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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【永岡浩一さんからの通信】 2021年10月22日 午後 2:43

2021-10-23 14:33:15 | 転載
西谷文和 路上のラジオ(2021/10/22更新) 上西充子 呪いの言葉はアベスガ政権が自らを維持するためにでっち上げたデタラメ、テレビを越えて呪いを説け、夫婦別姓、奨学金など、選挙で有権者はインケツ政治家を選手交代させられる、1%でも高い投票率が日本を破綻から救うことを語る



 永岡です、フリージャーナリスト、西谷文和さんの路上のラジオ第70回、ゲストは法政大学の上西充子さんでした。ポイントだけ書きおこしします(https://www.radiostreet.net/radio/946/ )。上西さん、オンライン出演でした。聞くだけのつもりでしたがある程度書きおこしできました。

 上西さん、自民総裁選で岸田氏、安倍氏と異なり人間の言葉がわかるのに感心(笑)されて、しかし岸田氏、安倍氏のロボットではあり、ご飯論法は、安倍政権時の加藤厚労大臣に対してもはぐらかしを指摘されて、そして岸田氏、総裁選で格差を何とかする、金融課税などいい総理になり全部反故、まず分配があるべき、枝野氏の発言が正解なのに、成長から分配はアベノミクスと同じ、高市氏ら、安倍氏の勢力に押し上げられて総理になり、それで安倍氏に忖度、安倍氏に借りを作り、安倍氏のロボット。
 国会でわずかに代表質問があり、予算委員会はなかったが、枝野氏、辻元氏の発言は正解、辻元氏、赤木雅子さんの手紙を読み上げて、甘利氏の賄賂問題を自分の経験から、自民の求めで国会に出て、しかし甘利氏はもっとひどい、パンツ高木、ドリル小渕とスキャンダル内閣、安倍氏の公文書改竄を、安倍氏のために問わず、総裁選はイメージ戦略、テレビで自民のPR、ボロの出ないうちに総選挙であり、自民のデタラメを国会で追及してから選挙でないといけない。総裁選の電波ジャックもせこいと西谷さん怒られて、上西さん、印象操作は大問題。
 選挙は、投票率が上がらないとダメで、しかし野党は頑張っているのにテレビで叩かれて、上西さんもどこがだらしないかテレビはちゃんと言わず、2017年の分裂などあったが、国会論戦で野党は提案して、しかしアベスガは聞く耳なし、アベスガのデタラメをテレビは不問にして、野党はだらしないとテレビで自民のPR。
 上西さん、呪いの言葉、野党はだらしない、反対ばかり、いつまでもモリカケばかりと、自民とテレビ(電通)の印象操作であり、野党は頑張っているのに、国民の目をふさぐのが呪いの言葉であり、野党も協力しているというと呪いを説くことになり、野党は反対ばかりetcのやり口を否定すべき。共謀罪など危険で反対して当然、森友は安倍氏の方が悪い、長引かせているのは安倍氏、自民なのに、テレビ、メディアの印象操作、与党に責任があり、なかったことにしたら民主主義破綻。
 アベスガ9年のデタラメ、上西さんは国会パブリックビューイングをされて、2018年の働き方改悪、野党はこれで過労死が増えると批判しているのに、テレビは報じず、安倍氏は別のもので目をそらす悪辣さであり、そういう問題は、国会をちゃんと見たらわかるもので、安倍氏らの不誠実さは国会をちゃんと見ないとわからず、何も知らないと労働者のためにいいことだと庶民は思い、しかしテレビは安倍自民の宣伝機関、日経、読売を読んでいても本当のことはわからず、2018年の6月に新橋のSL広場で、国会審議を編集せず見せて、それを庶民が見るとテレビは、安倍氏は嘘を言っていると、茶番というものは、市民を国会から遠ざけるもの、呪いの言葉、いつまで不誠実をテレビは、安倍氏は続けているか。安倍氏、答弁書の丸読みなのに、テレビだと安倍氏はよくやっているとなる。
 国会パブリックビューイングはバッシングなし、ネトウヨは叩かない、ネット空間は匿名であり、実社会ではDappiもいない(笑)。文句をつけたものもネットのような陰湿なものはなく、庶民は80分見てくれて、統計不正を暴いて拍手、そして小川淳也さんを応援することになり、テレビだけ見ていたら政権にコントロールされて、政権のコントロールのない空間で何とかやってみて成功した。

