構成
❶2014年の提言(上)・・・既出
❷2020年の実態(中)・・・既出
❸民主的立憲政権樹立の構想(下)・・今回
Ⅲ:民主的立憲政権樹立の具体的全体像
➀安倍政権の終焉と「安倍継承」政権の内実
広原盛明氏が分析し予想した安倍政権放棄から菅義偉氏への権力移譲の指摘は鋭い。以下、【広原盛明のつれづれ日記 】2020-09-08より転載。
<転載開始>
安倍首相の辞任後、各社の世論調査で内閣支持率が軒並み上昇していることに驚いている。共同通信(8月29、30日実施)の内閣支持率は56.9%、僅か1週間前調査(8月22、23日実施)の36.0%から20.9ポイント急上昇した。読売新聞(9月4~6日実施)も52%と前回調査(8月7~9日)の37%から15ポイント上昇し、不支持率は38%へ16ポイント低下した。
政党支持率も読売調査では自民党が41%(前回33%)に上昇し、立憲民主党は4%(同5%)にとどまった。また、総裁選に立候補表明した3氏のうち次の首相にふさわしい人としては菅官房長官が46%でトップとなり、石破元幹事長が33%、岸田政調会長が9%となった。自民党は政党支持率が好調なことから、党内では早期の衆院解散論も浮上しており、菅官房長官も早期解散を否定していない。
それにしてもあれほどまで支持率が低下し、末期的症状を呈していた安倍内閣がなぜいま思い出したように支持されるのか。読売調査の男女別集計によれば、男性56%(前回44%)、女性49%(同31%)となり、とくに女性の上昇幅が18ポイントと大きい。年代別でも全ての年代で支持が不支持を上回ったという。男女、年代を問わず支持率がこれほど高いのはなぜだろうか。読売はその理由を、安倍内閣の7年8カ月の実績を「評価する」74%が「評価しない」24%を大きく上回ったことを挙げているが、私は必ずしもそうは思わない。
いろんな解釈が可能だと思うが、私は安倍首相が持病の難病悪化を前面に出して〝引退劇〟を演出したことがその基本的な原因だと見ている。情緒的雰囲気に弱い日本人の国民性が安倍首相への個人的な同情心を掻き立て、長期政権に対する評価を冷静に分析することなく「負の遺産」も含めて全てを水に流してしまったのである。持病の難病を押して「国家国民のため全身全霊を傾けてきた」という言葉がメディアを通して増幅され、「ご苦労様」とのねぎらいの感情が全国的に広がったのであろう。そうでなければ、男女、年代を問わずこれだけの高い支持率が出るはずがない。
この〝引退劇〟の演出は、後継者レースにも決定的な影響を与えている。自民党総裁選挙で目下独走中の菅官房長官は、これまではほとんど新人に近い存在で知名度もそれほど高くなかった。昨年9月から今年8月までの8回の読売世論調査は、自民党の中から「次の首相に相応しい人」を選んでいるが、菅氏の支持はいつも3~5%程度で石破氏や小泉氏を大きく下回っていた。それが今回の調査では、菅氏46%、石破氏33%、岸田氏9%となり、あっという間に次期首相候補のトップに躍り出たのである。
菅官房長官は安倍政権の主軸として数々の汚れ仕事をこなし、「負の遺産」を一手に引き受けてきた前政権の責任者であることは誰もが知っている。にもかかわらず、なぜ菅氏が次期首相候補の一番手となり、しかも安倍政権の政策をそのまま継承すると言えるのか訳が分からない。しかし、これも安倍首相が「志半ば」にして引退するとの演出が功を奏して、安倍政権のやり残した政策課題を継ぐのは首相を支えてきた菅氏が一番との「大義名分」がつくられたと思えば、納得がいく。
ただ、菅内閣が安倍政権とは何ら変わらないというのでは、さすがに新味が出せずに短命内閣で終わることになる。そこで打ち出されたのが「菅=たたき上げの政治家」というキャッチコピーだ。漢字もろくに読めない人物や官僚作文をなぞるだけの人物が、ただ世襲政治家というだけで首相になることの弊害については多くの国民が実感(痛感)している。だからこそ菅氏が「安倍3代」に代表される世襲政治から脱却するためには、政策が変えられない以上、当分は「たたき上げ」の泥臭いイメージで勝負するほかはない。
