幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「こころの処方箋」 河合隼雄著 ”強い者だけが感謝することができる”

2014-12-02 09:44:04 | 本の紹介
「強い者だけが感謝することができる」

他人に心から感謝する、ということは大変なことである。
まず、そのためには、自分が他人から何らかの援助や恩義を受けた事実を認めねばならない。
弱い人はそもそもそのような現実の把握ができないのである。
それにつぎつぎと襲ってくる不幸や災難に対処してゆかねばならないので、それに追われて他人のことなど考える余裕がないのである。
あるいは、あまりにも理不尽な不幸や苦しみを体験するので、自分に対してある程度の助けがあって当然であると思えてくる。

実際、気の毒な人たちは、自分の責任でないのに不幸に陥らされるので、
そのようなことを生ぜしめる「世界」から、何らかの助けがあるとしても、別に感謝すべきこととも思われない。
それどころか、自分の不幸に比べると、それほどの助けでは少なすぎるという不満さえ感じることだろう。
あるいは、感謝するという感じではなく、一種の「重荷」としてそれを感じてしまう人もある。

そんな人は他人の援助を不必要にはねつけたり、受けたとしても、重荷に耐えかねて、
かえってその人を嫌に感じたり、何かと非難することを見つけたりする。
こんなわけだから感謝するのはなかなか難しいのである。

自分の受けた恩義を適切に評価し、これに相応した感謝の心を持ち続けて、しかも、
自分の存在は何らおびやかされることがない、となると、よほどの強い人でないと難しいことがわかるであろう。

感想;
感謝するということは、自分にないものや与えられていないものを見て不満や愚痴を言うのではなく、
自分にあるものや与えられているものを見て感謝するということなのだと思います。

ある精神科医がうつ病などの患者さんの治療をしていて、なかなか良くならなかったそうです。
薬は確かに症状を良くするけれどもなかなかよくならない。
カウンセリングは一時的によくなってもまた繰り返す。
いろいろ悩み自問自答しながら、たどり着いたのは「内観」でした。

内観とは身近な人に次の3つを思い出します。
1.してもらったこと
2.して返したこと
3.迷惑をかけたこと

それを行った後、感謝する気持ちが芽生えるそうです。
その感謝の気持ちが芽生えると、うつびょうなどもよくなったそうです。

「全てに感謝し、常に喜び、絶えず祈る」
聖書にある言葉ですが、
感謝して生きるかどうかが、自分の人生に大きな違いをもたらすように思います。