 そして、岸田内閣は安倍氏のロボット、岸田氏の答弁は、何か言っているようで中身なし、ご指摘の課題に政府で取り組む=永田町言葉、何も言っておらず、官僚の逃げ、14日の記者会見で、記者の安積さんが子供の貧困について質問しても、岸田氏、命の電話などボランティアが苦労して大変、岸田氏はそれを拡充するか、児童相談所も人が足りず、人員増強など岸田氏していない、表面的な、何もする気なし。
 さらに、岸田氏、成長と分配、14日の記者会見でNHK記者に対して、競争でやるが、世界は競争だけではないと岸田氏いい、これはいいものの、しかしアベスガ政権のやってきたことはそれと真逆、安倍氏は官製の賃上げはしていて、岸田氏は過去を改竄、これまでアベスガ政権は市場に任せていたものなのに、適当な言葉で国民をだまし、きちんと文字起こししたものを見たら岸田氏はだましているのがわかる。
 アベスガ政権でもほんの少し配慮して、それを針小棒大に岸田氏、テレビは過去を変えて見せている、トンデモ。西谷さん、しかしそういう分析を大半の国民は知らず、選挙だと危惧されて、上西さん、選挙の争点は、賃金が実質下がり、一人一人の暮らしが大変で、安心して暮らせる社会、自民は作れない。菅氏はまず自助と言って弱者切り捨て、これを岸田氏、変えようとしていない。
 そして、コロナで失業者激増、労働者は大変、非正規を正規にしないとダメ、労働政策は立憲、ちゃんとした政策を出して、そこを重視できるか、さらに、夫婦別姓は岸田氏実質否定だが、女性の人権問題、生き方の問題、もちろん男性の人権問題なのに、自民党は家制度を維持したい=天皇制と徴兵制を維持したい。
 西谷さん、岸田氏、高市氏に乗っ取られて宏池会ではない、広島出身で核廃絶NO(育ったのは東京だが)、そして投票率を上げるために何がいるかと問われて、上西さん、一票では変わらないは呪いの言葉、一票を積み上げて選挙、野党共闘もあり、そこに答えたい。さらに政権が変わらなくても、与野党の勢力が均衡してきたらアベスガみたいなことはできず、検察庁法、入管法改悪阻止もツイッターで成功、市民が頑張り、野党と協力して、市民はデタラメインケツ政権を何とかする義務がある。
 上西さんは法政大学で教えられて、学生さんの反応は、やはり野党は反対ばかりであり、自分が関わっても変わらないという志向だが、上西さんも若い頃そういう傾向はあり、多くの人は子供を持ち政治に関心、若い人の関心を、奨学金、気候変動、夫婦別姓で、何か一つ関心を持てば何かできると、投票率は上がる。学費は年100万、奨学金はサラ金よりひどいのに、学生さんは、奨学金なしで大学に入れず、サラ金地獄、せめて無利子の奨学金にするなど政治を変えて何とかできて、「投票で生活をよくできると見える形にすべき」、それをていねいにやるしかない。若い人は関心を持たないから啓発しないのはダメ。
 アメリカだとサンダース氏を支持しているのは若者、奨学金チャラ、自分のしんどい状況は政治のため、日本は最低賃金も低く、それらは政治によりかえられる。上西さんは労働問題をされて、アベスガの9年の暗黒、これを抜けるのは選挙、竹中氏のためにアベスガは奉仕、公務員を減らす、非正規にする、それを政治を変えて正規にするだけでも良質な雇用は増えて、看護師はもっとちゃんと配慮すべき。民間の保育所、住宅政策、失業者に配慮する、労働者をもっと楽にする、今だと劣悪な仕事でもしがみつかないと生きられず、住宅は、住まいは権利、国が国民に保証すべきものを、マンション業者のために労働者は切り捨てられて、ネットカフェ難民など、それら、岸田氏も成長なくして分配なしは菅氏の自助と同じ。何もしないのに言葉で粉飾が岸田氏の実体、それを見て、ちゃんと選挙で判断すべき。
 西谷さん、肩ひじ張らず、労働、福島原発、沖縄辺野古を大学でディスカッションすべきと説かれて、上西さん、政治的な発言は叩かれるが、それはダメ、国会のことをタブーにしてはならず、しかしテレビしか見ない人は上西さんのようなところにたどり着かず、奨学金、賃金、夫婦別姓、庶民が自分に近いものを知り、一票は小さいものではないと知らないといけない。
 上西さん、選挙は政治家の選手交代を主権者がさせられて、報道で選手交代はできないが、有権者はインケツ政治家を選手交代させられる、大きなチャンスであり、そのためにも投票に行ってほしいと締めくくられました。
 1時間書き起こしはしんどかったものの、得られるものも多かったです。テレビはムチャクチャ、この路上のラジオ、ポリタスTV、チューズライフプロジェクトなどを支援して、テレビからスシロー氏や八代氏らを選手交代させて、安倍氏の「氏」をなくさせましょう、以上、路上のラジオでした。