しかし、菅氏の本質は冷酷極まりない権力政治が真骨頂であり、遠からずしてその本性は遺憾なく発揮されるだろう。安倍政権以上に官僚政治が徹底され、国会と国民を軽視する権威主義が政府全体に貫徹されるだろう。衆院解散は間近いのではないか。菅内閣の本性が暴露される前に本格政権を構築したい―、これが菅氏の政治戦略だからである。
<転載終了>
一説では衆院解散総選挙は10月25日の前後と聞く。
➁ 小生の視角~【国民統一戦線への展望私案】
❶: 私は、日本共産党はまず日本共産党として結束し発展すればよいと考えるようになった。革新統一戦線の時は社会党と共産党がほぼ互角か共産党の議席が少ない状態だった。いま社会党にあたる勢力が、社民党、新社会党、緑の党、みどりの風、社会大衆党などの「護憲リベラル」結集勢力と思う。一党にまとまらなくとも、イタリア版オリーブの木形式でもよい。「護憲リベラル」として結集すること。そのうえで日本共産党と提携したらどうか。その提携に一緒に戦える保守政党人なども結集していく。政党政治が今の日本の議会制民主主義の根幹だが、「議会制独裁主義」が広がっているいま、国民的規模での統一戦線を3つの段階を考えて構築したらどうだろうか。
❷: 21世紀の今日に、統一戦線を結成するためには、日本共産党においての組織論の民主集中制は継承され検証されてきたものであるけれども、国民ないし日本に定住する民衆全般にわたる組織論としては、「円卓の論理」「フォーラムの 論理」がふさわしい。統一戦線のテーブルにつく全ての個人と集団が対等に意見を述べ、行動の決定においても、少数派の意見が行動に反映される必要がある。諸個人は自らの見解を披歴するとともに、他者の意見を十二分にわきまえて納得し、行動においてはそれぞれが他者の存在を認めながら、一致点を追求する必要がある。統一戦線が成立するためには、積極的に相手の存在と見解とを尊重して吸収できるだけの確固とした人格が、成員に形成されていなければならない。
③新党『立憲民主党』の展開
立憲民主党と国民民主党はかなりのメンバーが合流し、衆院106名参院43名の大規模な政党となった。
代表選
枝野幸男 107票
泉 健太 42票
党名選挙
立憲民主党 94票 注目すべきは、新代表となった枝野幸男氏の会見内容である。
❶消費税を減税し時限的に0%も合意できる
*この消費税減税は枝野氏が都知事選で山本太郎氏に候補擁立を働きかけ最後に決裂した課題であった。れいわ新選組が「市民と野党」の共闘に加わる下地となろう。
❷沖縄・辺野古の新基地建設はまず工事を止める。その上で粘り強くアメリカと交渉する。
❸自助や過度の自己責任を押し付ける新自由主義的社会を変える。
❹原子力エネルギーに依存しない。使用済み核燃料の問題解決は着実に進める。
❺与野党合意に基づき進めるなら、臨時国会召集や内閣解散権を議論したい。
*改憲と護憲とそうとう議論がわれるかも知れない。現憲法の完全実施がなされなければ、裁判中の憲法案件は易きに就く。
④折れない日本共産党の価値
「市民と野党」の共闘を愚直にすじを通して進めてきた。だが、自民党総裁選の3候補を安倍路線の継承ときめつけたり、政府の福祉予算削減による保健所の同類に国立感染研を含めている。
大筋は賛成だが、「国立予研」」の新宿区戸山・早大や住宅街に移転強行し、移転後は感染度が高いウイルスやP4施設をおこなおうと目論み、東村山市にある感染研分舎にP4施設実験稼働に動きだしている。戸山住民が芝田進午氏を団長として最高裁まで争い敗訴した。国立感染研内部にも科学者会議の会員や共産党員がいるが、生前に聞いた芝田氏によれば、感染研内部には芝田氏らの環境保全運動に反対する党員もいる。バイオ時代の象徴的な問題の所在をわきまえず、731石井細菌部隊と直接つながる国立感染研の危険な問題を指摘すると、「デマに近い」と公的に断言することに、日本共産党の一側面を見る。「共産党だから正しい」のではない。「日本共産党は正しさを追求する勇気と努力を怠らない政党だ」と発展すべきだ。
