東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治意識論)の調査では、東日本大震災と福島第1原発事故後、岩手、宮城、福島の被災3県の有権者に原発再稼働への賛否や復興の進め方なども聞いた。
原発再稼働について、「反対」「どちらかといえば反対」は福島が69.6%と最も高く、宮城62.2%、岩手60.6%と続いた。「賛成」「どちらかといえば賛成」は福島11.3%、宮城16.0%、岩手16.5%。再稼働反対の姿勢は、原発事故の影響が色濃く残る福島の有権者に強く表れた。
震災からの復興を進める上で「合意形成」と「スピード」のどちらを重視するかの質問では、「スピード重視」が福島47.0%、宮城43.7%、岩手41.1%だった。原発事故からの復旧・復興の道のりが津波被災地に比べて不透明な中、福島の有権者が合意形成よりもスピードを重視していることが浮き彫りになった。
県職員への信頼度を比較するため、現場の問題を速やかに改善・対処できるかどうかを尋ねた結果、「そう思う」「ややそう思う」は岩手31.1%、宮城31.0%に対し、福島は22.6%。「あまりそう思わない」「そう思わない」という否定的な見方は福島が63.7%で最も高く、岩手55.5%、宮城54.4%だった。
同じ質問を市区町村の職員で比べたところ、肯定的な回答は岩手が40.7%で最も高く、宮城37.0%、福島32.0%だった。否定的な見方は福島58.8%、宮城53.1%、岩手49.9%。復興の最前線に立つ市区町村職員への信頼度が、県職員に比べ、やや高い傾向にあることが分かった。