【色平哲郎氏のご紹介】フィリピン  殺害や捕虜虐待、、、作為の宣伝に証言

2021-10-23 14:13:07 | 転載
「自由の獲得」は劇的な政治変化を伴うのに対し、「自由の喪失」は音もなく徐々に、ほとんど人の気づかぬうちに進行することが多い。
猪木武徳

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あの戦争から次の3点を学ぶべきだと考えている。箇条書きにしよう。
(1)軍事が政治を振り回し、文民支配が行われなかった。
(2)国民の生命と財産を守るべき軍事がその役割と逆のことを行った。
(3)願望と期待が客観的な事実にとすり替わった。
保阪正康

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自惚(うぬぼ)れは信じ易(やす)き人間をして、万物も星もそれらがわれらより強く美しきものにも拘(かか)わらず、感覚も愛も有せざるものと信じさせ、ただわれらのためにのみ回転すと信じさせり。 
トマーゾ・カンパネッラ

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「米国は殺される人間からどう見られているか、とらえることができない。自分を映す鏡を壊してしまい、自分の位置を見つけられなくなったんだ」
鶴見俊輔

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「真の進歩を妨げる最大の弊害は知識の不足ではなく、知識の錯覚である」詠み人知らず(記録者はピーター・フランクル)

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欧州の戦争が終結した後、ドイツの軍国主義はおそらく存続していくのが困難だろう。日本の軍国主義は、またどこかと戦わされるだろう。「軍国主義」は二〇世紀には絶対に存続できなくなると思う。私はこれまで「軍国」と「賢人政治」という二つの主義が中国を救うと考えてきたが、大きな誤りであった。
周恩来「一九歳の東京日記」 1918.1.1‾12.23

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フィリピン  殺害や捕虜虐待、、、作為の宣伝に証言

朝日新聞 夕刊 1989年11月8日

戦争、もう1つの“傷跡” フィリピン(東風西風) 【大阪本社】

昭和天皇の逝去をめぐる取材の折である。マニラとその近郊に残る戦争の傷跡を訪ね歩くうち、意外な、それでいて同工異曲の話を立て続けに聞かされた。
 
「残酷だったのは、ハポン(日本人)ではない。コリアーノ(韓国人)でしたよ」
 
一流ホテルのリムジン運転手、国軍の顧問弁護士、そして黒衣のカトリック尼僧--。聞き流すわけにはいかないたぐいの話である。「直接の見聞ですか」「ハポンとコリアーノをどう見分けられたのでしょう」。子細を尋ねると、一様に当惑の色が浮かんだ。
「死んだ父から聞かされた」(運転手)。
「私の故郷では、もっぱらそういううわさでした」(弁護士)。
「信者たちからの伝聞です」(シスター)。
 