全国の党員は、差別と偏見に屈せず草の根から日常的に実践している。その存在は十二分に信頼されている。
➄個性ある市民と持続する市民運動
ケース1 山本太郎
現在2020年において、東京都知事選に挑んだ宇都宮健児・山本太郎両氏の今までの市民として意欲的な実践は特記に値する。山本太郎氏が2019参院選に、
日本共産党大阪選挙区の辰己幸太郎候補を宣伝カーに同乗しマイクで語り続けた応援のスピーチは、他の共産党員のスピーチよりも迫力があった。山本氏は神奈川選と選挙区でも共産党あさか由香候補を前川喜平氏・山口二郎氏と街頭で応援演説をした。それらの事実からすれば、2020都知事選での山本太郎氏出馬を野党分断だと決めつける一部宇都宮候補支援者の批判は背景もわきまえていない。
立民党は山本太郎氏に都知事選出馬を促し続けた。先立つ京都市長選の真っ最中からの働きかけなので、市長選応援をないがしろにしていると顰蹙をかった。それでもコロナ感染症の急激な拡大で、サラリーマンがホームレスに陥り、窮乏化する現実を見た山本氏は、実際はれいわ新選組代表として衆院選準備に取り組んでいたがそれを停止し、都民の暮らしを救援するために立民党枝野代表ら首脳部と交渉に入った。山本氏は従来消費税を廃止する政策だったが、5%説を柱にした。相手は妥協しなかった。もうひとつ、衆院選準備との兼ね合いで「れいわ東京」候補と申し込んだ。だが立民党側は「無所属」を譲らなかった。もう告示直前だったので山本太郎氏は単独で立候補に臨んだ。なお以上の記述は直接に山本氏の選挙街頭演説で傍聴した内容である。
ケース2 宇都宮健児
もう一方の宇都宮健児候補は立候補を非難するどころかそれぞれ政策論争で競いあいましょうと応じて、一度も山本候補を選挙期間中も選挙後も非難も批判もしなかった。ここに宇都宮健児氏の市民民主主義ポリシーがあった。
今までの野党共闘の候補模索と擁立、という図式ではない。宇都宮健児氏は市民の要請に応え、ひとりでも闘う意志のもと立候補した。結果得票は出馬した過去2回よりも低かったけれど、宇都宮支持陣営も宇都宮氏個人も選挙後充実感を覚えていたとみられる。その点で、最初から宇都宮氏を支えてきた海渡雄一氏や内田聖子氏、谷川智行氏(医師日本共産党衆院選予定候補)などが果たした市民選対の意義は深いものがある。
➄ 民主的立憲政権を樹立するための変革主体形成
今の情勢のもとでは、民主的立憲政権を樹立することは困難である。それは野党側の個々人が、烏合の衆と似た不安定さをもっていて、個人として日本の改善にとり、自己の思考や感性に多数依存、空気に続く流される風潮が多いことが主な原因である。
たとえば沖縄で平和運動センター続く流される代表の山城博治、ひとりで闘うことを決めて意を決して都知事選に出馬した宇都宮健児、山本太郎、そのような人格像が求められている。
また国民民主党の馬淵澄夫元国土交通相は、東京都知事選(7月5日投開票)に立候補したれいわ新選組の山本太郎代表の街頭演説に駆け付け、支持を表明した。国民は自主投票を決めているが、党所属議員が山本氏の応援に入るのは馬淵氏ひとりだった。組織に自分なりの信念を表明するくらいの主体がなければ、あっと言う間に自民党入りした議員もいた。
⑥ 民主的立憲政権の樹立
A:
衆議院選挙は目前にある。共通公約は、
❶コロナ対策
人間尊重の低下層生活者にあたたかな救援施策の共同具体策提示を
❷消費税
最低でもこの2つは国民に必要だ。
B:
野党と市民の共同行動やコーヒータイムの小演説と人的交流を
都道府県単位 市区町村単位 地域単位
菅義偉氏が首相に当選しようがしまいが,野党と市民は安倍政権の終焉を見た。「安倍的政権」を阻止するために、今が動くときだ。
<三部作完>
