【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

戦う韓国国民の啓示するもの

2016-11-04 12:01:19 | 政治・文化・社会評論
戦う韓国国民の啓示するもの

      櫻井 智志

 朴大統領の支持率は5%。
朴大統領の談話演説を聴いた。私には談話がきちんと心に届いた。先月29日の大統領退陣デモは、日本の反原発デモと似ている。市民が子どもからおとなまでまさに全国民的規模だ。

 しかし、韓国では民意が政治に反映されていくだろう。日本の与党政治家は、国民には見えないところで巨大な利権政治が展開されているだろうと想像がつく。また日本では国民の民意は、国政に実現されることなく、総理の国会答弁はあまりに拙劣で稚拙きわまりない詭弁と虚言にうめられている。

 韓国は、一見日本よりも遅れた政治と見られている。実は逆だ。韓国国民は民主化運動の歴史をもっている。私はDVDで『光州5.19』を見て感激した。在日ロックミュージシャン・俳優の白竜が歌った『光州シティ』もそうだ。韓国全土に民主化の風が吹き荒れて、先進的な闘いを見せていた光州市は民主化勢力が、軍事独裁からの脱却した政治を行っていた。全斗煥率いる軍部は、猛然と軍事兵器を動員して、光州市民虐殺をおこなった。光州市民は多くが虐殺された。全斗煥は軍人大統領となる。しかし韓国民主主義はその後も民主化闘争を続け、金大中政権を樹立。市民革命をついになしえた。

 しかるに、日本政府はなんたることか。民主党が政権をとった最初の鳩山由起夫首相のみである。鳩山政権は、社会民主主義路線を目指した。湯浅誠、宮本太郎、・・・・・そうそうたる理論家が支えた。日本マスコミの政権転覆報道は、自民党や野田佳彦ら党内右翼と連携して鳩山政権を交代させることに成功した。その後の政権はしだいに後退して野田首相によって完璧な自民党政治に復旧するルートをひらいてしまった。念をおすが、野田佳彦は民主党「自民派」であり、自民党隠れ「野田派」に過ぎず、それに睥睨する蓮舫は、テレビ・キャスターの一時期もあった。だが、最近私も偶然目にしたがヌード写真も出した、テレビタレントの時期が長かった。ヌード写真を陣営は必死に隠匿しているという。だがそのようなテレビタレントの時代があっても、研鑽して第一野党の代表となったことは本人の努力の賜だろう。蓮舫氏が野田佳彦の使いパシリを脱して、政治家を志した初心にたちかえってリスタートできれば、可能性はひらける。

 民主党から自民党に政権が戻ってからの安倍政権は、あまりに酷すぎる政治だ。日本にはヒットラータイプの政治家は出ないと思い込んでいた私は、安倍独裁政治には呆然としている。あまりに民主主義政治と隔絶している。韓国国民のように、日本国民も民主主義を体現して起ち上がった。国民の民主化闘争を間接的に受け入れる韓国政界と、国民の民主化闘争を黙殺と沖縄の山城さん拉致のような弾圧とを使いわける安倍政権。

 戦う韓国国民に、連帯して、朴大統領を嘲笑するよりも、自国の安倍政権を打倒しよう。その主体は、野党共闘ではない。すでに民進党執行部は離反している。「市民連合」など市民運動と連携できる野党連合でよいではないか。新潟知事選では、共産・社民・自由三党と市民連合の連帯が勝ち取った。ふたつの衆院補選では、他の野党も封じ込めて民進党一党で闘い惨敗した。しかし、野田佳彦のおそろしいところは、このような惨敗は野田氏の本来とする姿だ。野田佳彦とは、民進党にいても隠れ自民党魂であることを見逃してはならない。

 政治情勢、国際情勢は流動的である。朴大統領退陣を求める韓国国民と連帯して、反「壊憲安倍政権」を打倒しよう。韓国国民の民主化市民革命の情熱にまなび不屈のレジスタンスを堅持しつづけよう。