一段と強くなる氷雨の中、宵闇迫る駅に列車がやってくる。
只見線の駅の中でも、1本片側ホームの佇まいは昭和のそれそのもので好感が持てる魚沼田中。
カラカラカラ、シューッ、シューッ。
きっちりと停止位置に据え付けられた列車から傘もささずに足早に女学生が家路を急ぐ。
数人の降車客を降ろすと、ガラガラガラガラガラー、エンジン音を残し雨の向こうの鉄紺の宵闇に吸い込まれていった。
2426D 魚沼田中駅
雪深い魚沼の貴重な冬の葉物、うるい。
ユリ科の植物で、水芭蕉の新芽にも似ているが癖も無くビタミンを多く含む。
もともとは山菜であるが、今では栽培もしているようだ。
※うぇる米魚沼HPより転載
遠征の宿を越後須原の民宿「浦新」さんにもとめ、
夕餉の食卓に上ったうるいは、豚しゃぶでさっと湯がいてポン酢でいただいた。
遠征先の宿での楽しみは色々あるが、電関人の場合はこの新しい食材との出会いである。
その地方の人々の暮らしの工夫をダイレクトに知ることができて話も弾む。
2017年 1月 越後須原にて