❶2014年の提言(上)・・・既出
❷2020年の実態(中)・・・既出
❸民主的立憲政権樹立の構想(下)・・今回
Ⅲ:民主的立憲政権樹立の具体的全体像
➀安倍政権の終焉と「安倍継承」政権の内実
広原盛明氏が分析し予想した安倍政権放棄から菅義偉氏への権力移譲の指摘は鋭い。以下、【広原盛明のつれづれ日記 】2020-09-08より転載。
<転載開始>
安倍首相の辞任後、各社の世論調査で内閣支持率が軒並み上昇していることに驚いている。共同通信(8月29、30日実施)の内閣支持率は56.9%、僅か1週間前調査(8月22、23日実施)の36.0%から20.9ポイント急上昇した。読売新聞(9月4~6日実施)も52%と前回調査(8月7~9日)の37%から15ポイント上昇し、不支持率は38%へ16ポイント低下した。
政党支持率も読売調査では自民党が41%(前回33%)に上昇し、立憲民主党は4%(同5%)にとどまった。また、総裁選に立候補表明した3氏のうち次の首相にふさわしい人としては菅官房長官が46%でトップとなり、石破元幹事長が33%、岸田政調会長が9%となった。自民党は政党支持率が好調なことから、党内では早期の衆院解散論も浮上しており、菅官房長官も早期解散を否定していない。
それにしてもあれほどまで支持率が低下し、末期的症状を呈していた安倍内閣がなぜいま思い出したように支持されるのか。読売調査の男女別集計によれば、男性56%(前回44%)、女性49%(同31%)となり、とくに女性の上昇幅が18ポイントと大きい。年代別でも全ての年代で支持が不支持を上回ったという。男女、年代を問わず支持率がこれほど高いのはなぜだろうか。読売はその理由を、安倍内閣の7年8カ月の実績を「評価する」74%が「評価しない」24%を大きく上回ったことを挙げているが、私は必ずしもそうは思わない。
いろんな解釈が可能だと思うが、私は安倍首相が持病の難病悪化を前面に出して〝引退劇〟を演出したことがその基本的な原因だと見ている。情緒的雰囲気に弱い日本人の国民性が安倍首相への個人的な同情心を掻き立て、長期政権に対する評価を冷静に分析することなく「負の遺産」も含めて全てを水に流してしまったのである。持病の難病を押して「国家国民のため全身全霊を傾けてきた」という言葉がメディアを通して増幅され、「ご苦労様」とのねぎらいの感情が全国的に広がったのであろう。そうでなければ、男女、年代を問わずこれだけの高い支持率が出るはずがない。
この〝引退劇〟の演出は、後継者レースにも決定的な影響を与えている。自民党総裁選挙で目下独走中の菅官房長官は、これまではほとんど新人に近い存在で知名度もそれほど高くなかった。昨年9月から今年8月までの8回の読売世論調査は、自民党の中から「次の首相に相応しい人」を選んでいるが、菅氏の支持はいつも3~5%程度で石破氏や小泉氏を大きく下回っていた。それが今回の調査では、菅氏46%、石破氏33%、岸田氏9%となり、あっという間に次期首相候補のトップに躍り出たのである。
菅官房長官は安倍政権の主軸として数々の汚れ仕事をこなし、「負の遺産」を一手に引き受けてきた前政権の責任者であることは誰もが知っている。にもかかわらず、なぜ菅氏が次期首相候補の一番手となり、しかも安倍政権の政策をそのまま継承すると言えるのか訳が分からない。しかし、これも安倍首相が「志半ば」にして引退するとの演出が功を奏して、安倍政権のやり残した政策課題を継ぐのは首相を支えてきた菅氏が一番との「大義名分」がつくられたと思えば、納得がいく。
ただ、菅内閣が安倍政権とは何ら変わらないというのでは、さすがに新味が出せずに短命内閣で終わることになる。そこで打ち出されたのが「菅=たたき上げの政治家」というキャッチコピーだ。漢字もろくに読めない人物や官僚作文をなぞるだけの人物が、ただ世襲政治家というだけで首相になることの弊害については多くの国民が実感(痛感)している。だからこそ菅氏が「安倍3代」に代表される世襲政治から脱却するためには、政策が変えられない以上、当分は「たたき上げ」の泥臭いイメージで勝負するほかはない。