その後も時折、同様のうわさを耳にする。だが、いまだにしかとした根拠には出合わない。
 
かつて「一視同仁」「内鮮一体」の名のもとに、戦場に駆り立てられた朝鮮人軍人は11万6000余人。捕虜収容所の監視、船員、飛行機の整備士などの「軍属」は12万6000余人にのぼった(厚生省統計)。このうち、どれだけがフィリピン戦線に投入されたかは、判然としない。ただ、戦争犯罪そのものに関してフィリピンには例外的に確かな資料が残っている。マニラでは、米軍による戦犯裁判のほか、アジアの新興独立国では唯一、フィリピン政府の手でBC級戦犯法廷が開かれたからである。
 
それによると、米国の戦犯裁判で、被告席に立たされた日本兵は237人で、うち朝鮮人は2人のみ。1人は多数の米軍人捕虜の死亡の責任を問われた捕虜収容所長。いまひとりは志願の元兵長で、他の日本人兵士らとフィリピン人ゲリラの処刑に加わった罪だった。
 
非戦闘員に対する殺害、虐待、強姦(かん)などを中心に審理したBC級戦犯法廷では、朝鮮人の軍人、軍属は1人として起訴されたものはいない。
 
迫真のルポ『フィリピン新人民軍従軍記』(晩聲社)で知られる野村進氏は、ある漁民から「キンペイタイ(憲兵隊)のナカノさんが村人たちを殺したのはコリアーノだといってた。だから、いままで悪いのはコリアーノと思っていた」との証言を引き出している。
 
一方『朝鮮人BC級戦犯の記録』の著者、内海愛子さんは、サイゴン捕虜収容所の元監視員の朝鮮人軍属から「昭和18年ごろ、捕虜を虐待しているのはコリアン部隊であって、日本人はやってないとの海外宣伝放送が大本営の手で流されたとの機密書類を目撃した」との話を聞いている。
いずれも、朝鮮人兵士残虐説の裏に、日本側による陰湿な作為のあったことをうかがわせる証言である。
 
リムジンの運転手は、戦争を知らない若い日本人観光客やビジネスマンにも、よくこのうわさを話してきかせる、と語っていた。
かつての宗主国・米国にかわって、この地における日本の経済的プレゼンスは高まるばかりだ。
果たして活字にすべきなのだろうか、と迷いつつ、あえて微妙なテーマに踏み込んだゆえんである。

(マニラ支局 清田治史特派員)


・以上、不可思議なる記事、調査報道が必須、私も86年末、Pulog山麓で同様の口碑に遭遇・


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焼き殺した母子の叫び、今も心に、、、戦時下の告白相次ぐ

「私の謝罪電話」  朝日新聞 1995年5月16日記事より抜粋

「日本の戦争責任資料センター」(代表、荒井信一駿河台大学教授)が市民の声を求めて開設した「私の謝罪電話」の結果が15日、まとまった。

・・・

加害証言の主な趣旨は次の通り。いずれも男性。

69歳 少年兵として各地を回った後、セレベス島へ。慰安所は各地にあったが、自分はセレベス島の飛行場のそばの慰安所に通った。インドネシア人の慰安婦が20人ほどいた。同じセレベスのマカッサルにも慰安所があり、そこには日本人、朝鮮人、現地人の慰安婦がそれぞれ分かれていた。当時、何の罪悪感もなかったが、今思うと日本人としてわびきれるものではない。

75歳 1940年、三光作戦に参加。
度胸をつけるためと、少年兵にも平気で人殺しを勧めた。一集落を焼き、かろうじて生き残った出産直後の母子を焼き殺した。その叫びが今も心に焼きついている。侵略を正義と誤認した。洗脳されていた。本来なら戦犯として処刑されるべきだが、中国の人道教育のおかげで真人間に生まれ変わった。

