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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

野党共闘を止めている「戦犯」は安倍総理ではなく「この男」

2016-01-28 21:45:23 | 政治・文化・社会評論
野党共闘を止めている「戦犯」は安倍総理ではなく「この男」
                  櫻井 智志
               
「日刊ゲンダイ」が知らせる黒幕と危険水域近づく。
余分なことは省く。転載記事をどうぞご拝読ください。




進まぬ野党共闘…“黒幕”は共産党嫌いの「連合」神津会長
2016年1月27日



連合の神津会長(左)と市民連合(C)日刊ゲンダイ
 7月の参院選の“前哨戦”とされた沖縄・宜野湾市、東京・八王子市の両市長選で、安倍政権との対決姿勢を鮮明にしていた候補が敗れた。考えたくはないが、このまま他の首長選や、4月の衆院北海道5区の補欠選でも自公が勝ったら最悪だ。参院選前に「勝負アリ」となる可能性が高まるからだ。一刻も早く「野党共闘」を急ぐべきだが、遅々として進まないのはなぜか。民主党のテイタラクは言うまでもないが、支持団体「連合」(日本労働組合総連合会)が足を引っ張っているのも原因だろう。

■民主・前原元代表も難色…

「野党がバラバラでは、巨大与党である安倍政権に太刀打ちできない」――。民主党の前原誠司元代表と、生活の党の小沢一郎共同代表は24日夜、都内で会談。参院選に向け、野党勢力の結集が不可欠との認識で一致した。このままトントン拍子で進めばいいが、この期に及んでも「共産党」と手を組むことについて、前原元代表が難色を示した、というからどうしようもない。

「前原元代表ら民主党内の保守系議員が共産党アレルギーを持っているのは周知の通りですが、かたくなに共闘を拒んでいる理由として連合の動きがあると指摘されています。連合の神津里季生会長は新年の交歓会で『共産党は目指す世界、目指す国家体系が異なる。同じ受け皿には成り得ない』とあいさつしました。支持団体のトップが断固拒否なのに、民主党も『共産党と手を組む』とは宣言はできないでしょう」(野党関係者)

 これじゃあ、いくら時間が経っても野党共闘は期待できない。八王子市長選なんて、共闘どころか、自公推薦の与党に民主党が相乗りした。敗れた政治学者の五十嵐仁氏もブログで選挙戦をこう振り返っている。

〈自民党市議の後援会、創価学会や町内会、労働組合の連合などの力が、そのまま石森さん(現職)の得票になって現れています〉


 八王子市は、安倍首相の側近である萩生田官房副長官の地元。そんな敵の“本丸”で連合は自公候補を支援したのだ。

 新日鉄出身の神津会長はなぜ、共産党を嫌うのか。「カギ」は90年から3年間、タイの日本大使館に「労組外交官」で派遣されたこと。当時のタイ大使は「安倍外交の師」と呼ばれた故・岡崎久彦氏。「強固な日米同盟がアジアでの日本の発言力を高める」と主張し、集団的自衛権の行使容認に向けて設置された懇談会のメンバーだ。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は「岡崎氏は外務省内でも日米安保の旗頭だった人物。自分の考えをストレートに伝える強烈な性格で、神津氏の思想にも影響を与えた面は否めません」とみる。もともと「労組外交官」は日米安保賛成者から派遣されたらしいから、保守色にどっぷり染まっても不思議じゃない。つまり、今の連合幹部の考え方は安倍政権と同じではないか、と疑いたくなる。政治評論家の森田実氏はこう言う。

「いずれにしても、このままだと野党共闘はうまくいかず、相手を利するだけ。とはいえ、連合を見限ればそれまで。連合内部にも執行部の方針に批判的な意見は多数あり、そういった意見を少しずつ掘り起こし、民主党や他党がどう連携していくか。それに尽きるでしょう」

 まさに正念場だ。

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補論
 きょう夕方、甘利大臣が辞任した。あれほど強気一辺倒の安倍総理もついに、強引さをおしきれなかった。国民の動きは、一段階レベルアップする。連合も民主党も、市民団体や社民党、共産党の国民的運動の盛り上がりについてきた。民主党はまだしも、連合は財界とペアになって繋がっている。民主党にはそれほどの土壇場の底力は、ない。民主党を待っているよりも、相次ぐアイディアと運動を作り出している全国的な市民団体と共闘を進めれば、ぎりぎり参院選までに間に合う、かもしれない。

東京新聞に見る午前と夕方との劇的変化:転載と見解 ~ついに甘利経済再生相辞任へ~

2016-01-28 21:23:13 | 政治・文化・社会評論
東京新聞に見る午前と夕方との劇的変化:転載と見解
~ついに甘利経済再生相辞任へ~
               櫻井 智志