しかし、菅氏の本質は冷酷極まりない権力政治が真骨頂であり、遠からずしてその本性は遺憾なく発揮されるだろう。安倍政権以上に官僚政治が徹底され、国会と国民を軽視する権威主義が政府全体に貫徹されるだろう。衆院解散は間近いのではないか。菅内閣の本性が暴露される前に本格政権を構築したい―、これが菅氏の政治戦略だからである。
<転載終了>
一説では衆院解散総選挙は10月25日の前後と聞く。
➁ 小生の視角~【国民統一戦線への展望私案】
❶: 私は、日本共産党はまず日本共産党として結束し発展すればよいと考えるようになった。革新統一戦線の時は社会党と共産党がほぼ互角か共産党の議席が少ない状態だった。いま社会党にあたる勢力が、社民党、新社会党、緑の党、みどりの風、社会大衆党などの「護憲リベラル」結集勢力と思う。一党にまとまらなくとも、イタリア版オリーブの木形式でもよい。「護憲リベラル」として結集すること。そのうえで日本共産党と提携したらどうか。その提携に一緒に戦える保守政党人なども結集していく。政党政治が今の日本の議会制民主主義の根幹だが、「議会制独裁主義」が広がっているいま、国民的規模での統一戦線を3つの段階を考えて構築したらどうだろうか。
❷: 21世紀の今日に、統一戦線を結成するためには、日本共産党においての組織論の民主集中制は継承され検証されてきたものであるけれども、国民ないし日本に定住する民衆全般にわたる組織論としては、「円卓の論理」「フォーラムの 論理」がふさわしい。統一戦線のテーブルにつく全ての個人と集団が対等に意見を述べ、行動の決定においても、少数派の意見が行動に反映される必要がある。諸個人は自らの見解を披歴するとともに、他者の意見を十二分にわきまえて納得し、行動においてはそれぞれが他者の存在を認めながら、一致点を追求する必要がある。統一戦線が成立するためには、積極的に相手の存在と見解とを尊重して吸収できるだけの確固とした人格が、成員に形成されていなければならない。
③新党『立憲民主党』の展開
立憲民主党と国民民主党はかなりのメンバーが合流し、衆院106名参院43名の大規模な政党となった。
代表選
枝野幸男 107票
泉 健太 42票
党名選挙
立憲民主党 94票 注目すべきは、新代表となった枝野幸男氏の会見内容である。
❶消費税を減税し時限的に0%も合意できる
*この消費税減税は枝野氏が都知事選で山本太郎氏に候補擁立を働きかけ最後に決裂した課題であった。れいわ新選組が「市民と野党」の共闘に加わる下地となろう。
❷沖縄・辺野古の新基地建設はまず工事を止める。その上で粘り強くアメリカと交渉する。
❸自助や過度の自己責任を押し付ける新自由主義的社会を変える。
❹原子力エネルギーに依存しない。使用済み核燃料の問題解決は着実に進める。
❺与野党合意に基づき進めるなら、臨時国会召集や内閣解散権を議論したい。
*改憲と護憲とそうとう議論がわれるかも知れない。現憲法の完全実施がなされなければ、裁判中の憲法案件は易きに就く。
④折れない日本共産党の価値
「市民と野党」の共闘を愚直にすじを通して進めてきた。だが、自民党総裁選の3候補を安倍路線の継承ときめつけたり、政府の福祉予算削減による保健所の同類に国立感染研を含めている。
大筋は賛成だが、「国立予研」」の新宿区戸山・早大や住宅街に移転強行し、移転後は感染度が高いウイルスやP4施設をおこなおうと目論み、東村山市にある感染研分舎にP4施設実験稼働に動きだしている。戸山住民が芝田進午氏を団長として最高裁まで争い敗訴した。国立感染研内部にも科学者会議の会員や共産党員がいるが、生前に聞いた芝田氏によれば、感染研内部には芝田氏らの環境保全運動に反対する党員もいる。バイオ時代の象徴的な問題の所在をわきまえず、731石井細菌部隊と直接つながる国立感染研の危険な問題を指摘すると、「デマに近い」と公的に断言することに、日本共産党の一側面を見る。「共産党だから正しい」のではない。「日本共産党は正しさを追求する勇気と努力を怠らない政党だ」と発展すべきだ。