74歳 43年3月、上海上陸。
宣撫(せんぶ)班員となる。
慰安婦の外出証明書の発行や性病検査に立ち会った。44年10月から2カ月間の作戦で農民をなぶり殺しにしたり、強姦したりした。帰る途中に放火した。老女が火を消そうとしたので捕まえて、火の中に投げ込んだ。そのとき「トンヤングイズ(東洋の鬼)」とにらみつけられたことが忘れられない。


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忘れないで
私達が生きていた事を
忘れないで
武器を持たない歴史を
脈々と受け継いできた人々が
ある日
海の向こうからやって来た砲煙弾雨に襲われた

1995年6月23日 第50回「慰霊の日」 朗読 川田友美さん(18)


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日本に住む朝鮮人や台湾人らに認められていた参政権が戦後になって失われたのは、敗戦直後の政府関係者らの「参政権を認めれば天皇制の廃絶を叫びかねない」という危機意識が影響していたことを裏付ける資料を、京大人文科学研究所の水野直樹助教授(朝鮮近代史)が国会図書館などで見つけた。当時の政府は朝鮮人らの参政権を存続させる方針を示していたが、法律改正では認められず、この間の論議の詳細は分かっていない。資料は、5日、福井県に住む在日韓国人4人が地方参政権を求めて起こしている訴訟に証拠提出される。

1996年2月5日 朝日新聞記事より抜き書き


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【ワシントン1996年4月20日=ロイター】国連環境計画(UNEP)、警告本を出版

「地球環境はほとんどあらゆる面で危機的状況にあり、現在の流れを大きく変えなければ、地球の日(毎年の4月22日)を祝う意味はない」


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(二風谷)ダムは役に立たず、土建業者が金をもうける仕組みになっている。

萱野茂参院議員・1996年4月22日(アースデー・地球の日)開催の「市民国会」にて


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【アルマトイ1996年12月14日AP=共同】中国、ウイグル人1700人を処刑か

ウイグル人組織「統一民族革命戦線」スポークスマンは14日、中国治安当局が今年4月以降、、、ウイグル人住民5万7千人を逮捕、このうち1700人を処刑したと述べた。


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秘密のシナリオ 米大統領の最終判断まで、30分足らず

終末戦争計画、なお存在(「核の傘」の世界:3)

朝日新聞 2000年8月16日 

 核兵器廃絶への道
 
 「コマンド・ヒストリー」と呼ばれる機密の資料がある。指揮の履歴、と訳される。いわば、部隊の活動記録だ。 ハワイのキャンプ・スミス基地に司令部がある米国の太平洋軍でその歴史資料の公開が進んだのは、ここ数年のことだ。
 太平洋軍の総括的な記述は一九五九年から始まる。一年ごとの記録で、多いときで四分冊、少ないときは一冊。八〇年代までは「最高機密」の判が押されている。
 冷戦時代の記録を繰ると、「SIOP」という暗号のような言葉がひんぱんに出てくる。記述の大半は非公開で、黒塗りにされているが、断片的に読みとれる文面をつないでいくと、核を使った終末戦争のことだと分かる。

