2日目の宿は青森市内。
それだけは早めに決まったので、どこに行こうかと散々迷った。
どこにというのは、どの店で食べるのかという意味である。
地図を見ると、青森はとっても恵まれていることがわかった。
陸奥湾に面しているし、日本海も太平洋も近い。
北の魚は繊維が細そうだけど、荒波に鍛えれてもいそうだ。
不思議と肉という発想はなかった。
割烹か天ぷら・・・いえこの際、奮発して鮨も良い。
ネットで検索していると、東京の吉野鮨で修行をしたというお店があったのです。
吉野鮨系は私には思い出深い鮨屋ですので、何かの縁かと思い青森の吉野鮨に行ってみることにしました。
青森市内の宿は駅に近いホテルでした。
Google地図で確認すると、宿からお店まで徒歩20分となっています。
それほど難しく無い場所のようなので、腹ごなしに歩いて行くことにしました。
暗く寒い大通りをテクテク歩きます。
まぁ、寒そうに歩くのは私だけで、地元の人は薄着でしたけど・・・(苦笑)
余裕を持って30分前に出たのに、なかなか到着しないんですよ。
1ヶ月も前に予約の電話をしたっきりのご新規さん。
予約時間に来なければお店は心配することでしょう。
時間が来たので、とりあえず近くまで来ていることを知らせました。
でも、お店が見えて来ないんですよ。
さらに10分ほど彷徨って、地元の人に助けられながらようやくたどり着きました。
1階のこの海老の看板が目印です。
店主から聞いた話では、この吉野鮨は私が思っていた日本橋の吉野鮨系ではないとのこと。
混乱がないように、青森の吉野鮨が修行したお店では、暖簾分けの時にこの看板のデザインを使えるということでした。
そしてお店は階段を昇った2階です。
えっと・・・私はすこし行き過ぎてたようです(苦笑)
鮨屋は仕事が見えるカウンターが好きなので、カウンターの隅に陣取ってようやく一安心。
お腹が空きました。
好物の田酒をちびちび舐めながら、まずは蛸の柔らか煮が到着です。
五所川原では魚屋さんにたくさん水蛸が並んでいました。
関西の蛸と大きさが違います。
明石の蛸は小ぶりで足も細いのですが、青森の蛸は大きな蛸です。
店主が言うには、「この辺りは水蛸しか上がらないよ」ということでした。
以前に明石の漁港まで蛸を見に行ったことがあるのだそうです。
青森の魚市場と明石の違いを話してくれました。
食材の探検旅行をしてるってすごいなぁ。
一口、口に含むとむふふ・・・と笑いが漏れました。
柔らかくて美味!
お酒によく合います。相乗効果というのでしょうか、蛸が美味しくてお酒が飲みたくなり、お酒を飲むと蛸が食べたくなる。
そんな一品でした。
お酒は奮発して「田酒」を注文。
さて、これも昼間の魚市場でかなり気になっていたお魚です。
カワハギのお造り。
肝醤油でいただきました。
肝と山葵を入れた小さなお皿が届き、お醤油は自分で入れるようです。
そこで少々迷います。
お醤油はどのくらい入れたらいいの?
肝と醤油の割合ってあるはずですよ。
肝醤油って、すでに両方入ったもので提供されていたので、自分で入れたことがなかったのです。
今回は勧めに従って、肝8:醤油2 くらいの割合で挑戦しました。
薄切りなのにプリプリとした食感。肝にたっぷり潜らせていただきます。
そして江戸前には外せない、煮穴子です。
握りではなくおつまみで注文です。
柔らかく滑らかに仕上がっていました。
酔いも回ってきたので、お鮨をつまむことにしました。
まずは鮪からですね。
大間の鮪がありますよというので、鮪を注文したのですが、写真を撮り忘れました。
途中で気がついたのですが、もう食べちゃったものは仕方ない。
関西で食べる鮪より大ぶりに見えたものの、全体に脂が細かく行き渡っているという感じでした。
もう少し寒くなってからのほうが水揚げが多いのですが、この時期でも充分に美味しかったです。
白身は、オコゼが気になって注文すると、身の上に肝や皮などオコゼの食べることができる部位を全部トッピングしたものが出てきました。
満足度高いです。
写真を見てわかるように、うっすらと醤油がついており、つまんでそのまま食べることができます。
鮃(ひらめ)の昆布締め。
お昼にも鮃を食べましたが、昆布締めも食べてみたかった。
貝類は蛤(はまぐり)をチョイス。
江戸前といえばやっぱり蛤だよね。
青森でも蛤は捕れるけど、小ぶりで身が薄く、鮨には向かないようです。
この蛤は千葉からのものでした。
ツメ(蛤の上にかかった煮詰めたお醤油)の照り具合。
甘すぎずあっさり目に仕上がっていて、好みでした。
握り最後は、店主おすすめのノドグロを食べてみました。
炙りになっています。
口に入れるとノドグロの優しい身が炙ることによってプリッと仕上がっています。
そして、香りが広がります。
いつまでも噛んでいたいような美味しさが充満するという感じかな。
ノドグロは赤ムツのことですよね。
白身魚とは違う独特な香りがして、よいアクセントになりました。
店主と話しがはずんで、楽しく過ごすことができました。
鮟鱇(あんこう)の肝が出てきてびっくり。
添えられた塩は天然の藻塩です。
予定通り握り5カンで満足した私は、いよいよラストに向かいます。
細巻きを何にするか迷って、他のお客さんも注文していた筋子を頼みました。
イクラは簡単に手に入りますが、鮮度のよい筋子って関西では珍しいのです。
写真がすこしブレていますが、そこはご愛嬌ということで・・・(笑)
市場のより塩薄めということで、あっさりと食べることができました。
カウンター鮨は、板前さんとの真剣勝負の場でもあります。
何しろ数を食べないので、1個をおろそかにできないんですよ。
初めて訪れるお店なので少々緊張もありましたが、お話し上手な店主でよかったこと。
魚の産地や昆布や塩の説明など、小さなことまで気を配って手配している姿勢に拍手を送りたいです。
さて、同行者は他のものも美味しそうに食べていましたので、写真だけ撮らせてもらいました。
赤貝・・・ツヤツヤと光ってますね。
もちろん注文を受けてから、殻から外してました。
私の席からは手元が見えるので、じっと見てましたよ。
キンメの炙り。
これ、美味しそうでした。
雲丹!
昼間市場で見た地元獲れの雲丹より一房が大きいものです。
あれは鮨には向かないと、今夜の雲丹は函館の雲丹だそうです。
北海道の昆布を食べている雲丹なので旨味が強いだろうなぁ。
お任せコースを注文した人の最後は玉(玉子)でした。
それにしても楽しいひと時でした。
旅行者なのでこれっきりと思っているでしょ。
私はまた夏にも青森に来るから、突然訪問して驚かせるつもりです(笑)
吉野鮨 お店のHPはここ
住所:青森県青森市橋本1丁目8-2 スカイプラザ2F
営業時間:17:30~22:00
定休日:日曜日
さあ、次はこの旅の最終回。
青森駅で解散して、私は一人北を目指します。
更新、待ってて下さいね。