全国の党員は、差別と偏見に屈せず草の根から日常的に実践している。その存在は十二分に信頼されている。
➄個性ある市民と持続する市民運動
ケース1 山本太郎
現在2020年において、東京都知事選に挑んだ宇都宮健児・山本太郎両氏の今までの市民として意欲的な実践は特記に値する。山本太郎氏が2019参院選に、
日本共産党大阪選挙区の辰己幸太郎候補を宣伝カーに同乗しマイクで語り続けた応援のスピーチは、他の共産党員のスピーチよりも迫力があった。山本氏は神奈川選と選挙区でも共産党あさか由香候補を前川喜平氏・山口二郎氏と街頭で応援演説をした。それらの事実からすれば、2020都知事選での山本太郎氏出馬を野党分断だと決めつける一部宇都宮候補支援者の批判は背景もわきまえていない。
立民党は山本太郎氏に都知事選出馬を促し続けた。先立つ京都市長選の真っ最中からの働きかけなので、市長選応援をないがしろにしていると顰蹙をかった。それでもコロナ感染症の急激な拡大で、サラリーマンがホームレスに陥り、窮乏化する現実を見た山本氏は、実際はれいわ新選組代表として衆院選準備に取り組んでいたがそれを停止し、都民の暮らしを救援するために立民党枝野代表ら首脳部と交渉に入った。山本氏は従来消費税を廃止する政策だったが、5%説を柱にした。相手は妥協しなかった。もうひとつ、衆院選準備との兼ね合いで「れいわ東京」候補と申し込んだ。だが立民党側は「無所属」を譲らなかった。もう告示直前だったので山本太郎氏は単独で立候補に臨んだ。なお以上の記述は直接に山本氏の選挙街頭演説で傍聴した内容である。
ケース2 宇都宮健児
もう一方の宇都宮健児候補は立候補を非難するどころかそれぞれ政策論争で競いあいましょうと応じて、一度も山本候補を選挙期間中も選挙後も非難も批判もしなかった。ここに宇都宮健児氏の市民民主主義ポリシーがあった。
今までの野党共闘の候補模索と擁立、という図式ではない。宇都宮健児氏は市民の要請に応え、ひとりでも闘う意志のもと立候補した。結果得票は出馬した過去2回よりも低かったけれど、宇都宮支持陣営も宇都宮氏個人も選挙後充実感を覚えていたとみられる。その点で、最初から宇都宮氏を支えてきた海渡雄一氏や内田聖子氏、谷川智行氏(医師日本共産党衆院選予定候補)などが果たした市民選対の意義は深いものがある。
➄ 民主的立憲政権を樹立するための変革主体形成
今の情勢のもとでは、民主的立憲政権を樹立することは困難である。それは野党側の個々人が、烏合の衆と似た不安定さをもっていて、個人として日本の改善にとり、自己の思考や感性に多数依存、空気に続く流される風潮が多いことが主な原因である。
たとえば沖縄で平和運動センター続く流される代表の山城博治、ひとりで闘うことを決めて意を決して都知事選に出馬した宇都宮健児、山本太郎、そのような人格像が求められている。
また国民民主党の馬淵澄夫元国土交通相は、東京都知事選(7月5日投開票)に立候補したれいわ新選組の山本太郎代表の街頭演説に駆け付け、支持を表明した。国民は自主投票を決めているが、党所属議員が山本氏の応援に入るのは馬淵氏ひとりだった。組織に自分なりの信念を表明するくらいの主体がなければ、あっと言う間に自民党入りした議員もいた。
⑥ 民主的立憲政権の樹立
A:
衆議院選挙は目前にある。共通公約は、
❶コロナ対策
人間尊重の低下層生活者にあたたかな救援施策の共同具体策提示を
❷消費税
最低でもこの2つは国民に必要だ。
B:
野党と市民の共同行動やコーヒータイムの小演説と人的交流を
都道府県単位 市区町村単位 地域単位
菅義偉氏が首相に当選しようがしまいが,野党と市民は安倍政権の終焉を見た。「安倍的政権」を阻止するために、今が動くときだ。
<三部作完>