     *

 米国で最初に核作戦の実行部隊をつくったのは空軍だった。戦時に核を使うかどうかの最終決定権は大統領がもっている。だが、ホワイトハウスが作戦計画に関心を示さない間に空軍は攻撃目標を広げ、原水爆の量産を急がせた。
 ばらばらだった空軍や海軍の作戦を束ねて、六〇年に「単一統合作戦計画」が作られた。英語の頭文字をとった表記が、SIOP(サイオップ)である。
 「最も秘密の資料で、異常に複雑で、まるで不思議の国の話」とも評されるSIOPは冷戦後、どう書き換えられたのか。八〇年代初めに「アメリカの核戦争秘密シナリオ」と題する著書を出した米国の核問題研究者、ウィリアム・アーキンさん(四四)を訪ねた。
 七年前からワシントンを離れ、カナダ国境に近いバーモント州の田園風景に囲まれて思索の日々を送っている。
 「私が興味をもっているのは核配備の実体です。どこに基地があり、指揮官がいて、何のために核兵器が配備されているか。実体を明らかにして、核政策を広く論議できるようにする。それが政策を変えるきっかけになる」
 豊富な軍関係の情報に裏付けられた説明に耳を傾けた。
 SIOPは当初、共産圏諸国との全面戦争だけを想定していたが、その後、限定的な戦争まで適用できる柔軟な計画が生まれた。たとえば、ロシアに対しては現在、数例の主要攻撃パターンと六十五通りの限定攻撃がある。
 計画の柱は攻撃目標の選定だ。作業の中枢は米中部・ネブラスカ州のオファット空軍基地におかれた。目標は核基地、通常戦力の基地、指揮・通信施設、軍需産業ごとに決められる。隣り合わせに通信施設と工場があっても、それぞれに最低二発ずつ核弾頭が投下される計画だった。八五年当時、攻撃目標は一万六千カ所にのぼった。
 目標数は冷戦後、大幅に減った。現在は三千で、大半の軍需産業施設は対象からはずされ、東欧地域のリストも削除された。
 「冷戦時に比べ、たしかに核戦争の危険性は減った」と前置きした上で、アーキンさんはこう付け加えた。
 「でも、いまだに核保有国は過剰な核配備をしている。戦略軍司令部をはじめ核抑止を信じている人は、自らの権力を維持するために核の機密性を利用している」

     *

 秘密のシナリオにかかわった軍部の関係者は、冷戦後のSIOPをどう見ているのか。退役した将軍らに会った。
 六月、ワシントンの大聖堂で、退役した将軍らと宗教者の反核集会があった。呼びかけに賛同した一人、チャールズ・ホーナー退役空軍大将(六三)は「SIOPは米ソ全面戦争という設定で作られた。日本の核の傘も、それに巻き込まれる。冷戦時代の道具だったが、米国の新たな戦略はいまだにできていない」と批判した。 空軍でミサイル発射の士官だったブルース・ブレアさん(五二)は現在、退役軍人らでつくっている国防情報センターの所長を務める。
 ――核戦争計画でどういう役割をしていたのか。
 「目標を攻撃する役目で、五十基のミサイルを受け持った」
 ――三千カ所といわれる現在の攻撃目標は過剰だと思うか。
 「そのうちロシアに対しては計二千二百六十で、内訳は核基地千百、通常戦力の基地五百、指揮・通信施設百六十、軍需産業五百だ。ほとんど稼働していない工場も、まだ目標になっている。何千もの核弾頭を使う作戦は、ばかげている」
 ――攻撃目標の削減は難しいのか。
 「答えは簡単だ。ペンタゴン(国防総省)がアレルギーを起こすからだ」
 ――核戦争計画があるからこそ、核抑止は万全だという人もいるが。
 「計画は多くの兵器を調整するためだけのものだ。大規模な核戦争作戦には、なんら目的も、意味も、理論も、道徳もない。まともな軍人や政治家なら、抑止がこれほど度を超えた核戦争計画に頼っているとは思わないだろう」
 この夏前、米大統領選の共和党候補、ブッシュ・テキサス州知事は「核戦力のあり方を見直し、安全を保障しうる最小限の水準まで核兵器を減らす」という防衛政策を明らかにした。
 核弾頭の大幅な削減を主張するロシア提案と引き換えに、米国が進める本土ミサイル防衛(NMD)計画に譲歩を迫るのがねらいだとみられている。
 共和党内部では、核弾頭数は千まで削減可能だという意見もでている。共和党が政権をとれば、核戦争計画は大幅に書き換えられるとの観測が強い。
 SIOPについては、民主党系、共和党系のいずれの研究機関からも「冷戦時代の考えのままで、見直しが必要だ」という声が出ている。批判にどう答えるのか。国防総省に取材を申し込んだが、広報担当の返事は「国立ロスアラモス研究所で核データの機密漏れの問題が起こり、その対応に追われて時間がとれない」。

