【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

『社会歳時記2018・12・15』~【TBS報道特集】にまなぶこと~ 櫻井智志

2018-12-15 19:38:25 | 政治・文化・社会評論
Ⅰ:
菅官房長官も安倍首相も、拉致問題早期解決と呼号する。だが、現実として小泉政権のあとに「長期政権を誇る」安倍政権は、拉致家族にとっては何の効果も示されない無為徒労の長期期間を延ばしている。安倍首相にとり「外交」は誰のために何を行おうと考えているのだろうか。驚くような栄華のかぎり、だが一般的に存在はいつか終焉へむかう。

Ⅱ:
地球的規模の温暖化による環境破壊に国際社会が立ち上がった。だが、安倍政権はここ毎回反対に回っている。辺野古の海に是が非でもと大量土砂を投入する。
翁長樹子さんは言う。「政府は沖縄県民の顔を見ていない、見えない」。私は毅然とした翁長樹子さんの発言を聴いていて、『夕鶴』のおつうがカネに夢中の与ひょうに嘆いた場面を連想した。

「辺野古の新基地 沖縄だけの問題か」。成田空港建設、三里塚では農民の闘いに国家は「強制収容代執行」を何度も繰り返した。圧倒的物量に、空港反対闘争は敗れた。三里塚闘争の闘われ方に、当時私は疑問をもっていたが、公権力VS民衆という図式から言えば、似た要素はある。
辺野古のような事態に、国民は沖縄のように一致して何度も闘い続けるだろうか。剥き出しの権力行使が高江でも辺野古でも行われ、本土の機動隊の沖縄県民への侮蔑と差別にあふれた暴言も伝えられた。
亡くなられた翁長雄志元県知事は、意見を異にすることがあっても同じ沖縄県民同士なら必ずわかりあえるから、相手を責めてはいけない、と常づね語っていた。沖縄県民を私は尊敬する。

Ⅲ:
「ヤングケアラー」という言葉も私は知らなかった。軽々しく言えないが番組中で「埋もれているひとはもっといる」という指摘にはっとした。報道されないが、このような世の中の問題でひとつひとつ苦しみ取り組み生き抜いている姿が、「知らない世界」でたくさんある。日常の課題は見慣れているようで何も見ていない山脈のようだ。。