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甘利経済再生相が辞任 100万円受領認める

2016年1月28日 20時07分


 甘利明経済再生担当相(衆院神奈川13区)は28日、内閣府で記者会見し週刊誌が報じた金銭授受疑惑をめぐり建設会社側から大臣室などで現金計100万円を受け取ったと認めた上で、閣僚を辞任すると表明した。現金は政治資金として秘書に適切に処理するよう指示したと説明。だが国政への影響などを考慮し辞任を決めたと述べた。政権運営に打撃を与えるのは必至だ。安倍晋三首相は後任に石原伸晃元環境相を充てる意向を固めた。野党は首相の任命責任を追及する。
 閣僚辞任は昨年2月の西川公也農相(当時)以来で、同年10月発足の第3次安倍改造内閣で初。
(共同)

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甘利氏、違法性否定へ 首相続投表明、野党が追及

2016年1月28日 朝刊


 安倍晋三首相は二十七日の参院本会議で、金銭授受疑惑を報じられた甘利明経済再生担当相に関し「経済再生、環太平洋連携協定(TPP)などの重要な職務に引き続きまい進してほしい」と述べ、当面は続投させる考えを明言した。甘利氏は二十八日に記者会見し、自身の疑惑について説明する。政府高官は二十七日夜、甘利氏が会見で自らの違法な金銭授受はなかったと否定すると明らかにした。
 甘利氏は自らの口利きもなかったと否定する見通し。秘書の疑惑については弁護士ら第三者を交えた調査の終了後に説明する方針。時期は決まっていない。
 甘利氏は同日の衆院本会議で「国民に疑惑を持たれないよう、しっかりと説明責任を果たしていく」と述べた。
 首相が甘利氏の続投を表明したのを受けて、野党側は予算委員会などで追及する方針。維新の党の石関貴史国対委員長は記者会見で「順序が違う。説明をないがしろにし、最初から甘利氏をかばう姿勢ありきだ」と非難した。
 衆院予算委員会は二十七日、二十九日の委員会で二〇一六年度予算案の趣旨説明のみを行い、本格審議入りは来週二月一日以降に先送りすることで合意した。与党側は二十八日に趣旨説明を行い、二十九日から基本的質疑に入る日程を提案していたが、甘利氏が二十八日に調査結果を公表したあと、質問を準備する時間が必要だと野党側が主張し、審議日程がずれ込んだ。
 これに先立ち、二十七日の衆院議院運営委員会理事会で、萩生田光一官房副長官は甘利氏がTPP署名式出席のため二月二日夜~五日早朝にニュージーランドを訪問する日程を報告し、了承を求めた。民主、共産両党は「甘利氏は説明責任を果たしていない」と反対し、結論は先送りされた。

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私見

  孫崎享さんは今朝のメルマガで以下のように述べている。
《孫崎享のつぶやき》
甘利氏は28日説明予定。ここで自分の関与を否定するらしいという。そんなこと出来るか。1月28日号週刊文春の関連部分の一部(転載)
2016-01-27 18:013


1月28日号週刊文春の一部関連部分を下記に転載する。

 明日の甘利氏説明の際、これらをどのように説明するかが注目される。
 さらに、自分の事務所の人間が関与している事を、関係ないと言えるのか。

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・2013年頃URとS社の間で補償の話が持ち上がった。交渉が難航するばかり。それで一色氏が頼ったのが甘利事務所だった。

・2013年5月9日一色氏が甘利氏の大和事務所を訪問し相談。

・清島秘書(大和事務所所長)はベテラン秘書の宮下氏をUR本社に出向かせた(多分、この時とみられる写真掲載)

・S社は8月URから補償金を受理、2億3千万円。

・一色氏は大和事務所を訪れ、現金500万円を手交。領収書。

・11月14日一色氏とS社社長は議員会館を訪問。その後大臣室へ。

・うちの社長が桐の箱に入った羊羹と一緒に紙袋の中に、封筒に入れた現金50万円を添えて『これはお礼です』と言って、甘利大臣に手交。紙袋を受け取ると清島所長が大臣に何か耳打ちしていました。すると甘利氏は『ああ』と言って50万円の入った封筒を取り出し、スーツの内ポケットにしまったのです。

・S社とUR間で新たなトラブルが発生。ここでも一色氏が頼ったのは甘利事務所だった。

 10時半を過ぎたころ大臣が現れ、挨拶をすませると、所長が『この資料を見てください』と言って、私のファイルを大臣に手交した。真剣に目をとおしていただいき、『これはどういうこと?』といくつかの質問もされました。大臣は『一色さん。ちゃんとやっているんだね。わかりました』と言い、所長に『これ【資料】東京の河野君に預けなさい』と指示しました。

 そして所長が『一色さん、例のものを』と小声で言うので、私は現金50万円が入った封筒を大臣に差し出しました。
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 週刊文春のスクープが大きなきっかけとなっている。しかし、福島原発以後の国民的な反原発と護憲、反安保法制、立憲主義の波状的国民闘争がなければ、ここまでは至らなかったろう。
 宜野湾市長選の選挙結果は、まだまだ峰は高いことを示した。それでも国民的な政治への憤りは、それが持続的に続くなかで、政界激震をも生むことを切実に感じた。