     *

 国防総省のかわりに、ワシントンの民間研究機関、「センチュリー財団」で核戦争計画を研究しているジェーン・ノランさん(三七)が「米国が核の攻撃目標を削減できないのは、対外的な問題ではなく、まったく国内的な理由だ」と事情を説明してくれた。
 「非常に危険なことは、ケネディ時代以降、カーター氏を除いて歴代大統領はだれも真剣にSIOPを考えようとしなかったことだ。軍部の説明はおざなりだし、聞く方も実際には起きないだろうと思っている。だから、核戦争の危機のとき、大統領はほとんど何も知らないまま核作戦の決断を迫られる。その状況は、冷戦後のいまもあまり変わらない」
 人類が終末に向かうかどうかの瀬戸際で、大統領に許された最終判断の時間は、三十分足らずだという。
 冷戦時、米国の核戦争計画に日本の基地が巻き込まれていたことを明らかにする報告書が昨夏、公表された。タイトルは「米国の核の傘の下の日本」。
 筆者は、カリフォルニア州バークリーにある民間機関、ノーチラス研究所のハンス・クリステンセンさん(三九)。研究員になったのは二年前で、それまではデンマークの非政府組織でスカンディナビア半島を「核のない海」にするキャンペーンに取り組んでいた。
 北欧での核の海上配備状況を調べるため、米国の研究者と協力し、文献資料を探した。その中から、非核政策を掲げるデンマーク政府が米国と核持ち込みの密約を結んでいたことを示唆する公文書を次々に発掘した。「非核三原則の一方で米国と核密約を交わしている日本は、デンマークの事情とよく似ている」という。
 研究所では八四年ごろから、太平洋軍のコマンド・ヒストリーの情報公開を求めた。これまでに、冷戦時代を中心に三十年近い資料を収集ずみだ。
 それらを読み解くうちに、核戦争計画に組み込まれた日本の姿が浮かび上がってきた。
 ▽沖縄の返還後も数年間、米軍基地は核の臨戦態勢を維持していた。
 ▽六七年、東京・府中空軍基地内に核作戦のための連絡事務所が設けられた。
 ▽横田や嘉手納基地を拠点にした特別の航空機は、核の発射命令を潜水艦や空母に伝える役割を担った。
 クリステンセンさんは「米国の公文書を見れば、冷戦時代に日本の米軍基地に核兵器が貯蔵されていたのは明らかで、寄港する艦船にも搭載されていた。でも今日の問題は、核の配備ではない。米国の核戦争計画の中で日本の基地がいまも指揮命令系統の一部になっていることだ」と話している。
 コマンド・ヒストリーを克明に読むと、もうひとつの核戦争計画の存在に気づく。「赤の統合戦略攻撃計画」という英語の頭文字をとって、RISOP(ライソップ)と呼ばれる。
 SIOPに対抗して、ロシアならどのような核戦争プランを練るか。それを米軍側が想定した計画だ。 核攻撃の目標とみられるのは三十五カ国。米国の核の傘の下にいる日本は、韓国やフィリピンとともに、いまも標的になっている。
 (「核」取材班・中川正美、矢野英基)
 
 <単一統合作戦計画=SIOP(Single Integrated Operational Plan)> 旧ソ連の攻撃を抑止するのが目的だが、その抑止に失敗した場合、相手の核攻撃に先んじて核基地などを破壊し、米国の損害を減らすのがねらいとされる。多数の核兵器を敏速に配備する手順を示した最初の計画は1960年につくられ、その後、攻撃目標の変更や政策的な見直しが度々行われている。攻撃目標数は冷戦後、大幅に削減され、95年で2500カ所になった。ここ数年は増加に転じ、現在は3000カ所。作戦計画は戦略空軍が担当していたが、92年から潜水艦、爆撃機、ミサイルを統合した戦略軍司令部に代わった。政策的な見直しは大統領の指示を受けて行われる。
 
