらそうとしている。「緊急事態条項」。ヒットラーが議会を通じて権力者として政権を奪取して、独裁政治をしいたことで、世界史上悪名轟くナチズム。それと同等の手段で日本から議会制民主主義を根こそぎ奪いさり、「21世紀版大政翼賛会」を復活させる目論見を安倍政権は、進めている。   
  
                                     櫻井 智志




【孫崎享のつぶやき】

《深刻な危険。また騙し。災害口実に憲法で「政令―首相意向―は法律と同じ。国民守る義務、独裁体制を容認する緊急事態条項を入れようとしている。自民党憲法草案を見れば意図は明白。》
2016-01-16 06:474
 
憲法改正で、自民党の緊急事態条項を入れる動きが加速している。
 11月11日の参院予算委員会で、憲法改正による緊急事態条項の創設について「国民の安全を守るため、国家、国民がどのような役割を果たしていくべきかを憲法に位置づけることは極めて重く、大切な課題だ」と述べ、重視する考えを示した。
「1月15日2015年度補正予算案を審議する参院予算委員会で、憲法改正を巡っては、「大規模災害時に国民の安全を守るため、国家、国民自らがどのような役割を果たすべきかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、大規模災害を想定した「緊急事態条項」について議論する考えを示した。自民党の片山さつき氏への答弁。」(毎日新聞)
 多くの国民は、災害などに対応する緊急事態について憲法に条項を入れるのは自然ではないかと思う。
 非常事態は何も災害だけではない。我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害等
 重要なのは何を決定するかである。
 それは首相に独裁的権限を与えようとするものである。
 その点は自民党の憲法草案を見れば、明白である。
 自民党の憲法草案、
第98条(緊急事態の宣言)
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害等で閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
第99条(緊急事態の宣言の効果)
1 緊急事態の宣言が発せられたときは、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、国その他公の機関の指示に従わなければならない。
4:緊急事態の宣言が発せられた場合においては、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとする。
 これをみていただければいいように、「緊急事態の宣言」をし、「政令」を出せば、国民は守らなければならない。そして国会の解散はない者とする。独裁体制そのものだ。