【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

2018・12・22報道と考察      櫻井智志

2018-12-22 19:07:56 | 政治・文化・社会評論



ゴーン氏への容疑と捜査の納得いく在り方は、別次元。東京地検特捜部のやり方には、あまりに性急で青木理氏は12月21日東京新聞インタビューで「ここまでやるか・・・」と絶句した。国内での強権を海外へも大きな影響がある事案で強行することは、日本社会の暗部をさらす。


今上天皇が少年期に、すぐれた人柄のアメリカ人女性に「自ら考え行動する」ことを学ばれたこと。日本の民主社会建設に貴重な意味をもつと感じた。天皇ご夫妻、天皇家ご家族の広い視野で穏やかに国家に臨む姿は、戦前の天皇制国家体制とは異なる。秋篠宮の大嘗祭へのご発言も見識を感じた。

天皇家を取り巻く宮内庁と報道界が前進しなければ、戦前の天皇制軍国主義は克服されない。明治維新後に整備された天皇制は、明治以前の天皇の存在とは異質で、大正天皇のリベラルな思索と発言さえ周囲の官僚によっておさえられ、天皇制が続行された。



大槌町役場のドキュメントは、あの大災害が照らし出した課題を改めて喚起してくれた。激しい揺れと大津波。日常性を断絶させた災害は、多くの悲しみと苦難を残した。同時に災害後に冷静に向き合い社会再建のプログラムにも、役場職員遺族の言い尽くせぬ無念さ悲しみをきちんと踏まえたプランであるべきだ。

*今回で「TBS報道特集」をめぐる定期的執筆を終えます。番組関係者に大変お世話になったことを感謝し、ご迷惑をおかけしたことをお詫びもうしあげます。