 <赤の統合戦略攻撃計画=RISOP(Red Integrated Strategic Offen
sive Plan)> コンピューター・シミュレーションでSIOPの効果を評価する手段として使われる。


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これは不発弾 こっちが食糧 黄色は「注意」 ラジオで警告 

【ワシントン30日=梅原季哉】
「アフガニスタンの皆さん、ご注意下さい。我々が落としている黄色い四角の堤は食糧ですが、黄色い缶の方は爆弾です」
ーー対アフガン空爆と並行し食糧投下作戦を続けている米軍が、上空を飛ぶ電子作戦機からのラジオ放送で、こんな警告を流し始めた。

米軍は「クラスター(集束)爆弾」を使っている。その表面が黄色に塗られているため、同じように目立つ黄色の食糧パックと勘違いした住民が、、、

2001年11月1日 朝日新聞記事より抜粋


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9条は日本が世界にさきがけ、国連に一部主権の移譲を宣言するはずのものだった。しかし、マッカーサーの米大統領選予備選での敗北と、朝鮮戦争など東西対立激化により集団安全保障体制は実現されなかった。この結果、9条をめぐる理想(一切の戦力を放棄する平和主義)と現実(自衛の戦力を保持し、米軍駐留を求める現実主義)の対立が生まれた、というのが加藤の見立てだ。

書評 「9条入門」加藤典洋・著 評者 綿野恵太 信濃毎日新聞 19年6月23日


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つまり、マルクスはマルクス主義者ではなかったと?
「その通りです。彼はマルクス主義政党が主張してきたような、どんな問題にも解答をもたらした思想家ではなかった。資本論もすべての経済問題を解決する書物ではありません」
ゲラルト・フーブマン博士はそう強調した。世界でもっとも権威があるマルクス・エンゲルス全集(MEGA)を刊行する財団の事務局長である、、、

2019年11月24日 朝日新聞 「日曜に想う」 大野博人
壁崩壊30年 マルクス未完の問い  その冒頭より


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もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれくらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

https://bit.ly/3vDMFlt

共産党が加わる連合政権しかない 文科省元事務次官 前川喜平さんの応援演説

2021-10-23 00:23:29 | 転載と私見
❶共産党が加わる連合政権しかない
文科省元事務次官 前川喜平さんの応援演説
2021年10月22日
 20日、日本共産党の池内さおり東京12区・比例候補の応援に駆け付けた、文科省元事務次官の前川喜平氏の訴えを紹介します。

❷ 自公政権か、共通政策を持つ野党4党の政権か、その政権選択が迫られるのが今回の選挙です。政権交代する受け皿がちゃんとできている。この選挙は政権を交代させられるチャンスなんです。

❸ なぜ文科省の役人だった私が共産党の応援に来るのか。それは今の政権があまりにも腐っているからです。このままにしておけないと確信しているからです。

❹ 今回共産党が政権交代、連合政権をつくろうと訴えている。現役時代は共産党とたたかっていました。しかしこの政権をかえるためには、共産党が加わった連合政権しかあり得ない。

❺ 野党共通政策は自公政権にはできないことばかり。脱原発の姿勢もはっきりしています。気候危機の下、脱炭素も待ったなし。自公政権ではそれができない。大企業と富裕層のための政権だからです。

❻ 憲法違反の安保法制をつくった安倍元首相に牛耳られているのが今の自公政権です。集団的自衛権の下で米国と一緒に戦争する国にしてはいけない。核保有国との橋渡しをするのであれば、核は悪だという側に立たなければならない。

❼ この選挙は憲法を守り国民の命を守る政治か、憲法をないがしろにして国民を無視する政治かの選択です。池内さおりさんに投票することは、国民や平和のために尽くす政治を行う政府をつくることです。

【私見】
私は前川喜平さんを尊敬している。冷静で公正な価値判断。おしよせる誹謗や中傷にもくじけず、いつもおだやかさを保持して、つぎの展開を見晴るかす。このような官僚こそ日本の明治以来の官僚制の欠陥を根本から自己批判改造する独立精神をもつ最良の知識人のひとりである。